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オリジナル型紙で理想の推しぬいを作る 衣装編

前回本体までできたぬいに衣装を作っていきます。今回はかなり長くなりますが、インナーとジャケットの作り方を分けると解りにくくなってしまうので、思い切って一つの記事にしました。

ひとまず材料を先にご紹介です。

材料

○ベルト○
合皮(黒)
ぬいぐるみ用バックル(金古美)

○ベスト○
ぬいれっくす(黒・グッズプロ)
2mmサテンリボン(黒・NUIGOTO)
スタッズ(銀)
丸カン(線径1ミリ、内径3ミリ、銀古美)
面ファスナー(NUIGOTO)

○ジャケット○
マイクロ起毛(白・NUIGOTO)
2mmサテンリボン(黒・NUIGOTO)
合皮(黒)
スタッズ(銀)
・後ろの金具もどき
  スペーサー(金)
  ビーズ(金)
  竹ビーズ
  つぶし玉(2mm)
  刺繍糸(DMCディアマント・ライトゴールド)
両面接着芯
スキンカラー ナイレックス/Pパイル(8番・NUIGOTO)

○リストバンド○
ぬいれっくす(黒・グッズプロ)
アイロンフェルト(グレー)

○腕輪○
フェルト(赤)
アイロンフェルト(グレー)

○その他○
速乾アクリア
ビーズ用ボンド
ピンセット(超重要)
デザインカッター(超重要)
竹串(超重要)
油性ペン(黒)
マッキー(銀)


以上です。それでは作っていきます。

ベルトを作る

まずは合皮で2ミリ幅のベルトを作り、ぬいぐるみ用ベルトのバックルを通して、肌色と黒の境目にボンドで貼ります。その際写真で言うと正中線より向かって左から始めて、バックルが真ん中に来るようにし、向かって右側の半分くらいまで接着しました。

使った接着剤はスーパーエース速乾アクリアです。本当に接着効果が出るのが早くて、綿が入った後のぬいにも良く付いてくれました。付け方は大量についてしまうと表まで染み出す可能性があるので、ボンドのノズルからダイレクトに付けるより少量厚紙などに出して爪楊枝や竹串などで塗ると失敗がないと思います。

↑リンクの写真がどうしてもスティックになってしまいますが、使用したのはいわゆる木工用ボンドと同じような質感のものです。

インナーを作る

次にインナーを作っていきます。
例のごとく細かい設計図を描き出していきます。インナーなので装飾は少なく、特に苦労は無いと思っていました。この段階では。

苦労といえば首がないキャラぬいに襟が立った衣装であるところくらいだと思っていたのですが、とんでもない。オリジナル型紙の恐ろしさを思い知りました。この世のどこを探してもピッタリな型紙は無いのです!私は服飾の知識ゼロ、学校の家庭科では作ったスモッグの袖の長さが左右極端に違うモノを生み出す人間です。手芸の知識はバッグ、ポーチ、動物ぬいぐるみの本体のみ。服は未経験です。
とりあえずダッフィの衣装を作っている作家さん(無料型紙工房ことろさん)の無料配布型紙から作りたい服に似たものを探します。無料型紙工房ことろさんはTwitterもなさっているので、コチラからどうぞ。

まずはこのままの型紙を印刷して切り出し、
セロテープではってぬいに着せました。もちろん合いません。そこで余った部分を折り、足らないところは紙を貼って大体の形を取り、それを展開して型紙を作り、その型紙で紙の服を作って着せて…を納得できるまで繰り返しました。今思うとコピー用紙で簀巻きにした方が簡単だったのでは?と思わなくも無いですが、この時はこれが最善の方法だと信じてとにかく頑張りました。その試行錯誤の末、まあまあ良いかと思えたところでブロードで一旦試作を作り、布になったことで出る問題を解決しながら試作を重ねました。

3回ブロードで試作し、ほぼ決定で本番の生地であるグッズプロさんの“ぬいれっくす”で試作を作ります。それを更に微調整して最終形ができました。布での試作は計5枚です。

前身ごろ左右対称で各一枚、後身ごろ一枚、えり一枚、えり見返し一枚です。ぬい服はあまり厚みを出したく無いのですが、えりを立てるとどうしても後身ごろとの縫い合わせ部分が目立つので、見返しが必要でした。
じつはインナーが出来上がったのが約1年前なので、その時何を考えていたのかさっぱり忘れてしまったのですが…。背中部分に作られたダーツを見たとき体にフィットさせる! という猛烈な執着を感じました。

完成したのと同じ型紙で作った服

ぬい服の背中にダーツ入れる?!と今見ると思います。だけど、そのおかげで体に沿った良い衣装ができました。
当時の自分、グッジョブです。
勿論ダーツだけではなく、ぬいれっくすに伸縮性があり、更にとても柔らかい生地なので最上のフィット感が生まれたのだと思います。ありがとう、ぬいれっくす。

