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猫の多頭飼いを選んだ理由とやり方

猫を多頭飼いするに至った理由とやり方を書きます。

もともと子供のころから猫が大好きで、いつか飼ってみたいと思っていた私は、旦那と結婚すると同時にペット可のアパートへ引っ越しそれと同時に保護猫を探し始めました。

最初から猫をペットショップで購入する予定はなく、保護施設から引き取ろうと考えていました。理由は簡単で、血統書に興味がなかったからです。

子供のころから友達の家にいる猫ちゃんは全部元野良とか保護猫で、血統書つきの猫ちゃんなど見たことがなく、どこかからもらってくるものだと思っていました。また、猫ちゃんたちは往々にしてツンデレで、家族でも母親にしかなついていないなどの例を見ていたため、ペットショップで買ったほうがなつきやすいとかそういう考えが全く思いつかなかったということもあります。

ペット可のアパートに引っ越す準備を進めているところで、地元にある里親探し型保護猫カフェの存在を知り、そこで思わぬ出会いがありました。

保護猫ちゃんたちではなく、カフェの壁に張られた一枚の里親募集ポスターの猫ちゃんにくぎ付けになってしまったのです。

のちにカイくんと名付けられるその猫は、隣の区のおばあちゃんがエサをあげて半分保護している「半外猫」でした。半外猫というのは、日中外に出て縄張りをまわりながら夜や決まった時間になると家に帰ってくる猫ちゃんのことを言うそうです。そのポスターは、おばあちゃんが体調をくずしいつまで面倒を見れるかわからないため、半外猫であるカイくん(当時はごんたくん)の里親を募集するものでした。

私は保護猫カフェの店長さんに見に行きたい旨を話すと、快くお時間を作ってくれておばあちゃんのもとへ同行してくれました。

おばあちゃんのもとへ到着すると、写真のカイくんの姿がありました。カイくんは、半年ほど離れた同腹の妹たち(カイくんの母親もこのおばあちゃんの元で半外猫として世話されていました)と一緒に暮らしていました。

カイくんはもうすぐ1歳の雄でしたが、近所の雄猫にボッコボコにされたため外に出るのが苦手という珍しい半外猫でした。気性がやさしく、寒い夜には妹たちを抱っこして寝るなど母性の強い一面もあることから、縄張り意識もあまりなかったのだと思います。

少し人見知りしていた感じでしたが、一目ぼれした私はその場でカイくんを迎え入れることを決めました。

そこから数カ月たって、2匹目の引き取りを旦那と検討しはじめました。カイくんという保護猫を引き取り、自分がお世話できる猫ちゃんがまだいるのではないかと思い始めたからです。

その後、猫ちゃんを2匹引き取り、さらにアパートが手狭になったので旦那と相談して猫のために一軒家に移りました。

そこからさらに保護団体から2匹引き取り、1匹を路上で保護して、現在の6匹に至ります。


ここから先は、保護した際の顔合わせから慣らして一緒に暮らせるようになるまでの行程を書いていきたいと思います。

まず、前提としてなのですが、私は多頭飼いに向いている猫ちゃんと致命的に向いていない猫ちゃんの2種類がいると感じています。

向いていない猫ちゃんとは、非常に縄張り意識の強い猫ちゃんのことです。

子猫のころはあまり縄張り意識がないのですが、3カ月ごろから徐々に縄張り意識が目覚め始め、特に野良猫など、育った環境によっては強烈な縄張り意識をもつ猫ちゃんもいます。

去勢していない成猫の雄同士は縄張り意識が強く非常に相性が悪いと思うので、できれば避けたほうが良いです。

また、子猫でも早くにきょうだいから離されてしまった猫ちゃんは猫同士のコミュニケーションの仕方を知らず、ケンカの加減がわからないため、けがをしてしまうことが多いです。

多頭飼いを検討している方は、そういった猫を保護したなどの逼迫した状況でない限り、先住猫のことを考えなるべくなじみやすい猫ちゃんを探すところからはじめましょう。いくら多頭飼いをしたくても、そのために先住猫が不幸な目にあうようではいけません。相性というのはとても大切ですので、新しい猫ちゃんの情報を吟味し、しっかり時間をとって慣らしていくのがいいと思います。

