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神魂神社(かもすじんじゃ)【島根県松江市】


最古の大社造り

島根県を旅行先に決め、家族と共に気になる神社を巡る事になりました。
まず最初に行くのは神魂神社、日本最古の大社造りで島根の3国宝(出雲大社・松江城)の一つです。
本殿が国宝のようですが、末社も重要文化財に指定されていて、貴布祢稲荷両神社(きふねいなりりょうじんじゃ)もその一つです。
神社に行くと確認するのが、本殿の屋根にある千木です、諸説有りますが、この千木の形状で男神か女神かが分かります、神魂神社の本殿の千木は内削ぎ(うちそぎ)なので、御祭神は女神と言うことになります。

神社に行こう! 神社空間を読み解く⑨本殿からお借りしました

同じ大社造りの出雲大社は外削ぎなので、男神ということになります。ただあくまでもこれは諸説があるので確実かどうかは分かりませんし、僕の考える御祭神とは違う事もありますし、考えと同じで由緒とは違う事もあります。
ここ、神魂神社の御祭神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)なので女神ですので、千木の形状は御祭神と合っています。
但し、僕の考えとは合っていません、僕が神魂神社に来ようと思ったのは、アジスキタカヒコネが本当の御祭神では無いのか?と思ったからです。
アジスキタカヒコネは勿論、大国主命の息子さんですので、男神です。
では、その一番の理由は神社の名前です。

賀茂の大神

アジスキタカヒコネは迦毛之大御神と呼ばれています、以前、参拝した奈良県御所市の高鴨神社は賀茂神社の総本宮でアジスキタカヒコネを主祭神としています。
そこでここの神社の名前をもう一度、カモス神社なのです、これも諸説有りまして、神産巣日神(かみむすび)のことを出雲国風土記では神魂と書かれています。そう考えると御祭神はカミムスビでは無いかと思うのですが、何故か伊邪那美命なのです、正直なところ、出雲とは全く関係無い神様が何故御祭神なのか不思議ですよね。
個人的な考えですが、絶対に御祭神は伊弉冉尊では無いです!
神と魂と書いて、かもすと読ませるのは、この神社の名前だけで、それ以外では見られません。にも拘わらず、この神社だけカモスと読ませる、勿論地名などで読めないやろ!って漢字もありますので、一概に言い切るのは無理があるのかもですが、これがヒントでも有るのでは無いかと思うのです。
カミムスビの漢字を使って、カモすと読ませる、そこに何を見ることが出来るのか?アジスキタカヒコネ、カミムスビ、瀬織津姫と宗像三神、下照姫、もう僕の追いかけてる神様だらけです。

神域

ナビ通りにたどり着けます、駐車場も目の前にあるので参拝には便利です。

神魂神社駐車場

車を駐車場に入れて車を降りました。むち打ちの症状が出たのかな?と思うほどのビリビリ感!ヤバい!ここはヤバい!そんな感覚でした。
行ったのが4月の終わりで一の鳥居から植えられた桜は満開です!子ども達は大はしゃぎ!その上には龍雲(形が鱗に見えるだけですよ)貧乏旅行ですが、子どもの喜ぶ姿を見ると嬉しくなりました。

参道と満開の桜


ひとしきり桜をバックに記念写真を撮影していよいよ2の鳥居をくぐって階段を登ります。一段毎にピリピリ僕は無口になっていきます。

二の鳥居


子どもは走ってどっちが早いか競争中です、妻が「どんな感じ?」と聞いてきますが凄いとしか言えません。
手水場について清めますが、そこから続く階段の方が気になります。
相変わらず子ども達は競争中、一番下の子は階段が怖いのか、神社の神域なのか僕の手を握ったまま階段を登っていきます。

本殿に続く階段


拝殿が徐々に見えて来ます、そこまで大きくは無い境内に脚を踏み入れると『ここだ!』ずっと呼ばれていたのはここから始まるんだと感じました。

どこに行けば?

