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認知症BPSD暴力が改善したケース

認知症ケアに関わるご家族にとって、BPSD(認知症の周辺症状)は本当に大変な事だと思います。先日、認知症BPSDについてnoteを書いてみたら、意外にも沢山の方に見て頂いた様でした。

認知症BPSDに方言で立ち向かう
https://note.com/kaigo_tech/n/na991884913aa?sub_rt=share_b

仕事柄、認知症の方に関わる事が多く、トライ&エラーで色々と試せる恵まれた環境にいるので、そこで得た事例をnoteで紹介してみたいと思います。

人生で初めてかも知れない、まともに顎にパンチが入ったのが、重い認知症のご利用者様からでした。1週間くらい痛みが残りましたが、運良くそれ以上の事は無く無事に治りました。一応、上司に報告しましたが、専門職への暴力の情報はある旨の話しでした。それから暫くの間、こちらのご利用者様をケアする時は、どうしても暴力を受けない様に遠巻きにする感じ?気を付けて関わっていました。

このご利用者様は、今では私の事を認識して下さっていて、暴力を受ける事はありません。そこには、重い認知症であっても、しっかりとした記憶が残るのだという事があると考えています。この方の排泄ケアは複数人で行いますが、興奮すると拳を構える行動が今でも時折見られます。私が興奮したご利用者様と目と目を合わせて笑いかけると、ご利用者様もにっこりと笑う。「ああ、あんたか」という声にならない声が聞こえる様な気がします。最初は私も怒られていて、暴力を受けていた事から、重い認知症であっても記憶は定着している例だと考えられます。

では、どうすれば重い認知症の方から好意的な存在として記憶して貰えるのか。それは、こうすれば良いです、という明確な方法はお伝え出来ないと感じています。時間をかけて関係を作っていく中で、不快な接触を除いて行く事で関係が出来ていくのではないか、と考えています。

私は医学書院から出版されている「ユマニチュード入門」という本を持っていて、ご利用者様と目を合わせる時は、この本のやり方を参考にしています。重い認知症の方は名前を呼んでもあっちの方向を向いていたりするので、こちらに注目して貰うにはコツがあるのだな、と感じます。ユマニチュードはフランスの会社の登録商標だそうで、私がユマニチュードではこうします、等と書く事は出来ません。

この方の場合は私を好意的に記憶して下さっていますが。私では全く上手く行かないのに、別な職員の求めには応じてもらえる、という方も勿論いらっしゃいます。あまり深く悩まずに、上手く行かなければ介護者を変えてみるのも、職場では良くやられている方法だと言えます。

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