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超高齢社会の中で、ポジティブに介護を受け止め発信できる場所|SPACEメンバーインタビュー⑤

こんにちは!

日本各地で大雨の日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
わが家では熱中症予防で冷房が欠かせませんが、時折夕方に吹く涼しい風に心地よさを覚えます。

SPACEメンバーインタビュー、今回は佐久間友弘さんです。インタビュアーは介護職4年目の江藤です。祖母の介護が必要になってから認知症ケアに興味を持ち認知症ケアを勉強したいと思っています。
SPACEメンバーインタビューの機会に認知症介護指導者の資格をお持ちになっている介護の道18年の佐久間さんがSPACEに入る前のことから今後の目標までを教えてくださいました。

■プロフィール■
佐久間友弘
介護付有料老人ホーム管理者/介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
新卒で入職し、今年で18年目
趣味:カメラ撮影

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【同じ場所に留まることが自分の強みでもあり不安でもあった】

ー介護の道18年の佐久間さんは、なぜSPACEに参加しようと思ったのですか?

新卒から入職して、これまで所属している法人一筋できましたが、自分の法人以外の人たちはどういう思いで介護をしてるのか気になっていました。
また、1つの法人にいることが強みでもあり、同時に不安にも感じたんですよね。それは、情報や視野が狭くなり法人の文化に慣れてしまうことで、現状に違和感を持つことができなくなること。それにより、成長が止まってしまうのではないかということでした。
その不安をどうにかしたいと思った時に、KAIGO LEADERSの運営メンバー募集を見つけたんです。ポジティブに介護を受け止め発信しているところに惹かれて応募しました。

その後、KAIGO LEADERSの運営メンバーとして活動をスタートし、自然な流れで「SPACE」にも参加することになりました。

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SPACEには、いろんな職業、いろんな肩書の人たちが集まっています。
共通事項は、社会福祉や介護に興味をもっていること。自分をポジティブに導いてくれるところだと感じています。

コミュニティの参加の仕方は色々あって、必ずしもイベントや勉強会を立ち上げたりする必要はありません。
Slack(※SPACEで利用しているコミュニケーションツール)でいろんな情報や価値観に触れることができるので、仕事が忙しいときはSlackを見るだけといったように、自分は本業優先で、SPACEを利用しています。
無理なく参加できるので、それが居心地の良さや安心感にもつながっています。

ーSPACEに入る前には、1つの法人にいることが強みでもあり不安も感じられていたとのことでしたが、SPACEに入る前と後の変化はありましたか。

オンラインコミュニティに所属すること自体がはじめてだったので、どういう風にかかわればよいのか迷い、わからなかったことや不安が強くありました。そんな中で「そのままでいい」、「必ずしもアクションをしなくてもいいんだ」という感覚を持ったタイミングがありました。

それは、現場の生の情報を求める人とつながる機会があった時に感じました。メンバーの事業に関するヒアリングを求められて、自分の知識や経験をもとに答えただけ。でも、相手方にとても喜んでもらえたんです。普段介護現場で仕事をしているだけでは知り合えなかった、スタートアップで介護関係の開発をしている方に出会え、その方たちの力になれたことがとても嬉しかったです。

オンラインコミュニティって何かしなきゃいけないって思いがち。かつての自分も「意識の高い人たちが集まっているもの」と、勝手にハードルを上げていましたが、それもいつの間にか変化していました。

【介護現場の経験が存分に活かせる場所】

ー自分はSPACEに入ったばかりなのですが、とももさんは普段どのようにSPACEを使ってるのですか?

自分は東京都認知症介護指導者の資格を持っているのですが、「現場のケアマネや管理者で、認知症に精通してる人いませんか」という投げかけがあった時に、コミュニティマネジャーのまさまささんがつないでくれて、その人たちとやりとりをすることが多いです。介護現場を経験してるからこそ、発信できる機会がありますね。

また、介護現場ど真ん中じゃない人にも自分が持っている情報や知識を届けたくて、認知症の方の気持ちに寄り添うきっかけとなるような、オンラインのワークショップを去年SPACE内で行いました。
(※佐久間さんはワークショップデザイナーの資格もお持ちです)

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認知症の方たちが感じている不安は、認知症を発症せずとも人間だったら誰しもが感じられるもの。
認知症について考え、想像を膨らませて、BPSD(※認知症の行動・心理症状のこと)を疑似体験してもらうきっかけを作りたかったんです。

