見出し画像

私が漢検1級に合格するまで


自己紹介します。
41歳女性、自宅で義母の介護をしております無職の主婦でございます。
趣味はゲーム、読書、マンガ、音楽鑑賞。主に洋ロック、カンタベリやプログレッシブロックが大好き。格闘技やバレエを見るのも好きですし、たまにマフィンを焼いたりイラスト描いたりプラモを組んだりもします。
旦那と義母と猫のマヨの、3人と1匹で、ド田舎で暮らしております。
私めそ子、令和4年第2回 漢字検定1級に、めでたく合格致しました。

今までの短くない人生で、本当に、こんなに努力したことは無かった。
長くなるけど、受検するにあたっての思いとか、こんな風に勉強してきたよとか、失敗したこととかを 思い出として残したく、記事に書きます。
マジで長くなるけど、どうぞよろしく!驚異の8000文字オーバーだよ。
どーでもいい事すっとばしたい方は、目次から選んで読んでね。

愛猫マヨちゃん。傾国の美女。



漢検1級。とにかく難関と名高い検定試験だ。

公式サイトより、2021年度の漢検1級合格率推移。

合格率は毎回約10パーセント前後(ブレあり)、そのうち7割は1級リピーターという方々で、既に合格は果たしたが高得点を狙って再受験されている「合格して当然の実力者たち」なので、初合格者はおそらく3パーセントくらいじゃないかとか言われてたりする。正確なソースは無いが、マジかよ、やべえなというのが率直な感想だ。3パーっていったらガリガリ君が当たるくらいの確率に近いらしいけど、なんかそう言っちゃったら逆に「いや、結構あるんじゃね?」って思いそうになるよね。でもマジで難しいから。理不尽なほどに難しいから。

①大丈夫、高卒でも取れたぞ

最初にまず、私の言葉遣いがよろしくないのは ひとえに私の不徳の致すところゆえだ。申し訳ないが、どうか許してほしい。
なにしろ私には学が無い。県立高の普通科卒で、それも進学校などとはケタの違う(下に)、フツーのおバカな女子高で、それはそれは楽しい高校生活だった。クラスメイトはミニスカートにルーズソックス、日サロで焼いた小麦肌の陽気なギャルたち。試験そっちのけで眉を整え爪を塗り、決してお勉強のできる人が行く高校ではなかった。
でもね、そう、おバカ高卒でも漢検1級は取れたんだよ!
どうだね、希望が湧いてきただろう。

Twitterには、老いも若きも それはそれは頭の良い、賢い方々が沢山いらっしゃって、ワイワイと難しい漢字や熟語、ことわざなどの話題で賑々しい。
稀に、勉強期間3か月で初受検初合格です!というバケモノも居たりする。
己の知性にコンプレックスを持つ私のようなモンは、(ひぇ~皆さんかしこくていらっしゃる~)などと高みを見上げて洟を垂らすだけであった。
1級に挑戦すること自体が無謀と言ってもいいだろう。

しかし、幸いなことに 私には武器になるものがあった。
それは、「地道に続けられる力」と、「有り余る時間」だ。
私は家で介護をしているので、基本的に家から出ない。
逆に言えば、家に居る時間は当然多くなる。
特に時間は大きなアドバンテージになるだろう。
勉強を続けてさえいれば、私でも漢検1級を取れるかもしれない。
もう量で行こう。私は勉強量で勝ちに行く。受かるまで続ければいい。
泥臭い戦いが始まった。

ハードコピーの教材たち。結論から言うと最終的にノートはほぼ使わなくなる

まず言っておくが、私は「点を取りに行く」と決めるまでに
ブラブラとお遊びでの勉強を2年近く続けている。本番にはいつか挑戦するから、それまで適当に積み重ねようという甘すぎる考えで勉強していた。
それについては後述するが、「このままではいつまで経っても合格できない」と悟り、それまでの勉強を一切やめ、新しいやり方に切り替えた。
とりあえず準1級は市販の問題集だけで合格できたが(運よく簡単回だった)、
1級は、そうはいかない。市販問題集のクリアは、
1級突破に向けての土台を作るための足場を組んだ状態にすぎない。
土台ですらない。土台の足場だ。
それくらい、範囲が膨大なのだ。
量をこなすにしろ、ざっくりとした計画が必要になる。
ここからは「点を取りに行く」と決めてから始めた勉強について書く。


