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デリー大学私費留学への道

この記事ではインドトップクラスの国立大学、デリー大学への留学方法を自分の体験を元に説明します。私自身、先人が書き残したデリー大学留学記に助けられたことから、次は自分が助ける番だと思いこの記事を書いています。インドという国の都合上、ほとんどのことは思い通りにいきませんので、このブログがみなさまの助けになることを祈る限りです。


留学の動機


私は大学入学次からバックパッカーをしており、インドを始めとする20カ国以上の国を1人で旅行しました。正直な話、特段インドがめちゃめちゃ好きと感じた訳ではないですが、インドへの2回の旅行を通じて自分にあってるかな?とは思いました。
大学1年が終わったころ、私は早稲田大学のつまらなさに嫌気がさしており(これは付属からのエスカレーターで入り、大学に入ってからも何の努力もせずに遊び呆けていた自分のせいですが)、何とか早稲田を休学して海外で過ごせないか可能性を模索していました。その時、南インドの都市バンガロールで月2万以下の激安英語留学ができるという記事を見つけ、これなら理由をつけて休学できるし、英語力もつくじゃん!と思い、バンガロールへ。そこで5ヶ月ほど過ごし、インドに愛着が湧いてきたのと同時に日本に帰国したく無くなってきたので更なる留学プランを検討。そこで浮上したのがデリー大学でした。
前置きが長くなりましたが、ここからはデリー大学について書きます。まず、インドのほとんどの大学で外国人は試験なしで入学できます。衝撃的じゃないですかこれ。留学に限らず3年間の学位を取るUGコースですら無試験です。デリー大学はインドの首都デリーに構える名門国立大学で、ボリウッドのスター、シャルクカーンや留学生としてミャンマー民主運動家のアウンサンスーチーらを排出しています。
インドの名門大学は他にもあるのですが、外国人向けに半年や1年程度の短期間コースを設けている大学は実はデリー大学とJNU(Jawaharlal Nehru University)ぐらいしかありません。また、国立の「首都の名前+大学」という響きに憧れがあったことも後押しして私はデリー大学を目指すようになりました。
なお、早稲田大学の場合、早稲田と直接提携が結ばれていない海外大学であっても、所定の手続きを踏むことで単位互換が可能です。この制度を利用してデリー大学で取得する単位を早稲田の一年分として認定してもらう計画です。

必要書類


前述したように、デリー大学に留学する際に入学試験はありません。ですが、その代わり無数の書類を提出しなくてはいけません。このステップがとても煩雑なので一つ一つ解説していきます。
(情報はすべて2023年度のものです。変更される可能性も大いにあるので、必ず下記URLから自分でチェックして下さい。
https://fsr.du.ac.in )

Date of Birth Certificate
インドにはこういった名前の書類が存在するようですが、日本にはありません。戸籍謄本の英訳で大丈夫です。僕は戸籍謄本の英訳が有料なのを知って面倒になり、パスポートの写真を載せておきましたが大丈夫でした。

Document supporting 12 years of School Education
高校の英文卒業証明書で問題ありません。12yearsとなっているので本来小学校や中学校の卒業証明書も添付するべきな気がするのですが、面倒だったので取りませんでした。一応中学の卒業証書(卒業式の日にもらえる完全日本語の賞状みたいなやつ)も載せましたが、意味があったのか不明です。

Transcripts/Marksheets and Degrees of academic credentials
高校と大学の成績を英文にしたやつです。大学の成績がGPA1.3で落ちるんじゃないのかこれとか思いながら提出しましたが、杞憂に終わりました。

Valid certificate of TOEFL/ Academic IELTS/ELPC
TOEFLかIELTSの成績を出せってことです。点数の足切りはありません(かつてはIELTS6.0以上というボーダーが存在したようですが、今は撤廃されています)。私はIELTS6.0で出願しました。

Medical Insurance with evacuation clause
これ、提出した記憶がないです。早稲田から海外に留学する際は大学指定の保険に入らなくてはいけないため、この書類を所持していたのですが、結局出す機会がなかったのだと思います。出願時に提出は求められません。

Proof of financial support
親の銀行口座の英文残高証明書で問題ありません。

Recommendation letter from parent university
これ重要です。デリー大学にUGやPGで入学する場合は必要ないのですが、留学生として1年だけ滞在する場合は大学からレターを出してもらう必要があります。参考までに、私は早稲田大学の文学学術院に事情を説明し、オンライン面談を経てレターを発行してもらいました。

The biographic pages of the Passport
パスポートの最初のページの写真です。


出願の流れ


① 出願
まず上記の書類をすべてポータルサイトにアップロードします。ここで出願料として1000〜2000ルピーぐらいかかる(詳しい金額は忘れました)のですが、なんと国際カードが弾かれます。支払う方法はインド人に協力してもらうしかないです。私はこの出願をした際、バンガロールの英語学校に通っていたため英語学校の先生に代わりに払ってもらいました。本当にどうしようもないです。他の学生からも相当な量のクレームが来ているようで、デリー大学側も問題を認知しているため今後改善されるかもしれません。

