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介護ベッドの背上げを「快適に」行うちょっとしたコツ

介護ベッドの「背上げ機能」。ご利用者の上体を起こすサポートをしてくれますが、中にはうまく行かないケースも・・・。ということで、介護ベッドの背上げを「快適に」行うためのちょっとしたコツについて今日は書いてみます。

介護ベッドの「背上げ」がうまく行かないケース・有効的に使うコツ

介護ベッドの「背上げ」がうまく行かないケースってざっと下記のような感じです
・背上げをすると体が足側にずるずる滑っていく・・・

足側に体が寄っているので上体が窮屈な姿勢で背上げされる

お腹・背中や首元が窮屈で苦痛

体のズレにより背中の皮膚が引っ張られる感覚

上記の窮屈な状態のまま背を起こした姿勢で過ごし続けてしまうと、床ずれを増長してしまったり、変な姿勢のまま踏ん張り続けたりすることで、姿勢の二次障害につながったり・・・
せっかく便利に使えるはずの介護ベッドが、逆に苦痛を生んだり、悪影響につながったり・・・というリスクがあるのです。

せっかくの介護ベッドの背上げ機能を有効的に使っていただきたい!
ということで、背上げ機能を使いこなすうえでのちょっとしたコツをいくつか紹介してみたいと思います!

有効的に使うコツ①正しい寝位置で寝てもらう

まず必要なのは、ご利用者に正しい寝位置で寝てもらうことです。
なによりこれが大前提!

具体的に言うと、ベッドの床板の背上げの軸の位置と体の股関節(詳しくは大転子部)の位置を合わせておくことが重要です。
時々目にするのが、体がはじめから足側に寄っている状態で背上げ機能を使おうとしている方です。
その状態で背上げをしてしまうと、ベッドの曲がる位置と体の曲がる位置が全く合っていないため、背中は丸まって圧迫されるわ、お腹の圧迫はひどくなるわ、首も前に押されて呼吸もしづらくなるわ、でご利用者にとっては拷問です・・・。

まずは体をベッドの曲がるラインにきちんと合わせることが重要です!

有効的に使うコツ②背上げ・足上げを組み合わせて使う

背上げ機能だけ使って起き上がりをすると、どうしても滑り台のように体が足側に滑っていってしまいます。
それを防ぐためには、背上げだけでなく、足上げ機能を組み合わせて操作をすることが重要です。最近のベッドは、ワンボタンで背上げ・足上げ動作を簡単に行ってくれるベッドがスタンダードになっていますので、その機能をぜひ使っていきましょう(ワンボタンで動く機能では、まず足が上がる→背が上がる→背がある程度上がると足が下がる、という便利な機能です)。

有効的に使うコツ③背上げが終わったあとに背中の圧を抜く(背抜き)

背上げが終わったらそれでオーケーではありません。背上げ機能はあくまで機械がサポートしている動きになりますので、細かいところまでサポートできません。
その細かいところについては、介助される方でサポートしてあげることで、ご利用者はより快適にベッド上で過ごすことが可能になります。

サポートと言っても動作は簡単!

背上げが終わったあとに、ご利用者の背中に手を通してあげる動作(ご利用者の背中をマットレスから一旦離してあげる動作)をするだけ。
この動作をしてあげることで、背上げで背中の皮膚が引っ張られていた状態だったり、背中やお腹にかかった圧を逃がすことができ、非常にご利用者は楽になります。
同じように足のかかと部分もマットレスから一旦離してあげる動作をすることで、かかとにかかっていた圧を抜くことができ、ベッド上でより快適に過ごすことを可能にします。


ということで、背上げ機能を「快適に」使いこなすちょっとしたコツについてお話してみました。
介護ベッドを使われている方はぜひ試してみてください!
(できれば、ご自分でもご利用者の体験として一度やってみると実感が湧いてより良いと思います!)

福祉用具の使い方でわからないことなどあれば、福祉用具専門相談員に聞いてみてください。きっと力になってくれると思います!

ではでは。

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