奥深い表現。古代ギリシャの美#2
アンサス(anthus)は、ギリシャ語で「花」です。
アンスリウム=アンサス(花)+リウム(尾)という意味になります。
他にも、花の名前にはギリシャ語由来のものがあります。
アストランティア…星(Astéri)
アネモネ…春の風が吹くと咲くから、風(Anemos)
デルフィニウム…イルカ(Delphis)
でもアンスリウムは、英語でも「テイルフラワー」ですし、和名も「大うちわ」とかですから、個性的な花ほど安易な名前を付けられがちです。(人と同じですね。)
けっこう、花の名前は覚えずらいものですが、元々の意味を知ると、少し覚えやすくなります。
コスモスはもともと「宇宙」じゃない
秋の花・コスモス(kosmos)は、「秩序・美しい」という意味です。
確かに、今が旬の美しい花です。
これを「宇宙」と表現するのに用いたのは、三平方の定理で有名なピタゴラスだと言われています。(弟子が多かったので、本当かな???)
「宇宙」を「秩序」という言葉で言い換えるのは、いかにも数学者らしい発想です。
反意語は「カオス(chaos:混沌、みだれた)」です。
ちなみに、コスメティック(cosmetics)もコスモスに由来するギリシャ語です。
ウェブスター辞典によると、「化粧とはコスモスの反対の意味であるカオスの状態を、コスモスの状態にするもの」だからだそうです。
スッピンをカオス。ギリシャ人よ。あんまりだ。
愛の花
有名なアガパンサスも、ギリシャ語です。
愛(アガペー)と花(アンサス)が足されたものですね。
見た目は繊細ですが、アガパンサスの根っこはしっかりしています。
ギリシャ語表現は、愛を4つに分類して表現できるそうです。
アガペー(αγαπη自己犠牲的な愛)、フィリア(φιλια親愛の情)、ストルゲー(στοργή家族愛)、エロース(ερως男女愛)。
プラトンの饗宴では、「エロース」の神が沢山議論されていましたね。
ギリシャ語聖書にはエロースが出てこなくて、アガペーが多く出てくるそうです。
「夫たちよ,妻を愛し続けなさい。(エフェソス5:25)」という言葉は「自己犠牲的な愛」を示しなさいという意味なんですね。
自分の想いではなく、相手の想いに立てる愛こそ、
しっかりとした夫婦、家族の根っこになるんですね。
そう考えると、夫が妻の素顔(カオス)を愛するのは、大事なことかもしれません。
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