360度評価について

管理人Iです。年度末に入り、人事評価に関する書類等を提出したり、管理職と面談をされる方も多いのではないでしょうか。今回は人事評価制度の一つである360度評価についてご紹介します。

360度評価とは?

一般的な人事評価は上司から部下に対して一方向的に行われるものですが、360度評価では上司だけではなく、同僚や部下からの評価も加わります。これによって、上司→部下の一面的な評価ではなく、多面的な評価をすることが可能です。多面的なデータを得られるため、人事担当者も評価対象者をより深く理解し、評価できることがメリットの一つです。他にも被評価者にとって「さまざまなひとが自分を見て理解し、評価してくれている」という安心感や職場に対する信頼感、評価に対する納得感もこれまでの方法より生まれやすくなるメリットが上げられます。
一方でデメリットとしては、評価に慣れていないいち従業員が評価を行うと、主観が入ってしまうことや、評価に日頃からの人間関係が反映されたり、馴れ合いになってしまうという問題が挙げられます。

360度評価を行う上での注意や共有しておきたいこと

①目的の説明、基準やルールを明確化し、順守する
評価に不慣れな従業員も評価に参加することから、目的の説明や、明確なルールを設け、それを遵守できるような研修などが必要になります。
②匿名での実施や評価内容の他言禁止
評価内容が偏らないように、評価対象者が評価に対し不信感を抱かないように、評価内容については他言禁止を徹底する必要があります。
③平均化した数値を評価得点にする
どのような関係性の間で評価をするか(部署内での評価あるいは他部署も含めた評価)によりますが、点数にばらつきが出る可能性があるため、評価の最高値や最低値ではなく、平均値を評価得点とすることが必要になります。

大学職員組織において360度評価は展開可能か?

では大学職員組織においての360度評価について考えていきます。大学において360度評価を行う上でのポイントは以下のものだと考えられます。
・誰が評価を行うのか?
 同じ部署内の同僚が評価をする場合であっても大学職員の業務は個人単位で異なることが多く、人によって担当する業務がバラバラの場合もあります。複数担当制の導入が進んでいる場合や部署内での連携が取れている場合は同僚からの評価も行いやすいでしょう。また部署横断的なプロジェクト・WTに参加している場合やオープンキャンパスや入試など大学全体としての行事に協力する機会が多い場合は他部署からの評価を行うことも有効でしょう。前提としてそれぞれの業務を可視化させておくことが必要です。
・まずは管理職者の評価からスタート
 大学改革においてはますます職員組織の管理職者の役割は高まっています。なぜなら管理職者の改革意識の有無で業務改善の進行具合が大きく異なってしまうからです。意識が高い管理職者がいる部署は改善が進み、そうではない場合は旧態依然とした業務が続けられます。管理職者が大学の発展を見据えた適切なマネジメントができているか、試されている状況ですので、管理職者に対しての360度評価を導入し、課員からの評価を図ることは今後増えていくかもしれません。上司・部下双方が評価し合うことでより当事者意識をもって業務改善に取り組めるきっかけとなるのではないでしょうか。

筆者は360度評価に肯定的な印象を持っています。評価全般に言えることですが、透明性があり、納得できる評価制度、そしてそれぞれの階層の職員がモチベーション高く仕事に取り組める人事制度を求めます。

参考
https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2389

【管理人:I】



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