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高齢者の病気に関連するむくみ

朝起きたら、「顔がむくんでいた」といった経験はありませんか?浮腫みは誰しも起こる症状ですが、場合によっては病気によって起こることもあります。
この記事では、高齢者に起こる浮腫みと病気に特化し、まとめています。

むくみとはどういうものか、「ちょっと」おさらい!どうして起きるのか?

正常な状態であれば、私たちの体内にある水分の量は、常に一定に保たれるよう身体のは調節し続けています。
体内の血管では、水分の移動を行い、栄養や酸素を体の隅々に届ける役割をはたしています。
水分は、身体中を巡っている毛細血管を通り、運ばれていきます。
また、リンパでは、不要になった物質(老廃物)を吸収しています。しかし様々な原因により、水分の移動がうまくいかなくなってしまうことがあります。
すると、血管の外にある皮下の組織に水分が溜まってしまい「むくみ」となって出現するのです。

高齢者に「浮腫み」の症状がでやすいって本当?

高齢者は、若年の人と比較し、浮腫みの症状が出やすいと言われています。
その理由は次のようなことが原因であると考えられています。

  • 若いころと比較し、体を動かす機会が減ってしまう・運動不足になる

  • 足腰が脆弱になり、車いすやベッド上での生活をすることが多くなる

  • 加齢による心臓の循環機能の低下がみられる

  • 筋力の低下

体内の血液循環に必要なポンプの働きは、身体を動かすことで行われます。しかし、身体を、動かさないことで、その機能が、しっかりと働かなくなってしまうと言われています。
また、ふくらはぎの働きは、下半身に集中している、リンパ液や血液を押し流す、ポンプの役割があります。
ふくらはぎの筋肉が上手く動かせていないということは、このポンプの役割が果たせず、水分が溜まりやすくなってしまいます。
高齢者に、下肢のむくみが多くみられるのは、全身と下肢の水分や血液を循環させる心臓の機能が低下しているうえに、ふくらはぎの筋力低下がみられるといったことが原因であると、考えられています。

むくみと病気の関係とは

むくみが出現する原理や、高齢者にむくみが出現しやすい理由は、既にご紹介しました。
とは言っても、若年の方でも、身体にむくみがでてしまうこともあります。その場合、大抵は塩分・アルコールの摂りすぎや、ホルモンバランスによって、身体が水分をため込んでしまう、身体が冷えてリンパが滞るといったことが原因として考えられます。
しかし、病気が原因となり、むくみが出現することもあります。

むくみの症状は心臓、腎臓、肝臓や甲状腺と言った臓器に関する病気によっても生じることがわかっています。
これらの臓器は、水分を身体中に循環させる機能、水分を身体の外に排出させる機能を備えています。
しかし、これらの臓器の機能が弱ることで水分が身体に溜まり、循環不良になることから、むくみが生じます。

病気の他にも血流やリンパの流れが滞っている場合、薬の副作用によって生じることもあります。
脚にむくみが生じる病気もあります。
そのうちの一つに下肢静脈瘤があります。
人間には静脈と呼ばれる、心臓へ戻る弁がついた血管(静脈)があります。
下肢静脈瘤はその弁の働きが壊れて血液が逆流することが原因でむくみにつながります。
また、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)によるむくみも存在します。
足から心臓へと血液を戻す際に静脈に血の塊(血栓)ができて詰まってしまう病気です。
血栓ができることで血流が悪くなりむくみ症状を起こします。

むくみが出現した場合の対処法とは

では、むくみが出現した場合、どのような対処を行うべきなのでしょうか。急激に全身のむくみがみられ、体重が増加するなどの場合、同時に呼吸困難といった症状がみられる場合があります。
これらの自覚症状が出ている場合、入院等の加療が必要な段階であり、病的なケースもありますから、医療機関にいくのが良いでしょう。
急な症状の出現でなくとも、段々とむくみが悪化している場合も、むくみの原因となる病気になっていないか、一度確認する必要があると言えます。

一方、病的ではなく、一晩休息を取れば、むくみの症状が軽減することもあります。
いずれも放置せず、経過の観察をしたり、かかりつけ医に相談するなどの、対処を取りましょう。

まとめ

むくみは、性別や年代を問わず、誰にでも起こり得る症状ですが、高齢者は特に出現しやすいと言われています。
その理由は、心臓の機能や筋力の低下により、体内に水分が残りやすくなったり、リンパが滞りやすい場合が多いことからきています。
むくみは塩分やアルコールの摂りすぎなどで起こる場合もありますが、病気が原因によることもあります。
心臓、腎臓や肝臓などの臓器は体内循環に関係する臓器で、障害されることにより水分が溜まりやすくなると言われています。
いずれにしても、むくみの症状を観察しながら、専門家に相談することが大切です。



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