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「君たちはどう生きるか」感想

 一ヶ月以上も前に観ましたが、感想として言語化するのに時間がかかってしまい、いまごろようやくつらつらと書いてみようかと思いました。
(※ちなみに少々のネタバレがあります。)

 一言で言えば、観て良かった! に尽きるんですが…
細かい意味や意図はきっとくみ取れてないので、これは単に私が思うところ、所感に過ぎませんが、人生最後の走馬灯を見せられているんだな、と。
だから、こんなに細切れのエピソードを矢継ぎ早に見せられるのかな?と思いつつ、しかし映像の美しさや色彩の鮮やかさに終始圧倒されていました。

 一人の少年の今までの人生の記憶映像をまるで本のページをめくるように、観ている。ページをゆっくり読んだり、飛ばしてみたり、読んだものから想像を膨らませて壮大なシーンになってみたり…と
つじつまが合うというより、美しいものはより美しく、生々しく描写されるシーンは「ううっ」と思わずのけぞってしまうような。
 以下、少々ネタバレですが…

 眞人の父親は妻(眞人の母)が死んで一年も経たずに妻の妹と再婚して子供を作った。
 新しい母は自分の母とそっくりで美しいけれど、会ってそうそうに眞人を抱き寄せて
「聞いてみて、おなかに赤ちゃんがいるの」
なんて言い放ったりする。
 父親に相談したいことがあって帰りを待っていると、帰ってきた父親と継母がいちゃつくシーンを見てしまう。。。 など、

えげつないシーンが結構出てくるんですよね。。。
だから決して子供向けではない映画なんだけど。。。

  
 人が生きて行くには純真無垢な子供のままではいられない。綺麗なものも汚くて見たくないものも目にして経験していって大人になる。それを
いちばんそばにいて見せてくるのは親だったりする。

 私はもういい年した大人で子供もいるので、
大人というものが、親というものがてんでたいした人間でもなければ
しょーもないものだと重々わかっているんですが😂
 子供ってそうとは思っていなくて、親や学校の先生や世間の大人は清廉潔白でそれはそれは立派な人間なんだ!と思っているんですよね。
でも、日々の生活の中で大人の言動を見ていくうちに少しずつ絶望していって、ああ、色々な人間がいて大人なんてたいした事ないんだなぁ…ってわかっていくというか。

 終わりの方に出てくる、清浄な世界で理想の世界を構築し続けている仙人のようなおじいさんが出てくるんですが…
あれはifの世界線の大人のよう。
誰だって理想だけを思い求めて綺麗なものだけあふれた世界にいたいと思う。
けれど、現実はそうはいかない。

 「君たちはどう生きるか」

綺麗なものも汚いものも友達も親も世界も
色々なものに触れて人は生きていかなきゃならない。

眞人の選択を聞いて、エンドロールまで映画を走りきったら
なんだかもう、よくわからないけど涙がだくだく出てきてしまいましたとさ。

感想、おわり!

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