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歩くひとと休む

 現在、サンデーマンガ倶楽部の『歩くひと』の回を聴きながらこの記事を書いている。サンデーマンガ倶楽部をご存知でない方がいたら是非聞いて欲しい。マンガに詳しい愉快な鼎談が毎週聞けるのだ。背表紙の開き方が特殊だとか、高精細印刷なのでトーンの貼り様までくっきり見えるなど今回もマニアックな話がされている。

 本作品は、飯を食う漫画で有名な谷口ジローの作品だ。

 内容については、歩く。ただ歩く漫画だ。本作品は色々な読み方があると思うのだが、1つの視点として、誰しも経験したことがあるミニマルな経験を1つ1つつなぎあわせているようなところに特徴があると思う。例えばこんな感じだ。

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 上記のコマは、冬に外を出た時に空気を吸ったときの1こと。誰しも温かい部屋から外に出て、凛と冷えた空気を吸って何か新鮮なものを取り入れた気分になったことがあるのではないだろうか。

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 上記のコマは、散歩中にお菓子を食べるシーンだ。家で食べていたお菓子を、外で食べた時に外の空気と一緒にお菓子を食べるような新鮮な感覚を誰しも感じたことがあると思う。

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上記のコマは、いつもの散歩道でいつもの街なのだがしげしげと眺めてしまう。小学生の時、中学生の時、昔はそんな経験あるのではないか。


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 上記のコマは雨が降っているのに傘をささずゆっくり歩いてみる。そんな経験誰しも幼い頃にあるのではないか。

このように、1つ、1つの行動(コマ)について、自分の記憶をたどり、あーこんなことあるあると思いたくなる作品だ。

本作品は面白い。しかも1度読むだけでなく、2度、3度読むとだんだん面白さがわかってくる、さらに、友人と本作品を持ち寄って議論しながら読むとより楽しめるそんな作品ではないだろうか。

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