② 受け入れ書
出願が完了すると受け入れ承諾レターがデリー大学より発行され、それを大使館に持参してビザを取る流れです。そのはずでしたが、私の場合いつまで待ってもレターが送られて来ませんでした。電話をするも担当者が出願事情に詳しくなかったり、調査するから明日かけ直すと言われ(二度とかけ直されることはない)たりとめちゃくちゃです。埒が開かないので旅行もかねてバンガロールからデリーへと飛び、直接凸することに。
私が出願したのが遅かったからか、出願が忘れられていたようでその場で書類をチェックされ「じゃあ今からレター出すねー!」と、あっさり解決。書類は早稲田からのレター以外はほとんど見ていませんでした。ひとまずレターを確保できたので安心すると共にあまりのいい加減さにうんざりした瞬間でした。

③ ビザ取得
書類をすべて揃えたので日本に帰国して学生ビザを申請。観光ビザでの滞在は許可されていないようで、デリー大学によるビザの種別チェックも後であります。日本のインド大使館でビザを取る際は、大学の受け入れ許可証の原本が必要です。つまり、どちらにせよ一度は留学前にインドに行く必要があります。ビザ自体は1週間程度で発給され、費用も確か1800円ぐらいでした。

④ ハプニング
私の年はデリー大学の授業開始日が8/15からでした。私が出願したのが8/22で、ビザを取ったり日本でバイトしていたりしたら10月になってしまいました。というのも、去年の授業開始日は11月だったので今年も同じだろうと思っていたのです。しかも、出願締め切りは8/25でした。授業開始後まで出願を受け付けているってどういうことだよ…。するとある日、デリー大学から「あなたは大学に来なかったのであなたのadmissionはキャンセルされました」という内容のメールが。顔面真っ青になりながらどうにかならないかと大学に電話。担当の人は無理かもしれないけど挑戦してみると言い、翌日「あと2日以内に大学に来て入学手続きを済ませればギリギリ間に合わせられる。ただ、かなり色々な人に無理を言って通しているから、日本の"お土産"が欲しいなぁ」と連絡が。すぐさま当日夕方発の航空券を取りデリーへ。空港で免税品を1万円分ぐらい買い漁り飛行機へ。
翌日、事務所に行くと「何とかしたぞ!!」との報告が!お土産を手渡し入学手続きを進める。
何やかんやありつつも、無事デリー大学に留学することに成功したのでした。

⑤ 学費納入
本来、学費は出願の直後に支払わなくてはいけないものでしたが、前述の通り国際カードが弾かれるので物理的に支払い不能でした。また、デリー大学は外国人を対象に法外な外国人料金を学費として請求している(50万円近く)ので、流石に英語学校の先生にも支払いを代行するように頼みづらかったです。
学費に関しては、デリー大学の外国人登録局(FSR)の担当者がポケットマネーで代理支払いをしてくれていて、現金で後日手渡してくれとのことでした。私はWestern Unionという国際送金サービスを使って日本から50万円分(270000ルピー)を現金で受け取りました。すべて500ルピー札なので500枚以上の札束となり、銀行強盗したかのような光景でした笑。

デリー大学について


デリー大学はそこまでして留学する価値のある大学かどうかという話です。個人的に、「デリー大学卒業という称号が欲しい」「(すでにある程度話せる人が)ヒンディー語をペラペラになりたい」「インドに長期滞在する口実が欲しい」という目的でならありだと思います。
というのも、まずデリー大学の教育レベルは日本の大学に比べて低いです。質より量を重んじる手書きのレポート課題やWikipediaで調べれば出てくるような知識を永遠と話しているだけの授業、先生が音読した内容をノートにそのまま書き写すだけの授業など、あげればキリがありません。また、授業の半分ぐらいはヒンディー語で行われるため、ヒンディー語が分からない人(私だけではなくアフリカ系の学生なども同様)は全く理解できません。こんなことは南インドでは絶対に起こらない話なのですが、ヒンディー語一強の北インドでは起きてしまう現象のようです。これに関しては南インドやインド北東部出身の生徒もインドを代表する国立大学なのに情けないと言っていました。ただ、授業の資料やテストは英語で書かれているので何とか単位を取ることは可能です。
ここまでネガティブな意見が多くなりましたが、インドの大学に留学したからこそ体験できることもたくさんあります。新しい友達を作ったり、大学のイベントに参加したりということは観光客としては絶対に体験できなかったことです。なので、大学の機能面は置いておいて、楽しいか楽しくないかで言ったら楽しいです。
インドという国はとにかく癖が強いので、デリー大学への留学を検討している方は一度インドに行ってみることを強く推奨します。それでインドにハマってしまった方はこちら側です。ぜひデリーでお会いしましょう。サモサ奢りますよ笑


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