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逆風に立ち向かに夢を追いかける少女。TVアニメ「アルテ」紹介します。

 今回は私的2020年春アニメで4位とさせていただいた「アルテ」を紹介します。中世ヨーロッパの時代背景とし、画家を目指す貴族生まれの女の子の奮闘物語です。若いっていいなぁと思う作品です。

 アニメ公式ページのイントロダクションではこのように物語を紹介されております。

舞台は16世紀初頭イタリア・フィレンツェ。
絵画や彫刻などの芸術が盛んなルネサンス発祥の地。
そんな活気ある華やかなる時代に、貴族の娘として生まれたアルテは、物心ついた頃から絵を描くことに夢中となった。
しかし女性がひとりで生きていくことに理解がない時代、好きなことをまともにすることも許されなかった。
結婚してまともな生活をしてほしいと願う母親に反発し、アルテは画家になるべく工房への弟子入りを志願する。
同じ後悔なら自分の望むことをして後悔したい―
時代の流れに抗って、画家になる道を選んだ少女・アルテの物語が始まる。

 以上のように紹介されていて、気になったので実際に現実の歴史ではどういう時代だったか調べてみると、中々面白いことが書かれています。(Wikiペディアより)

ルネサンスは西洋史において多数の世俗的な女性芸術家が初めて国際的評価を得た時期である。この時期に女性芸術家が活躍しはじめた。人文主義の動きはこうした変化のひとつであり、全ての人間の尊厳を訴える哲学としてルネサンスの思想の中心となり、女性の地位向上にもいくぶんかは助けとなった。さらに、一般的に芸術家の個人としてのアイデンティティが以前より重要であると見なされるようになった。

と記載されておりました。他にもこの時代は男性画家が男性のヌードの絵は描いていたものの、女性が男性のヌードの絵を書くのはなかったとのことです。(どちらかというと禁止に近い)だったら女性画家が女性のヌードを描けばいいということでこの時代から女性のヌードが作品でも描かれることが多くなったとのことです。

 話しを元に戻しますと、1話ではお屋敷に住んでいた貴族令嬢のアルテは絵を描くのが大好きでしたが、母親に絵を描いているのを猛反対され、良い人生を送るためには女らしくお淑やかに礼儀やマナーを学ぶことを言われ続けてきました。夢を諦められないアルテは親の反対を押し切り家出することを決意します。画家工房への弟子入りを決意し工房を回るが、男性の仕事である画家という世界なので、女というだけで絵を見てもらうことすらできない状況に陥り髪を切ったりして覚悟を見せるもそれすら認めてもらえませんでした。そこに通りかかった画家のレオと出会い、初めて絵を見てもらいます。レオはアルテに弟子入りを認めるための無理難題な課題を出す・・・という展開です。

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アルテという人物が周りの心を徐々に動かし認めてもらう

 最初にも書いた通り、この世界では「画家は女性の仕事ではない。」そんな風潮でした。なのでレオから無理難題な課題を出されても、初めて画家として自分の絵を見てくれた、そしてチャレンジを与えてくれたと喜びます。がむしゃらに、どんなに手が傷つこうと自分の夢を追いかけるために寝る暇もなく作業に取り掛かります。それを見たレオは課題をクリアしこれまで弟子を取ってこなかった工房に初めて弟子を入れました。
 弟子入り後もレオの仕事についていくと、先ずはレオ自体弟子をこれまでとらなかったうえに、しかも女性の弟子ということでお得意先や工房仲間からよくからかわれたりします。町の住民たちにもアルテという人間が愛され始めますが、よその工房を見学させてもらおうとしても同じ画家を目指す仲間のはずなのに、相変わらず女ということで足元をみられ、ここでも無理難題なことを要求されたりします。しかし、その難題が出来れば中に入れるというそこでも前向きな考えのもと男でもきつい荷物運びをただ運ぶのではなく、どうすれば女の私でも持てるか、持つ姿勢など考えて運びます。その前向きな姿勢で親方からも根性があると気に入ってもらえ、工房内の画家たちも徐々にアルテという人間を認めます。女性からも、お得意先の娼婦や宮殿で絵を描きながら家庭教師として生徒のお嬢様などにもです。しかし、今度はそんなに仕事がもらえるのは女性で物珍しいからということも・・・

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 アニメの最後までいろんなところで「女性」というアイデンティティに苦しみ、大いに悩み、レオを始めお得意先や出会った人などからいつも助けられます。前向きな性格、そしてこれまでの努力による素晴らしい作品の出来にリピーターが少しずつ増えていきます。そこに惹かれるのは男女問わず彼女のことを人間として好きになる方が多いです。

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最後に(感想)

 アニメを毎週観終るとスッキリとした感情になりました。アニメを観ていると、中世の時代背景から画家としてもそうですし、その頃の人間としての考え方や生き様が今の時代の考え方とずいぶん違うので、そのギャップを楽しめることもできます。男尊女卑に近い中、貴族世界での葛藤。どちらかというとアルテが今の時代の考え方に近いような感じですね。周りから反対されても夢に向かってがむしゃらに頑張っている姿に心打たれます。
 ということでアルテを2020年春アニメ4位にさせていただきました。彼女の生き様を是非とも観られてください。


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