②身についたと思う教材一覧

  • 実際の過去問 H22~2022年度まで約12年、35回分

  • 倉庫さん模試 47回分

  • 倉庫さん直前模試 14回分

  • 倉庫さん大見出し語表、常用大見出し語表、多字大見出し語表

  • 逞筆さん模試 10回分

  • 漢検漢字辞典

  • 四字熟語辞典

  • 逞筆さん 対義語/類義語

  • 逞筆さん 故事成語/ことわざ

  • Twitter 類義熟語Bot(@ruigigo_bot)さん等

実際の過去問は、国会図書館のコピーサービスと問題集を購入。
「倉庫さん」「逞筆さん」とは、個人で運営されているサイトの名称で
漢検1級を勉強するうえでとても役に立つ様々なコンテンツを提供してくださっている。本当にありがたく、感謝しかない。
倉庫さん模試や逞筆は印刷せず、PCやスマホで利用させていただいた。
学習方法については次から記します。

③勉強ー1/まずは四字熟語


まずは四字熟語から始めた。
毎日毎日、狂ったように四字熟語。
何故これから始めたかというと、単純に重要度が高いから。
配点の中でも四字熟語は、書き20点+意味と読み10点と
非常に大きい比率を占めている。
また、ことわざに通じるものも多いので、2度美味しい。
何より四字熟語はストーリーがあって覚えやすいのもイイ。

1日1ページに20個、新しい四字熟語を辞書から書き出していく。
使用している辞書は「漢検四字熟語辞典」です。
書き出すときのポイントは、
1.四字熟語のうちの上2字か下2字しか書かないこと。
2.読みだけ書いた列を作ること。
3.行の最後に小さく、抜けた部分の2字を書いておくこと。

方眼ノートを利用しているので、細かい部分は ちょっと見づらい。
1日1ページに20個、黙々と続ける。
青い穴あきシートは自作。読みだけ見えるようにしてある。

2字しか書かないのは、単にその方が覚えやすいというのが理由。
20個書いてザッと意味を確認したら、復習に入る。
直近の3ページ分を、自作のシートを使って、読みだけを見て書いていく。
読みだけで分からない場合は左列を開け、2字だけを見てヒントとする。
これを、辞書が終わるまで毎日やる。終わるころには大体覚えられていた。
先ほどカレンダーで確認したが、約3か月かかっていた。
3か月間、20個覚えて60個復習を毎日。
効率が悪いが仕方がない、量で勝負だから。
ちなみに、漢検四字熟語辞典を全部覚えても、
試験本番には見たことも聞いたこともない四字熟語がシレッと出てくる。
どのツラ下げてそこに居る!と癇癪を起したくもなりますよね。
大人なので我慢しますが、大人じゃなかったらビービー泣きます。


④勉強ー2/大見出し語表シリーズ

四字熟語が一通り終わった後、一旦 他の資格試験を挟んで、
次は倉庫さんの大見出し語表の勉強を始めた。

・倉庫さん大見出し語表
・倉庫さん常用大見出し語表
・倉庫さん一級多字大見出し対策問題 に着手。
基礎中の基礎として、大見出し語は絶対やらなければならない。
1級受験者からしたら、もはやアルファベットを覚えるようなものだと思う。本当は辞書を頭からやるのが確実なんだろうけど、四字熟語で辞書一冊クリアしたばかりの私は、もう辞書引くのに飽き飽きしていた。
だから大見出し語表ではラクをしたいと思ったのだ。
結果から言うと、この大見出し語表は実に素晴らしい。
でも辞書は引いた方が絶対にイイという事に、後々気づく。

まず、大見出し語を1つずつ意味を調べてAnkiアプリに放り込んでいく。
表は1列に55個あったので、1日1列ずつ入力していった。
Ankiとは、言ってみればデジタルの単語帳のようなもので
所謂フラッシュカードという学習教材である。
ちなみにオープンソース(無料)。

これを利用して漢字を勉強している方々も割といらっしゃると思う。出題されたカードにすぐに答え、次のカードへとどんどん進んでいくというやり方。カードごとの習熟度に応じて出題頻度を変えてくれるのだが、これがまた上手に記憶の定着をアシストしてくれる。私はwin/PC版を利用しているが、スマホiOS,Android版もリリースされている。これはとてもオススメ!入力が大変だけど!

