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24年12月合格目標 監査論 監査証拠ってなに?

今回は監査論の監査証拠について解説します。


なお、監査の基本的な考え方については以下の記事で解説しています。

24年12月短答目標 監査論 監査とは何か?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

24年12月合格目標 監査論 監査とは?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


24年12月合格目標 監査論 監査って何をするの?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

24年12月合格目標 監査論 監査意見ってなに?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

24年12月合格目標 監査論 監査意見を表明するための基礎ってなに?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

24年12月目標 監査論 重要な虚偽表示ってなに?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)



監査証拠とは何か?
 監査人は、財務諸表の監査を行い、それが適正に表示されているか

どうか、そこに重要な虚偽の表示が含まれていないかどうかについて意見を

表明することを求められています。監査意見は、監査人が自ら入手した

十分かつ適切な監査証拠に基づいて「適正意見」または「不適正意見」

として表明されることになっています。

 それでは、この「監査証拠」とは一体どのようなものなのでしょうか?

 監査証拠とは、監査人が監査意見を形成して表明するための基礎となる

すべての情報のことをいいます。それは、財務諸表の基礎である会計記録

に含まれる情報とその他の情報に区別することができます。


会計記録に含まれる情報とは?
 会計記録には、会社が行った取引を複式簿記で仕訳・記録して作成

される伝票や帳簿類と、取引を裏付ける証憑書類(しょうひょうしょるい)

が含まれます。

伝票・帳簿類 ⇒ 総勘定元帳、補助元帳、仕訳帳、入出金伝票、振替伝票など
証憑書類 ⇒ 請求書、契約書、電信送金票、小切手など


その他の情報には何がある?
 監査証拠となり得るその他の情報としては、株主総会や取締役会などの

議事録、監査対象会社以外の第三者から入手した確認状、同業他社との比較

分析表、内部統制の整備・運用に関する書類、内部監査人の監査報告書

などがあります。



監査証拠に必要なことは?
 監査証拠には、財務諸表に対する監査人の結論を支持するための証明力が

必要です。

 監査証拠の証明力は、その質(適切性)と量(十分性)によって測られ

ます。

①監査証拠の適切性
 監査証拠の質の適否は、適切性という概念で表されます。

 監査証拠の適切性とは、取引、勘定残高、開示などに関連して、財務諸表

レベルにおける経営者の主張を裏付けたり、虚偽の表示を発見したりする

ために監査人が入手した、監査証拠の適合性によって表されます。

 例えば、売掛金残高の実在性(掛取引が実際に行われたものであり、

取引残高が実際に存在すること)を検証するためには、経営者が未回収の

売掛債権を保有していると主張する取引先に対して、監査人は直接売掛金の

有無を確かめることになります。

 こうして得られる監査証拠は検証対象である売掛金と直接対応するもの

ですから、監査対象に適合しているということができるでしょう。

 この監査証拠は監査対象会社の外から得られるものですから、

その証明力は相対的に高いと判断することができます。

 他方、掛取引の存在を確かめるためには、売掛金残高と売掛伝票との

照合が必要です。こうして得られる監査証拠にも監査対象との整合性が

認められます。

 しかし、売掛伝票は会社内で作成されるものであり、実際には存在しない

取引が捏造されていたり、虚偽の金額が記載されたりする恐れがあります。

このため、残高と伝票との照合によって得られる監査証拠の証明力は、

相対的に低いといわざるを得ないでしょう。


②監査証拠の十分性
 監査証拠の量の適否は、十分性という概念で表されます。経営者の主張を

裏付けるのに十分な量の監査証拠が入手されたかどうかが問われ

るわけです。

 ある勘定の残高が正確に表示されているかどうかを確かめる場合に、

関係する取引を1つ検証しただけでは、本当に勘定全体が正確であるか

どうかを判断するのは難しいでしょう。取引の記録を管理するための

手続(この手続は「内部統制」と呼ばれています。)の信頼性の程度

にもよりますが、ある程度の件数を調べることによってはじめて

勘定残高の正確性についての確信が得られることになると考えられます。

 監査人は、1つ1つの取引の検証によって監査証拠を得ていくものと

考えられますが、それらをある程度積み重ねることによって、必要な

証明力をもった監査証拠を得ることができます。

 このように、監査証拠は、監査対象の適否についての判断を行うのに

十分な量が必要とされるのです。

 監査証拠には、監査の対象となる事項に適合していること(適切性)が

不可欠です。その上で、証拠の量に関わる十分性が満たされる必要が

あります。

 適合性の高い監査証拠は少量でも十分な証明力をもつ可能性がありま

すが、監査対象に適合しない証拠はいくら量を増やしても必要な証明力

をもつことにはなりません。

 監査証拠に関しては、「量より質」は成り立つかもしれませんが、

「質より量」は決して成り立たないという点に注意が必要です。


以上で監査証拠に関する説明は終わりになります。




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24年12月目標「短答式初学者向け」監査論 ベーシック編|公認会計士試験pandaa (note.com)


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