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ドイツの小学校2(実体験~ギムナジウムへの挑戦)

 ドイツへ引っ越してきたときに、ドイツ語が話せるようになればいいね、公園などで地元の子と遊べたらいいね、という軽い気持ちで長男を現地の幼稚園に入れたのがそもそもの始まりでした。
 そのままドイツの小学校へあがり、1年経ち、また1年が過ぎ、次男も現地の幼稚園へ入園、そして長男はとうとう小学校4年生になってしまいました。
 駐在員でもあるため、まさか4年生までドイツにはいないだろう、と思っていたものの、ドイツでのビジネスも拡大の一途であったため、まだ数年はドイツにいることなります。

 結局、どうするもこうするもなく、うちも日本人家庭なので大学へとつながるギムナジウムを目指そう、ということになりました。
 長男と次男が通う学校は、幼稚園~小学校~ギムナジウムが併設されており、そのまま系列のギムナジウムへ上がる子供も多いため(成績が十分であれば、ですが)学校のお友達と一緒にギムナジウムへ行きたい、という長男の希望もあり、一家で「お受験」モードに入りました。

 ドイツの小学校4年生で5年生からの進路の評価対象となる教科はドイツ語、算数とトピックス(理科社会のミックス)の3教科。ドイツの学校の成績は日本と逆で評価1が一番良く、続いて2, 3, 4, 5, 6と評価が下がっていきます。100点満点から95点くらい取れれば成績は「1」、85点くらいまでで「2」という感じです。4年生の終わりにこれら3教科の全平均が2.3以下であれば大学進学へとつながるギムナジウムへ進学することができます。

 ギムナジウムを目指す、と決まったら情報収集です。補習校などで知り合った方でお子さんがギムナジウムへ通っている方に聞いて回ります。勉強方法は?よい参考書は?気を付ける点は?うちのような日本人家族は、どうやってドイツ語でいい得点を取ればいいの?などなど。

 結局、うちがたどり着いた日本人の子供にとって最も効率的(と思われる)な対策としては、

  • トピックス;暗記物なのでひたすら書いて覚える(日本の理科社会も同じ!)。これで成績「1~2」を狙う。

  • ドイツ語;学校のノートを徹底的に復習する。高得点は取れなくても成績は「3」をキープする。

  • 算数;通信教育などで小学校低学年から日本の算数を勉強してきた場合、日本の算数はドイツの算数よりとても進んでいるため、日本人の子は算数が得意です!なので確実に「1」を取る!

 うちはこれでなんとかギムナジウムへ進学するだけの点数を取ることができました。

 この歳の子は、まだ自分で計画を立てて勉強する習慣がないと思います(自分で勉強する子もいますが・・・)。なので基本的に親が付きっ切りで面倒を見る必要があります。
 ドイツにはいわゆる日本の「塾」のようなものは存在しません。学校で放課後に宿題を見てくれるようなコースがあるところもありますが、日本の塾とはイメージが異なります。
 ドイツでは「子供の勉強を見るのは親の仕事」という考え方です。そのため会社から帰ってきたら「さぁ、今日はどこを勉強しようか?」という感じで子供の勉強を見るわけです。
 会社から帰ってくるのが遅い日本では考えられませんよね。でも私はこの「子供の勉強を見るのは親の仕事」という考え方は好きです。「塾に行かせておけば何とかなる」が通用しないため、子供と一緒になって、それこそドイツ語の勉強の時は辞書を片手に、一緒に勉強するのです。

 実際にギムナジウムへ進学して自分で勉強するようになると親の出番はなくなります(そもそもすでに難しくてサポートできない!)。そう考えると子供と一緒になって毎日勉強したことは親としてもいい思い出になりました。

 こうして長男は無事にギムナジウムへ進学することができたのです。

<つづく>

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