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日商簿記1級(商業簿記・会計学)収益認識基準ってなに?Vol.3

今回は、日商簿記1級の商業簿記・会計学の収益認識基準について解説します。

収益認識基準の第3回になります。


なお、日商簿記1級の基本や他の基礎的な内容は以下の記事にまとめています。

日商簿記1級(商業簿記・会計学)会計って何?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

企業会計原則については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(商業簿記・会計学)企業会計原則って何?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)企業会計原則って何?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)企業会計原則ってなに?Vol.3|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)企業会計原則とは?Vol.4|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


損益計算書原則はこちらです。

日商簿記1級(商業簿記・会計学)損益計算書原則ってなに?VOl.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)損益計算書原則ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


貸借対照表原則はこちらです。

日商簿記1級(商業簿記・会計学)貸借対照表原則ってなに?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)貸借対照表原則ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)1級の損益計算書ってなに?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

収益認識基準です。

日商簿記1級(商業簿記・会計学)1級の収益認識基準ってなに?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(商業簿記・会計学)収益認識基準ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)




収益認識基準のSTEP3からみていきます。

上記の第1回、第2回をお読み頂いてからの方が理解が深まります。


STEP3 取引価格の決定
 STEP3では収益計上額の基礎となる取引価格を算定します。取引価格

とは、顧客への商品またはサービスの提供と引き換えに、企業

が受け取ることができると見込まれる対価の額のことをいいます。

ただし、第三者のために回収する額は除きます。

※取引価格は、サービスや商品の販売価格と同じになるとは限りません。

たとえば、1,000円で売却した商品の取引価格が1,000円であるとは限らない

ということです。


取引価格を算定する際は、次の4つの要素を考慮する必要があります。

取引価格算定時の考慮事項
・①変動対価
・②契約における重要な金融要素
・③現金以外の対価
・④顧客に支払われる対価


①変動対価
 変動対価とは、顧客と約束した対価のうち、変動する可能性のある部分をいいます。
 変動対価が含まれる例としては、返品権付販売売上割戻(いわゆるリベート)などが挙げられます。

1.返品権付販売
 返品権付きの商品などを販売した場合は、次の3つすべてについて処理します。

 返品権付販売
 ⅰ.企業が権利を得ると見込む対価の額(ⅱの返品されると見込まれる商品の対価)で収益を認識する。
 ⅱ.返品されると見込まれる商品については、収益を認識せず、当該商品について受け取ったまたは受け取る対価の額で返金負債を認識する。
 ⅲ.返金負債の決済時に顧客から商品を回収する権利について資産(返品資産)を認識する。

※返金負債とは、顧客から受け取ったまたは受け取る対価の一部あるいは全部を顧客に返金すると見込む場合、受け取ったまたは受け取る対価の額のうち、企業が権利を得ると見込まない額について認識するものです。
 また、返品資産とは、返金負債の決済時に顧客から製品を回収する権利をいい、回収が見込まれる資産の額が計上されます。

2.売上割戻
 割戻しとは、一定期間に多額または多量の取引をしたときに行われる商品代金の返戻額や免除額をいいます。収益の著しい減額が予想される場合には、取引価格に含めたり収益に計上したりせず、返金負債として処理します。

3.最頻値法と期待値法
 変動対価の額を見積もるときは、最頻値法か期待値法のいずれかのうち対価の額を適切に予測できる方法を用います。最頻値法とは、もっとも発生確率の高い金額による方法で、期待値法とは、発生し得る対価の額を確率で加重平均した金額による方法です。


②契約における重要な金融要素
 顧客との取引に重要な金融要素(金利部分)が含まれる場合、取引価格の算定にあたっては、約束した対価の額に含まれる金利相当分の影響を調整します。

※契約における取引開始日において、約束した財またはサービスを顧客に移転する時点と顧客が支払いを行う時点の間が1年以内であると見込まれる場合には、重要な金融要素の影響について、約束した対価の額を調整しないことができます。

1.重要な金融要素の会計処理
 約束した財またはサービスが顧客に移転した時点において、現金販売価格を反映する金額で計上し、金利相当部分は、各期に受取利息として配分します。

※現金販売価格とは、現金による一括払いで商品を引き渡した場合に受け取ることになる金額をいいます。

2.売上割引
 売上割引とは、決済期日前の割引適用期間において代金の決済が行われた場合に、代金に含まれる金利相当分を免除することをいいます。
 顧客から受け取る対価の額に含まれている金利相当分が重要な金融要素に該当する場合、商品を販売した時点で約束した対価の額から金利相当分を控除した金額で売り上げを計上します。
 割引適用期間内に決済された場合は、約束した対価の額から金利相当分を控除した金額を代金として受け取ります。
 一方、割引適用期間を過ぎて決済されたときは、金利相当分を受取利息として処理します。


③現金以外の対価
 契約における対価が現金以外の場合に取引価格を算定するにあたっては、当該対価を時価により算定します。時価を合理的に見積ることができない場合には、当該対価と交換する顧客に約束した財またはサービスの独立販売価格を基礎として当該対価を算定します。


④顧客に支払われる対価
 顧客に支払われる対価とは、企業が顧客に対して支払うまたは支払うと見込まれる現金の額や、顧客が企業に対する債務額に充当できるものの額をいいます。





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