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24年12月目標 監査論 重要な虚偽表示ってなに?


今回は監査論の重要な虚偽表示について解説します。



なお、監査の基本的な考え方については以下の記事で解説しています。

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「重要な虚偽の表示」とは?

 財務諸表監査の監査意見は、財務諸表が適正に表示されているかどうか

について表明されることになっています。財務諸表が適正に表示されている

ということは、財務諸表に「重要な虚偽の表示」が含まれていないという

ことを意味します。

「重要な虚偽の表示」とは、財務諸表の利用者に誤った判断をさせる恐れ

のある重大な誤表示や記載漏れなどをいいます。

 こうした事項は不注意によって発生する場合もあるでしょうが、とくに

投資者を会社にとって都合の良い、つまり、誤った判断に導くことを意図

して行われるものが問題となります。

 財務諸表は、投資者に対して、投資意思決定に当たっての判断材料である

会計情報を提供するものです。もしこの情報が重要な虚偽の表示によって

大きく歪められていれば、投資者は誤った意思決定をさせられ、場合

によっては重大な損害を被る恐れがあります。

 証券市場においては、不特定多数の投資者が財務諸表などの情報に

基づいて投資意思決定を行います。重要な虚偽の表示を含む財務諸表に

よってもたらされる投資者の損害は、特定の個人にとどまるものでは

ありません。

 多数の投資者が同時に損害を被る恐れがあるものはもちろん、直接

損害を受けていない者にとっても、市場に提供される情報の信頼性への

不安が高まるという形で影響が及ぶと考えられます。

 情報の信頼性が損なわれることによって市場に対する投資者の「信用」

が失われることが、市場経済により深刻な悪影響をもたらすのです。

 重要な虚偽の表示を含む財務諸表が市場に公表されないようにしなければ

なりません。このために財務諸表監査が必要とされるのであり、財務諸表

監査が、非常に重要な役割を担っていることがわかるでしょう。



「重要な虚偽の表示」は何が原因で発生するのか?

 重要な虚偽の表示の多くは、財務諸表の利用者を欺くための「不正な

財務報告(粉飾)」や、「資産の流用」などの不正行為を隠すための

意図的な記録の改ざんなどによって行われると考えられます。

 いわゆる「粉飾」という行為は、会社の業績を実際よりよくみせること

で、意図的に財務諸表利用者の意思決定を誤らせようとするものです。

 不正な財務報告による重要な虚偽の表示は、通常、会社の業績に責任を

もつとともに、財務諸表の作成に責任を負う経営者が関与していると

考えられます。


 これに対して、「資産の流用」という不正行為は、多くの場合、現場の

従業員によって行われ、発覚しないように隠ぺいするための記録の改ざん

や書類の偽造などをともなうと考えられます。

 記録が改ざんされたり書類が偽造されたりすると、それらをもとにして

作成される財務諸表の数値が歪められ、それが大きくなれば重要な虚偽

の表示となるわけです。

 財務諸表監査は、財務諸表に含まれる重要な虚偽の表示を発見しなければ

なりません。

 監査人は、「職業的懐疑心」をもって監査に臨み、重要な虚偽の表示

の原因となる不正やその兆候を見逃さないように、適切な監査手続

を実施する必要があるのです。







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24年12月目標「短答式初学者向け」監査論 ベーシック編|公認会計士試験pandaa (note.com)


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