ライターの専門性について考えてみた
先週、Twitterでバズっていた中村さんのツイート。
僕は、この画像しか見ていないからどんな文脈で語られたものか分かりません。グラフィックデザインの単価が安いから、クラウドソーイングの話なのかなー。
で、これを話題にしている方の大半が、「いやいや専門性あるし(プンプン)」というもので、僕もそう思う(プンプン)。これを機に、ライターの専門性というか、ライティングという行為について改めて考えてみることにしました。
デザインと観察
考えるにあたって参考にしたのが、こちら。
神戸にあるkiitoで行われた、「+クリエイティブゼミVol.31 デザイン編 観察のカガク 実践編:デザインの観察ノート」(講師:久慈達也さん(DML/デザインリサーチャー)と、 近藤聡さん(明後日デザイン制作所/グラフィックデザイナー))。
こちらの報告書がとにかくすばらしくて、デザインというものがどういった行為なのか分かりやすく解説してくれています。ページ中ほどにある「報告冊子はこちら」をクリックするとPDFが開きます。
とても感銘を受けたので、こちらのフレームワークにならって(拝借して💦)、ライターの仕事について考えてみたいと思います。
ライターの仕事は、読み手にアクションさせること
ライティングという行為の目的は、文章を通じて読み手に何かしらのアクションを起こさせることと考えます。
販売促進の文章であれば商品の購入でしょうし、会社案内なら採用やブランディング、インタビュー記事ならインタビュイーのファンになってもらうことだったり、グルメ記事だったらこの料理おいしそうと思ってもらうことだったりと、何かしらの目的があります。
僕が広告畑出身というのもありますが、コピーの中には「発見」「気づき」「提案」が含まれていることが大事。それが読み手になんらかのアクションを促すきっかけになるから。
だから文章を書く前に、何のために書いているのかあらかじめ理解しておくことが重要です。
リサーチは、文章を書く前の事前準備
ライターだからといって、すぐに文章を書けるわけではありません。商品を使ってみたり、取材やインタビューしたりするわかりやい事前準備のほかに、競合や業界のトレンドについてネットや図書館で調べたり、資料を読みこんだりと、さまざまな事前準備をしています。販促コピーなら3C分析も必要かと。
あと、ライターの個性が出るのが生きざま。価値観といってもいいかも。何を大切にしているか、どんなものに興味を持っているか、ライター個人個人の視点が、文章を書くときの切り口やコンセプトを決める糸口になることも少なくありません。
よく聞く話ですが、本を読んだり、旅をしたり、人と会ったりすることも、広い意味での事前準備になるんだと思います。
コンセプトやアイデアを伝えるための書くという行為
リサーチし、分析を終え、コンセプト(伝えたいメッセージ)を設定。そのコンセプトを伝えるための手段としてのアイデアを、表現とともに考えていきます。
この表現というところが、文章を書くという行為にあたります。文体やリズム、漢字やひらがなの使用率、読後感のコントロールなどなど。デザインでいえば、色やカタチなどがそれにあたります。
これらの一連の行為がライターの仕事であり、ライターは専門性が高いという理由のひとつです。ライターって文章を書く仕事でしょという指摘は、半分あたっていて、半分間違っていることが分かると思います。
拡張するライターの領域
図には書いていませんが、リサーチ部分なら質問力や理解力、想像力、マーケティング力、コミュニケーション力、調整力があるでしょうし、ライティング部分なら構成力、語彙力、エンタメ力、慮る力、プレゼン力、推敲・校正といったスキルが求められます。まだまだありそう。
図には足らない部分があるだろうし、具体的な事例がないのでイメージしにくい部分もあるかと思いますが、ライターの仕事は書くだけでないことを知ってもらえたらうれしいです。むしろ、書く前の準備が大切で、書くという行為のクオリティを左右するから。
ここ数年、デザイナーの役割が大きく拡張されていったように、ライターも、書くだけにとどまらない役割が期待されるようになるはずですし、そういった仕事をつくっていきたいですし、もっとスキルを高めていかないとと思うのでした。
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