また、先住猫の性格もよく考えましょう。先住猫の縄張り意識が強い場合、温厚な新入り猫を連れてきても拒絶される場合が多いです。先住猫が本当に仲間を必要としているのかどうかも考えて候補となる猫ちゃんを探しましょう。

一見受け入れ不可能そうな猫ちゃんに見えても、案外猫なつっこい場合もありますので、一番安心なのはまず地元の保護施設などの団体にトライアル期間(2週間を目途に先住猫と新顔猫の相性を見るお試し期間)をお願いできるか確認してみて、できるようだったら必ずトライアルからやってみるといいと思います。


対面させたい新入りの猫ちゃんが決まったら、まずはケージを用意します。

これは新入り猫ちゃんの月齢にもよりますが、2カ月までなら1段、4カ月までなら2段、それ以上なら3段ケージが必要になると思います。

猫ちゃんの運動量はすさまじく、SASUKEも真っ青な運動神経でケージ内を縦横無尽に動き回ります。トライアル期間は、ケージに少なくとも2週間はいなくてはいけないので、なるべく月齢に合ったものを選ぶとよいです。

おすすめはアイリスオーヤマのプラケージです。プラなので錆びないですし格子部分の棒が太いので、よじ登っても猫ちゃんの手が痛くなりません。段ごとにちゃんと深さがあるのも、滑らないので非常にいいです。1~3段まであります。

次に、ケージの中にトイレと猫ベッド(できれば隠れられるものがよい)を準備します。ケージの外から威嚇されたとき、隠れられる場所があると緊張から逃げることができます。ケージの上に毛布やタオルをかけてもいいです。

準備が終わったら、先住猫の生活拠点から遠いところにケージを設置しましょう。先住猫の生活拠点(キャットタワーや、餌場や、トイレなど)と近いと、お互いに気を抜いて慣れる時間が作れません。

初対面の時、必ず気を付けなければいけないことは、新入り猫の高さはかならず先住猫と同じか下にしなければいけない、ということです。新入り猫を抱っこして初対面、は経験上最悪なので避けてください。

新入り猫を先住猫の拠点からなるべく遠い部屋のケージの中に入れてスタートです。

初対面時は、なるべくドアや仕切りなどを立てて、互いをスタンバイしてから仕切りを取りましょう。

まず、奇跡的に温厚な猫でない限り必ずケージ越しに威嚇が始まります。

ケージ越しにあまりに激しいケンカが始まるようなら、仕切りを閉じてください。軽い猫パンチ程度のものなら大丈夫です。嗅いでは威嚇し、離れ、を繰り返すと思います。

先住猫が、自分に危害を加える存在でないか確認する大切な時間ですので、新入り猫でなくまず先住猫ファーストを心掛けたほうが良いです。

数日様子を見てみたら、だんだん先住猫が様子を見に来る時間が減ってくると思います。そうしたら、先住猫が警戒を解いてきている合図です。ケージを先住猫の生活拠点へ移動させてみてください。

拠点へ近づいてきた新入り猫にびっくりするかもしれませんが、そこからまたゆっくり慣らして様子を見ます。シャーする頻度が、一日数回程度まで減ったらいよいよケージを開放します。

ケージの開放は、まず15~30分程度から始めます。

新入り猫は新しい縄張りを歩き回りにおいを覚えたりつけようとします。先住猫とケンカが始まるようなら、またケージ越しの対面からやり直してください。もしそこまで激しい衝突がなければ、徐々にケージから解放する時間を長くします。

そして2時間程度開放してもケンカなどが起こらない状態になったら、一晩開放し最終テストをします。

この段階まで来ると、致命的に相性が悪い猫というのはいないと思います。

あとはどれだけ仲良くなるかは時間の問題なので、数日様子を見て血を見るような激しいケンカがなければトライアル終了でいいかと思います。

その後は猫ちゃんの相性や性格によっては、お互いにグルーミングしたり仲の良い光景を見れることもあるでしょう。

最初はかなり神経を使う多頭飼いですが、くっついてリラックスして一緒に寝ていたり、じゃれあって追いかけっこをする猫ちゃんの光景はもう最高ですので、機会があったら是非検討してみていただきたいです。



質問などありましたら、コメントかTwitterのほうまでご連絡ください。@kaikunana

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