Ankiに55個ずつフォルダで分ける。
上段に大見出し語と訓読み問題、下段に解答が出るように入力した。

Ankiへ入力したら、毎日すべてを復習するという
戦慄のデスマーチ期間に突入する。
全て入力するのに1か月くらいかかった。
一連の大見出し語学習は、ノートに書いたりまとめたりはせずに
すべてAnkiだけでやった。
書くことによるアウトプットは模試でのみ。
何しろソフトが優秀なので、結果的に書くよりAnkiの方が覚えたと思う。


⑤勉強ー3/ひたすらに模試

あとはもう模試。
結局、復習と模試が私のメインの勉強になったと思う。
基本は過去問、倉庫さん模試、逞筆さん模試をひたすら解く。
また他にもtwitterで公開してくださっている方々の自作模試を
有難く利用させてもらっていた。

B5のルーズリーフの片面に1模試。
右の列には分からなかったもの、間違ったものを書き出す。

模試を解答したルーズリーフは、先ほど数えたところ222枚あった。
多分もっとあったけど、残してあるだけでこの数だった。
つまり最低444回は何らかの模試を解いていることになるね。すごいね。

結果はアナログに記録する 私のゲーミングPCにエクセルは無い

過去問や模試は基本的に全て3回ずつ、点数の推移は記録した。
2回目で割と取れている回は、3回目やらずに済ませたりもしている。

もちろん最初は全然解けない。後述するが、
解けなかった問題などは記録し、すべてAnkiに放り込む。
毎日模試の前にAnkiですべて復習する。
復習する量がとてつもなく膨れ上がるが、もとより勉強量での勝負。
新しいことも少しずつ覚えながら、とにかくひたすら復習していた。


⑥勉強ー4/毎日のルーティン

Ankiで総復習(約2時間)
模試を解く、分からない言葉を調べてAnkiに入れる(約1時間半)
寝る前にスマホで逞筆さんの対類と故事成語(30分前後)

最終的に、この3つが毎日のルーティンとなった。

四字熟語と大見出し語を終えた後の
毎日の勉強の流れを細かく説明すると
まず最初に、Ankiで昨日までの総復習(習熟度に応じて出題数が変わる)
これが2時間くらい。
次に模試を解き、点数を記録、分からなかった言葉をAnkiに登録
分からなかった言葉というのは つまり解答だけでなく、
問題文の中の単語、文章題の中の単語などで気になったもの。
言ってみればわからんものほぼ全部である。
模試もyoutube見ながらダラダラやるので、これが1時間半くらい。
最期に、寝る前にベッドで30分くらいやるのが
スマホで逞筆さんの対義語/類義語や故事成語をひたすら回す事。
ちなみに試験前1か月は、模試をこなす数を1日3回分に増やした。


⑦勉強ー5/不合格を受けて

上記勉強をすべてやった後に受けた漢検1級R4-1(挑戦2回目)が、
なんと156点という結果を得られた。

実際の検定結果。対類義語がなんとなくファジーな感じ。

正直、点数はもっと取れていないものだと思っていたので嬉しかった。
しかし、合格には足りない。
勉強が足りない!語彙力が足りない!!
あと4点、されどこの4点が果てしなく遠い!!
何故なら1級は範囲が広すぎるため、ちょっとの点数を取るためにも
とても沢山の知識を覚えていかなければならない。
そして、そんな「とても沢山の新しい知識」に加え、
今まで覚えてきた「とてもとても沢山の知識」も忘れてはいけないし
点ひとつ線いっぽん間違ってもいけないというノーミスを強いられる。
ささいなミスのマイナス1点、マイナス2点が、瀕死レベルに痛いのだ。
その辺、ちょっとSEKIRO に似ている。
ささいなミスが瀕死レベルにならないようにするためにも、
やはり言葉の量を増やすことが大切だ。

というわけで、私が新たに手を出したのは次の3つだった。
前述の毎日のルーティンに、更に下記を織り込んでいく。

・Twitterの類義熟語Botさん等から拾う
・逞筆さんの対義語・類義語をガチる
・辞書をさらい始める(もっとはやくやりましょう)

要は、言葉の簇酒斂衣である。
知識が乏しいのでもっともっと細かく集めていかねばならない。
テスト結果で惨憺たる様相を見せた対・類義語を強化しつつ
とにかく語彙を増やすことに尽力しようと思った。