次に装飾です。
服のアウトラインに縁取りのような線が入っているので、サテンリボンで表現します。私の知っているお店の店頭ではサテンリボンは幅3ミリからしか見かけたことがなかったのですが、Twitterでぬいぐるみ用の布やボタンなどを取り扱っているお店NUIGOTOさんを見つけまして、なんと2ミリ幅のリボンを発見しました!これがすごく重宝で!ぬいが小さいとその1ミリの差は大きく、本当にありがたかったです。

このリボン(黒)を例のごとく速乾アクリア様で付けていきます。付け方はボンドを厚紙などに出し、竹串で表に染み出さない程度の適量をつけて服のアウトラインにのせ、クリップなどで数分圧迫します。こういう時なんとか縫い付けようと思った時期もあったのですが、縫い跡は悪く言えば“傷”なので、ぬい服のように使うアイテムが小さい場合はボンド接着の方が良い場合もあると最近思うようになりました。

続いて金具の装飾です。
設定集やゲーム画面を見て、それらしい銀色で1ミリ以下の半球の物を探しました。思いついたのは、あのネイルなどに使う、金とか銀の半球のアレです。しかし思いついたのは良いのですが、名前が分からず、メタルパーツ、半球、など思いつくワードで検索した結果、やっと見つけました。

スタッズというらしいです。
すごく小さいものからあるのでぬい服装飾にはピッタリでした。ただこれは半球というより薄い板を半球にプレスした浅いお椀形だったので接着には注意が必要です。ちょっと多めにスタッズの方にボンドを乗せ、そっと置いて軽く圧着…という感じです。強く圧着するとボンドが効く前に指を離した時スタッズが接着したいところではなく、指にくっついてきてしまう事が多々あったので、そっと置いて、2秒くらい待って、グッと押す…という具合です。傍から漏れるボンドは完全に乾く前に竹串などで拭ってしまうやり方がベストでした。

最後に襟元の金属の輪です。多分スナップボタン的な物なのだと思います。別にココも少し大きめのスタッズでもよかっのですが、設定資料集に制作指定みたいな形で「ここはリングで!」と制作者さまのこだわりがあるところっぽかったので、そのご意志に沿おうかと!愚考したのです。今も思えば無謀という他無かったと‥でも後悔は微塵もありません。ですが想像した50倍大変でした。
まず用意したのは線径1ミリ、内径3ミリの銀古美の丸カンです。最初からここに合うサイズの丸カンが無くはないのですが、太さ(線径)が細いものしかなかったので、コレでいこうと思いました。それを内径2ミリになる長さ…2/3くらいのところでニッパーで切ります。そして、それを、ペンチと、ヤットコで、円に、します!
これが本っ当に大変でした!
丸めてる途中で丸カンが飛ぶ飛ぶ。曲げようとする力が金属の抵抗にあって弾き飛ばされるんです。飛ばす度に床を這って探しました。その上丸める時に傷がつき過ぎてダメにした丸カンも。ある程度太さのある金属棒を人力で円に丸めるのって大変なんですね…。内径1ミリ詰めるのがこんなに大変だとは。でもこの内径1ミリの差はぬい服だとかなり印象が違うので妥協できませんでした。
出来上がった中であまり傷が無い物を選んでインナーの襟元に速乾アクリアで付けて完成です。傷や隙間がちょっと目立つところは銀のマッキーを塗って誤魔化しました。
そんな無理をしなくても、銀の刺繍糸にボンド染み込ませるとか、フェルトを銀で塗るとか、粘土やパテで造形して銀で塗るとか、たくさんやりようはあったのですが、ゴッドイーターの世界観がミリタリーというか、メタリックなのでなるべく衣装に金属を使いたくてこんな事になってます。でも満足のいく物ができたので結果オーライです。

そんなこんなでインナー完成です!

体へのフィット感、服と装飾の質感、ゲーム画像からの再現度、全てがパーフェクトです。自画自賛して踊り出したくなるほど満足の出来です。満足し過ぎてその後ジャケット作りに着手するまでかなり長い間放置してしまいました…。ごめんなさい。

ジャケットを作る

衣装の最も重要で最も大変なジャケット作り着手です。
とは言え型紙に関してはインナーのものがあるのでそこまで苦労はしませんでしたと言いたいですが、大変苦労いたしました。

とりあえず型紙と並行して生地選びです。
初めは元ゲームの設定や質感や入手しやすさからブロード生地を使おうと思っていたのですが、ぬい服に使うにはハリがあり過ぎて体へのフィット感が得られない!という事で、早めに没になりました。
次の候補にはぬいれっくす白かトイクロス白を考えたのですが、ここで問題になったのが黒いインナーの上に白ぬいれっくすは透ける、という事です。そしてトイクロスは透けない代わりに厚い。あくまでも体にフィットした服にこだわりたく、ぬいれっくすくらいの薄さで透けない生地を探しました。そこで出会ったのがNUIGOTOさんのマイクロ起毛です。透けの比較は下の写真の通り。下にひいてあるのはぬいれっくす黒です。