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この認知症クエストには、25人ものかいスぺメンバーが参加してくれました。その中には、介護職じゃない人もいました。目的と課題感はまだまだあるので、今年あたり続編ができたらなと考えています。

【資格取得は相手の目線に立って助言したいと思ったから】

ーとももさんは、東京都認知症介護指導者として活動されているんですね。私自身、認知症ケア専門士やケアマネジャーの資格を取りたいと思っているのですが、とももさんが介護に関わる資格を目指したきっかけを教えていただきたいです。

ケアマネジャーは明確にやろうと思ったわけじゃないんです。デイサービスの生活相談員だった時にいろんなケアマネジャーと関わることがあり、その時に違和感を抱いたことがありました。対等に話すためには、ケアマネジャーのことをわかった上で助言ができる生活相談員になりたいと思ったんです。また、キャリアアップも兼ねて、資格を取ろうと思ったことがきっかけです。

今、東京都認知症介護指導者(※)という活動をしていますが、認知症ケア専門士の資格は持っていません。認知症介護指導者は、階層別のキャリアパスになっています。今回の介護報酬でも、無資格の人は、必ず認知症介護基礎研修を受けてくださいというものです。

※<認知症介護指導者取得までの流れ>
認知症介護基礎研修

認知症介護実践者研修

認知症介護リーダー研修

認知症介護指導者研修(小論文+書類選考後に都庁で面接 ※地方自治体による)

認知症介護指導者研修の資格を取得すると、認知症の講師として活動ができます。事業所以外の介護職員にも認知症介護について伝えていくことができます。資格を持つことが大切なのではなくて、認知症介護指導者の資格を持った上で、分かりやすく人にアウトプットしたり、人に伝えていく活動を続けることが大事だと思っています。

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【専門職は生涯学習】

ー資格を取ってみてどうでしたか

介護をはじめて18年間、どんなに資格を取っても経験を積んでも自信に繋がりませんでした。資格を取るたびに「これで自信もって介護ができる!」と思っていましたが、ケアマネジャーや認知症介護指導者を取っても変わりませんでした。
でも、自分の場合は、逆に自信が無いことが学習意欲につながっていることがわかったんです。自信が無いことを受け止めることで、自分の中の価値観が変わりました。自信が無いなりにも専門職としての知識や人に伝える力を身につけて、所属する法人以外の介護職員にももっと介護の魅力を発信したり、社会課題にもアプローチしていきたいです。

ーこれまでいくつもの資格を取得され、長く介護に携わっていらっしゃいますが今後の目標などを教えていただけますか?

若手の介護職の人や、多くの他業界から入ってくる介護職員に、介護の魅力や認知症ケアの奥深さをしっかり伝えていきたいです。若手職員で考えると、社会人としても育成して、キャリアデザインやキャリアパスを考えられる職員を1人でも増やしていきたいと思っています。
また、ワークショップデザイナーの資格を2年前に取得しましたが、今度はキャリアコンサルタントの資格を取って、人材育成に精通した仕事をしていきたいと思っています。
ゆくゆくは、教育事業部があり、多くの介護職員にリーチできる職場で、人材育成をやっていきたいと思っています。

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インタビューをさせていただいたとももさんの「専門職は生涯学習」というお言葉がとても印象に残りました。
歩みを止めず生涯を通して学び続けることで、自分自身の勉強につながり、社会貢献できる生き方をしたいと思いました。
(インタビュアー:江藤美帆)

次回のメンバー紹介もお楽しみに!

これまでのSPACEメンバー紹介
▼Vol.1 介護未経験の私が感じるコミュニティの価値(桑村美奈子)
https://note.com/kaigospace/n/n10a90f71d2f0
▼Vol.2 行動につながるきっかけがある場所(盛島和宏)
https://note.com/kaigospace/n/nc58485b32aa2
▼Vol.3 職場を離れて介護を見つめなおす場(森田華代)
https://note.com/kaigospace/n/n56cf40781ccc
▼Vol.4 研究職の性?!介護業界を深掘りするために飛び込んだSPACE(大島直史)
https://note.com/kaigospace/n/n3996d95fe8d4

SPACEの入会は毎月2回、10日と25日!
◆介護のオンラインコミュニティ「SPACE」詳細と申込
https://heisei-kaigo-leaders.com/projects/space/

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この記事を書いた人📝
江藤 美帆 
大学卒業後、介護付きホームに就職。介護福祉士SPACEには今年の4月に入会。
興味関心:認知症ケア、高齢者福祉分野
将来の夢:高齢者の方が最期まで安心して穏やかに暮らすことができる明るい未来を築くこと

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