まず、Twitterの類義熟語Botさんのツイートを見て
分からないもの片っ端からAnkiに登録し始める。
類義熟語Botさんの1日のツイート全部である。
また、逞筆さんの対類義語をこなしつつ、
模試上でも、Twitter上でも、知らない言葉を視たら積極的に拾い、
Ankiに入れていった。
そして、ようやく重い腰を上げて 辞書 をさらい始める。
「漢検漢字辞典」を「あ」から始めて、わからない単語をAnkiへ。
ここまでやっても知らない単語ばかりという絶望を味わうが、
1日に辞書15ページ分というノルマでAnkiに放り込み続ける。
ちなみにR4-2の試験までに「せ」までしか終わらなかった。
また、試験まで模試は継続して毎日解いた。

⑧合格!

そして迎えた令和4年度第二回の試験。
いざ受験して、終えた感想は「ダメそう」。
前回と同じか、いまひとつ出来ていないなという印象だった。
しかし1か月後のWEB合否結果には、なんと
「合格おめでとうございます」の文字があったのだ。
感無量。涙。成し遂げた思いで、胸がいっぱいになった。
漢検が何かの役に立とうが立たなかろうが、どうだっていい。
ただEXハードモードをクリアした、この歓喜といったら!


⑨正直やらなくてもいい勉強

全くとは言わないが、正直 点数アップに貢献度が低いと思われた教材や勉強方法についても記しておこうと思う。あくまでも私の場合なので、人それぞれというお約束はご理解いただきたい。おおまかに次の3点だ。

・市販の問題集
・漢字書き取り
・字をノートにまとめること

漢検1級に限って言えば、
市販の問題集は気休めにしかならないと言っていいと思う。
この言い方は、ちょっと厳しいかもしれないけど。
問題の数が少なく、また簡単すぎるのがその理由だ。
近年の漢検1級は難化の傾向が著しいらしく、実際に過去問を解いていくと昔に戻るほど簡単になっていって、唖然とした。
恐らく、ガチに1級を勉強する人たちで市販問題集を使っている人は、
あまりいないんじゃないだろうか。
でも全くの不要という意味ではなく、1級の玄関口としてはいいと思う。
就活の企業ブースとでも言おうか。あまあまなところを見せにくるヤツな。
1級ってどんなのだろう?ちょっとやってみようかな~という気持ちが芽生えたらまず一番最初に市販の問題集を買い、それをこなしたうえで
更に勉強を続けられるかどうか。一つ目の分水嶺にはうってつけ。
でも問題集を終えてから 実際の過去問などに挑んだ時に味わう絶望の回数は、両手じゃ足りないよ。ようこそ!ここが地獄の一丁目だよ。

次に漢字の書き取り。同じ字を1行ずっと書いていくやつ。
ぶっちゃけ、そんなんやってるヒマがない。きりがないから。
私も最初はノート10冊以上にも渡ってめちゃくちゃ書き取りやったけど、
結果的に不要だと思った。丸暗記しちゃった方が早い。
これは私が直感型だからだと思う。
漢字はもう、そういう絵として、目で見て覚える。
もしくは部首と他パーツのパズルになっていった。
部首には植物とか着るものといったおおまかな意味があるから、他パーツの形と意味をおおざっぱに覚えてしまって、後は求められる字に合わせて部首とパーツを組み合わせる。そうやってなんとなく覚えていった。
あとは毎日漢字を目で見まくったり
熟語数を増やすことにより身につく、
なんとなく合ってそう なんとなく違う気がする
というのが分かる超感覚さえあれば戦える。ココが直感型。
とはいえ、沢山沢山、とにかく書いて覚える人も居るから、やっぱり人によるとしか言えないよね。全く書かずに暗記だけで合格する人もいらっしゃるそうだし。

最期に、字をノートにまとめること。
こういうヤツ。

1ページに5字ずつ。過去問を見て知らない字を書き出す狂気の作業
(自分的には)キレイに書いてあるので満足度は高い、でもそれだけ。
なんと裏表紙内側には自作の索引。賢い貴方はこんなことに時間を使ってはいけない。

