わたしの夢であった仕事


「仕事何やってるの?」

『パティシエです』

そう言うと
すごいね!とか
キラキラしてそうとか
憧れの職業だよねとか
結構良いイメージを持たれる。

これ自体はすごく良い事なのだけれども
世間体と実際に仕事にするのとでは
全くわけが違う。

こういうイメージは
パティシエを目指すきっかけになった私の中にもあった。



私がこの職業を目指そうと思ったきっかけは
きっとよくあるありきたりな理由。

“小さい頃に見たきらきらのショーケース”

これが忘れられなかったから。

何才の時、ケーキ屋さんの名前、雰囲気
誰が隣にいたか、誰の誕生日だったのか

そんなことはこれっぽっちも覚えていない。

ただ綺麗なケーキがたくさん並ぶ明るいショーケースのみ。


それがあったからなのか
もしくは小学校高学年の女子お決まりの
バレンタイン 友チョコ大交換会の影響なのか
はっきり覚えていないが
それくらいの年齢からお菓子を作り始めた。

中学校に入ると人と違うものを作りたくて
色んなものに挑戦した。

マカロンなんかあんまり食べたことないのに
きなこのマカロンに挑戦して
せんべいみたいになったのが印象的だった。

高校にもなるとお菓子作りが上手い子として
周りの人間に認識されるようになっていた。
とにかくイベントごとにタッパーに大量のお菓子を作ってクラス中に配っていた。

そんな中訪れた“進路選択”

迷わず製菓の専門学校を選んだ。

が。親から反対。特に母やばあちゃん。
反対派の言い分はこうだ。

『給料も安いし重労働。看護師になりなさい。』

あながち間違ってはいない。というか、その通りであること自体は高校生の私は理解していた。
そして今後の生活を考えて、看護師という職業を押していることも分かっていた。

ただ私が思ったのは
“さてどう説得しようか”

そこに現れた看護体験の案内。
これだ!!!

パッと見てすぐ決めて先生にこれに行きたいと申し出た。


とりあえず母やばあちゃんの言う看護師の仕事を体験してみてから、説得することにした。

看護体験の学生の仕事自体は
そんなに多くはない。
患者さんの足を洗ったのは記憶にある。
他にも採血のやり方、血圧の測り方などを
教わった。

知らないことを知るという点ではすごく面白かった。
ただ人に、人の人生に密に関わるこの感じ、、、私には向いていない。

しっかり看護体験の期間を終えたあと
母にこう言った。

“やってみたけど、向いていない。
やってみたけど、やっぱりお菓子がやりたい。”

(すごく当初の気持ちを思い出して書きながら泣きそうである。だからやりたかったんだった、、就職して4.5年も経つと日々の仕事に終われ忘れかけていた。)


最終的には父を味方につけ母を説得した。

基本的にやりたいことを自由にやれというスタイルの両親だったので、条件付きではあったがこんなことが通ったのだとは思う。

ありがたい環境である。

そんなことがあり私は「パティシエになった。」

後に最初に述べた世間体と仕事にするのとでのギャップに苦しむ訳だが。

このギャップが少しでも無くなればいいなと
思って日々活動を続けている。

『ちゃんとした意味で子供から憧れられる職業になるように』

これが今、私が新しいことに挑戦し続けるひとつの理由なのかもしれない。

#この仕事を選んだわけ

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