境内を見渡して、正面に本殿と拝殿が見えているのですが、自分がどこに呼ばれているのか分からないのです、取り敢えず本殿の方へ向かって参拝をします。何か落ち着かない感じがしてきちんと参拝が出来ません。

本殿


どこ?どこに行けばいいのですか?そう思いながら摂社一つ一つを参拝して廻ります。どこも凄すぎてここだ!って言うところはありません、と言うか分かりません。貴布祢稲荷両神社、僕は五社稲荷に参拝した後に、来いと言われて神戸の五社稲荷に参拝し、自分が結婚した神社に五社稲荷があり、かなり因縁深い稲荷神社ですが、ここではそこまで感じ無いというか、他も凄いので、これだと思えないのです。
ただ、やっと来たな!という感覚はあります、社伝では天穂日命(アメノホヒノミコト)が降臨したと言われているこの場所は、高天原から遣わされたのに復命しなかった神様です、アジスキタカヒコネが間違われた稚日子も同じです、高天原から出雲平定に遣わされたにも関わらず、アジスキタカヒコネの妹である、下照姫と結婚し、大国主命に心酔していました。しかも見た目はそっくりなこの二柱の神様と、最初に出雲に派遣された天穂日命、こちらの神様も出雲に住み着いて高天原に復命しません。そのままこの神社を祀る家系に繋がっていくのですが、言えば天照大神を裏切った側の神様です。
なのに御祭神が伊邪那美命ではやはり納得いかないですよね。
何か痕跡は無いものかと境内をあちこち歩きますが、やはり分かりません、貴布祢稲荷両神社がやっぱり鍵では無いのか?貴布祢稲荷両神社の貴布祢は京都にもある、貴船神社と同音、つまり御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)です。つまり龍神様、水の女神とも言われますが、龍と同義語と言われるほどの神様です、そしてその後に稲荷の両方を祀っていますとの意味なのでしょうか?稲荷神社と言えば、宇迦之御魂が御祭神です、それを両方お祀りしているって珍しいのでは無いでしょうか?ググりましたが、何もヒットしませんでした(ここの神社以外)、迦具土(かぐつち)の血から生まれたとされる高龗と、五穀をもたらしたと言われる宇迦之御魂、アジスキタカヒコネとの繋がりが全く分かりません、天津神と国津神がごちゃ混ぜになってしまった感じです。
※貴布祢社の御祭神は闇龗神(くらおかみ)との記述もあります、まぁ同じ神様ですが

神籬(ひもろぎ)

神魂神社の一番謎なのが、神籬で、原始的な鳥居の奥には風穴?のような穴があります。一部の方のブログ等ではここが一番パワースポットだと書かれたりもしていますが、僕はあまり何も感じませんでした。
しかしです、立派な本殿が有るのに、神籬をわざわざこちらに作る意味が分かりません。そもそも神籬は神の依り代なので、神社の境内にあるのはおかしい気がします。まぁ御祭神とは違う神様を呼ぶためかもしれませんが、神籬の(鳥居)には祷家(とうや)氏子以外の方は触れないで下さいとの木札が掛かっています。伝統行事が残っているのでしょうね。そしてとても大事な神事なのだと思います、

神籬(ひもろぎ)


■祷家 (とうや)
選ばれた祷人は、1 年間精進潔斎の下、庭に柴 (榊の神木に御弊を付け、藁の蛇体を巻き付けたもの) に神様を迎えて、地域ぐるみで特別の田で米を作る。(現在は、神社の境内に神籬を建てお祀りしている)

と松江市観光協会のHPに乗っていました、
蛇体を巻き付けた榊を使うんですね、めちゃめちゃ見てみたいじゃないですか!五国豊穣の神事と紹介されていますが、違う気はしますが、見ていないので何ともです。ましてや五国豊穣の神事を風穴の前で行う意味も分からないですね。

神籬の奥にある風穴

かもすの意味を考える

神魂神社の一番の謎は名前です、僕もこの名前に誘われて訪れたわけですが、神産巣日神の名前とも言える神魂との字を当てながらカモスと読み、御祭神は関係の無いイザナミ、天穂日がお釜に載って訪れてそのまま出雲国造になっていく。残念ながら僕が追いかけているアジスキタカヒコネとの関わりは分かりませんでしたが、カモの言葉が入っている限りきっと何か関わりがあるはずで、RPGゲームの一つのイベントをクリアした感覚が有る限り、何かしら今後解き明かされていくのだと思います。
ここで、名前のヒントが、カモスは醸す(酒を作る)とも同義で、お酒を造ることが神様と同じ意味だというのです、奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)には大物主が主祭神として三輪山に祀られていますが、大物主を祀るにあたり、高橋活日命(たかはしのいくひのみこと)が1日で酒を醸したとのことで、酒の神様としても有名ですが、
「カモ」は「カミ」と同源であり「カモす」という言葉から派生し、「気」が放出している様子を表しています。
と賀茂神社の総本宮である高鴨神社のHPにも記載されています。
益々深い意味がありそうな神魂神社です。
出雲の旅はまだ続きますので、次の神社に行ってみます。


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