こうやって漢字一字ずつまとめていくキレイなノート。
己の満足度★★★★★
習熟度★
っていう自己満足の副産物。
コレを作っていた時期が私にもありました。
というより、1級に挑戦するぞー!と決めた一番最初に、知らない漢字に慣れようと思ってやったことがコレだった。ダラダラとやるにはいいんだけどね。自己満で終わっちゃう。
後で見返したときに面白いのはダントツでこのノートだから、
やってたことはマジでただの思い出作りだったなと、今となっては思う。
ちなみにこのノートは恐ろしいことに5冊もあり、実に1年半くらいは点数に直結しないことをしていたワケだ。
全く関係無いが「フランク・ザッパはいいかげんにしとけ」とは、
恐らく名曲「Po-Jama People」を聴いた感想だと思う。索引作りながら聴いていたんだろうな。
♪ぁぃ~ん へにゃへい へにゃへにゃにゃへい ホーイホーイホーイ♪


⑩最期に

最期に自分語りさせてください。ダメな方はお帰りください。
何のとりえもない私が、どうして漢検1級に挑戦したのか?
それは、欲しかったから!
どうしても、欲しかったから!

恥ずかしながら、私は今まで努力したことが無い。
勉強も底辺高校の中ではそこそこできて
足もそこそこ速くて(陸上部)
絵もまぁまぁ描けて、PCもまぁまぁ使える。
私はいわゆる器用貧乏と言うやつなのだ。梧鼠之技だ。
つまり、なんか頑張らなくても のらくらと生きてこれた。
会社に入って確かに一生懸命働いたけど、
努力しなければ乗り越えられない場面なんて、なかった。
努力しなくても、「そこそこ」できちゃったから。
これは自慢でもなんでもなく、そこそこで良しとする甘えがあり、
そして情熱がなかったということでもあると思う。
頑張った経験が無い、つまり私には誇れるものが無かった。

漢検を受けようと思った最初のきっかけは、令和になったこと。
元号が令和になった記念に何かしたいなと思い、
例によって漢字もまぁまぁ得意だった私は、漢検2級を受けることにした。
久しぶりに学生気分で「試験」というものを受けて、楽しみたかった。
令和1年度第1回、190点で合格した。
久しぶりの試験は、とても面白かった。

2級にはすんなり合格できたが、漢検1級は雲の上の話。
私に取れるわけがない、あれは頭がいい人が挑むもの。
でも、ふと。
漢検1級を取れたら、なんでもできそうな気がするなぁ、と思ったのだ。
この先 困難に遭遇しても、「でも私漢検1級取れたしな」と
半ば無茶なこじつけではあるが、勢いで乗り越えられそうな気がする。
高いハードルを越えるのに努力した経験を、財産としたい。
そしてそのハードルは、高ければ高い方がいい。
それならば、少しずつでもやってみようかな…と思い立ったのが始まりだ。
誇りに思える何かが欲しかった。
それが理由です。あとは意地。

正直、何度も何度も挫折しかけた。
絶望に打ちひしがれたこともあるし、
やめてしまおうかと考えたことだって、何度も何度もある。
あまりに難しく、範囲が広大で、手も頭も追いつかないよと
自分の無力を嘆いてしまうのだ。
多分、みんなあると思う。
こんなものを覚えて何になるんだとか、資格でもないのにとか、
時間の無駄だとか、もっと他にやることがあるだろうとか、
そうやって勉強をやめる言い訳ばかり考えだしたらちょっと危ない。
敵は自分自身だ。
難関試験に合格したいのなら相応の物を差し出さなければならない。
私には捧げる知性が無いので、愚直に時間と努力を差し出し続けた。
今回不合格だとしても、きっと私は勉強を続けただろう。

漢検1級に教わったことは、古代中国の数々の教訓もさながら
なにより学習は楽しいということ。
諦めないこと。努力は実を結ぶまで続けなければいけないこと。
おかげさまで、とても良い経験値と満足感、達成感、自己肯定感、
とにかくいろいろなものを得ることができた。
めちゃくちゃ嬉しい。ほんとに嬉しい。

さて、ここまでクソ長い文章にお付き合いくださって、
ありがとうございました。
結論。
私、漢検1級に挑戦して良かった。心からそう思う。
雲の上でも、ダメそうでも、諦めないで良かった。
私は多分、これからの人生でこの努力した経験を活かせると思う。
今まさに漢検1級にめげそうになっている方がもし、この駄文を読んでくださっていたら、これだけ言わして。
諦めないで。何度でも挑戦して。絶対取れるから。

おしまい。

読んでくださって ありがとう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?