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要介護者のための主治医の選び方

介護が必要になったとき、健康相談が出来るかかりつけの病院が必要です。
そして、その人らしく生きる為に、主治医の協力が必要となるでしょう。
では、どのような病院や医師を信じればよいのでしょうか?

かかりつけ医の必要性


介護が始まる背景には介護が必要になった気かけの病気等があると思います。
これらの再発防止や進行予防の為に、死を迎える時までしっかり病気と向き合う必要があります。
医師によっても考え方や治療法は様々です。
信頼出来る一人の先生に一任する事で円滑な治療に繋がり、残された時間を充実させることに繋がります。

かかりつけ医のメリット

図1

1)全身を見てもらえる

高齢になると一人でいくつも病気を抱えたり、認知症などにより病気による症状が表に出てこなくて、症状に気づいた時にはだいぶ進行しているなんて事もあります。
このような時、かかりつけ医による定期的な診察により早めに症状に気づいてもらえる事があります。
要介護者の特徴も知ってもらえるので、的確な対応が可能となることも多いです。

2)専門の医療機関と連携がとれる

医師といっても全ての診療科がわかる訳ではありません。
疑わしい疾患をみつけても確定診断や治療が出来ない場合は専門医に相談してくれます。
どういった経緯があり、何の病気でどんな薬を飲んでいるのかまでしっかり連携をとってくれるので安心して見てもらう事が出来ます。
そして、専門医での診察後は専門医から主治医へのお返事をもらえるため、主治医は要介護者の状態はしっかり把握しておけるのです。

3)主治医の意見書などを書いてくれる

介護保険の申請には主治医の意見書が必要になります。
全人的に見てくれているからこそ、どんな援助が必要なのか理解した上で書いてくれます。
意見書については一度しか見てもらった程度の医師では拒否される事もあるので、信頼関係の築けているかかりつけ医にお願いする必要があります。

4)在宅での看取りや延命処置の希望など本人や家族の意思を尊重してくれる

例えば御飯が食べれなくなったとき、生きる為にどんな方法があるのか、そのメリットデメリットなどしっかり話をして、選択肢を持たせてもらう事で生きるための選択が出来ます。
また、看取りの場面でも、在宅で看取る場合、主治医が来て死亡確認までしてくれるのかなど主治医だからこそ相談出来ることはありますし、計画的に要介護者らしい最後を迎える準備をすることが出来るのです。

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かかりつけ医のデメリット

1)一人の見解になるため見方が偏る

医師免許を持っているから全身が診れて当たり前。
そう思っている方も少なくないと思いますが、実際は医師にも専門性があり、専門分野以外の疾患の早期発見が難しい事もあります。

全身を見てくれているとはいっても、全ての病気に対し早期発見とは限らない事を理解していなければなりません。
だからこそ、気になる情報や変化は主治医へ積極的に相談する必要があります。

2)緊急時に連絡がつかない可能性がある

主治医が一人だからこそ、医師の休暇中や夜間などに命にかかわるような状態となった場合、すぐに主治医と連絡が取れない場合があります。

緊急性が高くない場合は後日の対応でいいかもしれません。
しかし、緊急性が高い場合の対応を考えておく必要がありますね。

かかりつけ病院の選び方


大きい病院ではカルテ上に情報は残りますが、医師の入れ替わりがあります。

また、初めての診療科に紹介状なしに受診しようとすると高額な選定療養費が必要となります。

近所のクリニック等で信頼出来る主治医を探し、大きな症状が出たときに紹介してもらい治療方針を決めていく形で良いのではないでしょうか?

ただし、主治医とは一生の付き合いになると思いますので、信頼出来る人になってもらいましょう。

主治医の選び方

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1)しっかり説明してくれる。

治療が必要になったとき、いつくかの選択肢を説明し、緊急性のないものは家族で話し合う時間を持たせてくれる医師は信頼してもよいと思います。
これは知識から選択肢を準備出来、要介護者やその家族の意思を大事にしてくれる医師と言うことを示しているからです。

2)自分の希望にそっているか。

看取りや往診を希望しているけれど、主治医がそのシステムを導入しているかは別です。なので、自分の希望するシステムを導入している病院の医師を探す必要があります。

3)総合内科医であることが望ましい

整形や耳鼻科、眼科など専門性の強い主治医では全身を診てもらう事が難しくなります。
全身的に診てもらうという意味では総合内科の医師が適しています。

4)症状を確認してくれ、診察そしっかりしてくれる。

要介護者やその家族の何かおかしいという直感は当たっている事が多いです。
それを軽視したり診察をおろそかにする医師は疾患を見落とすのではないかと不安になります。話を流す医師の中にはその症状に対し瞬時に問題ないと判断している医師もいるため判断が難しいところはありますが、要介護者やその家族の不安に対してしっかり対応してくれる医師は信頼出来ます。

5)自分の性格に合っている

日常生活の変貌などをはっきり指摘してくれる先生がいいと思う人や口調が穏やかな先生がいいと言う人など話しやすい性格は人により異なります。
自分らしくいられる医師を選ぶのも大切です。

病院受診時の心得


主治医も人間です。

全てを対応出来る訳ではない事は理解しておきましょう。
全ての疾患を理解していたり、全ての症状を治せたりするわけではないことは知っておく必要があります。

責任感や使命感をもって頑張っている医師もいます。手を抜いてしまう医師もいるかもしれません。

もし、主治医に対する信頼が揺らいでしまった場合は、セカンドオピニオンを受け主治医変更をすることも時には必要なのかもしれません。ですが、主治医をコロコロと変わり過ぎると要介護者を理解する前に情報提供書を書くことになるので、次の医師に正しく情報が渡らなかったり、次の医師に警戒され良い関係が築けないこともあるので注意が必要です。

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まとめ


介護が必要になれば主治医は必要不可欠です。
信頼出来る主治医との出会いは簡単ではありませんが、一生の付き合いになるので要介護者とそのご家族が納得出来る医師を探す事が大切です。

自分達の希望全ての条件を満たすかかりつけ医はいないかもしれません。
自分達の条件の中でも譲れない条件をしっかりと決めておく事が必要です。

フッターB



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