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【政治】官房長官、血迷ったか?
本日のニュース。
林芳正官房長官は29日午前の記者会見で、6月から始まる定額減税のうち所得税の減税を給与に反映しなかった企業への罰則について「税法上の罰則は設けられていないが、労働基準法に違反し得るものと考えられる」と述べた、とのこと。
上記は毎日新聞ですが、他のメディアを色々と見てみても、定額減税を給与に反映しないことが、なぜ労働基準法に違反するのかを具体的に解説してくれている記事はありません。
恐らく、官房長官の発言があまりにも突拍子もなさ過ぎて、解説しようが無いというところかと思います。
労働基準法のうち、「賃金の支払い」について定めているのは第24条です。
(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
② 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
順番に見ていきます。
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
「通貨で」や「直接労働者に」が全く関係ないことは明らかですので、「その全額を支払わなければならない」というくだりについてです。
下記の「給与明細書のイメージ」を見ても、「支給総額」と「控除」のうち、定額減税は「控除」の方の話であり、「支給総額」の方が変わるわけではありませんので、「その全額を支払わなければならない」に違反することにはなりません。
次の条文です。
ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、
支払方法が「通貨以外」になるわけではないので、この部分も関係ないですね。
また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
長ったらしいので、途中の「労働組合」うんたらの部分をカットし再掲します。
また、法令に別段の定めがある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
「所得税」や「住民税」、「社会保険料」等として賃金の一部を控除して支払うことが出来る、ということですが、控除する際に「定額減税」を反映させなければならない、というようなことは、一切、書かれていません。
② 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
↑ この部分も、定額減税に全く関係ないことは、明らかですね。
結局、今日の官房長官の発言は、『おめえ、何わけわかんねえこと、言ってんだぁ?』としか言いようがありませんね。
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