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お金はほどよく

ビンボーは困る
だが、必要以上にあっても問題が起こるのがオカネ。
ウチはビンボーだった。住んでいた家は登記がなかった。土地は母屋のものだった。父が死んでモメニモメタ。

自分の手に余るお金を手にした母は、それを生かすことができず使い果たした。
健康セミナー、ふとん、鍋、ハチミツ、アロエ、着物、
ビジネスは人の不安につけ込むのだ。
同居しても居場所を見つけることができなかった母は毎日のように出かけてはショッピングモールで時間を潰していたのだった。
高齢者がスーパーのゲームコーナーでコインゲームに興じているのを見ても他人事だと思っていた私だった。

のちに私の夫となる人の父も借金を貸して戻って来ず、揉めたと言う。

私たちの合言葉は
「お金は持ちすぎても不幸。
でも介護は最後結局お金」

時はバブル時代。

早死した父は無年金の母に生活費を残し、私が苦労しないようにしてくれた。
父の計算違いは、母が長く生きたこと。
そう、長生きはリスク。

そんな母に感謝するとしたら、
私を健康に産んでくれたこと。
父に感謝するとしたら、
母に手がかかるようになるのは子育てが終わってからと計算してくれたこと。

私が生まれる前、お空の上で神様がこう言ったのだと思う。
「ちょっと苦労するかもね。少し困った人がお母さんになるけどいいかな。でも悪いようにしない。絶対大丈夫だから行ってきてくれる?」

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