前に布の使用感の記事を書かせていただきましたが、このマイクロ起毛がぬいれっくすよりほんの僅かに厚いだけで格段に透けません。しかも若干光沢がある感じがジャケットのイメージに一番近い布でした。
ということでジャケットはマイクロ起毛を使って制作することに決めました。

続いて型紙です。
一番最初に絵に起こした設計図のような物を見てどんな服なのか考えます。

シルエットが違うとは言えインナーの型紙が全く使えないわけではないので、別紙に写し描き、想像で肩幅を少し広くしたり、裾を長くしたり…としていきます。装飾がいっぱいあるので目移りしてしまい作業の途方も無さに投げ出してしまいそうになりますが、構造をシンプルに考えるとちょっと光明が見えてきます。要するに、コレは襟を立てたスーツです
ということでスーツの型紙探します。

以前お世話になった無料型紙工房ことろさんです。
元の体型が違うのでインナー同様そのまま使うことはできません。というより『ぬい服のジャケットってどんな型紙で出来ているのか』を知るために見させていただきました。なにせ服飾知識ゼロなので。
ぬいの服なのでなるべく薄くしたいけど、襟元は主に内側が見えるので“襟見返し”が必要…などなど、なんとか手掛かりが見えてきました。知識が増えた分工夫のアイデアも幅が広がります。先達の有り難さ…!
インナーとの違いは①袖がある、②アームホールを少し大きめに、③前身ごろは開襟で④インナーを見せるために幅を狭くする、⑤背中のダーツは要らない。⑥肩はインナーより少し広めにとる。
①③④はそのままの意味なのですが、②に関して。ジャケットは上着なのでインナーより一回り大きい必要があり、しかも脱ぎ着と布の硬さを考えるとちょっと大きめのアームホールが必要です。でも大きすぎるとぶかぶかな印象になってしまうので、最適を模索します。⑤はインナーほどのフィット感は必要なく、どちらかというとパリッとハリのある質感が欲しいので、ダーツは要りません。⑥はインナーの上に着る物なので、左右1mmくらいは首から肩先までの長さがプラスされていないと今度はパッツンパッツンな衣装になってしまいます。
その辺りを心して(必要なら設計図などに書いておいて)型紙をひいていきます。

そんなこんなで完成した型紙がコチラ。

袖検証する前の型紙なので、ごく単純な袖山になっています。ほんの少し前に作ったのに今見るとよくコレで作ったな…と遠い目になりますね…。
縫い代が半分しか描かれていないのは私は縫い取り線が無いと縫えない上に、縫い代を型紙に描かないと縫い代を確保できてないカットをしてしまうためです。半分ずつ描いてひっくり返してもう一度描くと縫い代と縫い取り線が記入できるようになってます。
マイクロ起毛は切りっぱなしOKの布ですし、アウトラインはリボンを接着するので、襟見返しは縫い代がありません。また、前見頃は縫い代があるところまで襟がきて、縫い合わせる感じです。
完成した型紙で試作を作ります。

家に余りに余っていたダブルガーゼで試作です。もう目眩がするほどピッタリです!これまでの苦労とイメージドンピシャな出来上がりに危うく試作で満足してしまうところでした。

服本体の型紙の次は装飾に入っていきます。
まずはゴッドイーターの象徴ともいうべき背にあるエンブレムです。布の裁断前に刺繍しなければいけないので型紙制作と同時進行でやってました。根が飽き性なので、たいがい複数の作業を並行してやってます。
複雑な図案なのでいきなり本番の布に刺繍は流石に度胸がなく、本番布に使おうと思っていたブロードに刺繍してみました。
使った刺繍糸はDMCのディアマント(ライトゴールド)です。こちらの刺繍糸はちょっと特殊で、一般の刺繍糸より硬めでザラザラした感触がします。いじりすぎるとラメが剥がれてしまうので優しく取り扱う必要がありますが、刺繍でメタリック感出すのには最高の刺繍糸なので、オススメです。

下書きは本体の顔を刺繍した時に使ったスマ・プリを使っています。いい感じのサイズに印刷したエンブレムの絵を黒のフリクションペンで描き写しました。

フェンリルのエンブレム刺繍

顔の刺繍で変な自信をつけていて、これも難なくクリアできると思っていたのですが、とんでもなかったです。図案が複雑なので金色の何かがあるのは分かるが形がはっきりしない、正直見づらい刺繍ができあがりました。番号は刺繍した順番です。①でボンヤリした刺繍になってしまったので②で余白を全て濃い色で埋めてみましたが、しっくりこず。③はまずアウトラインを濃い色でとって、中を金の刺繍で埋める方法をとってみました。
全てサテンステッチですが、①と②はとにかく面を埋める事に気を取られていたため箇所ごとにステッチの方向がバラバラでした。それではキレイに見えないと気づき、③は全て縦方向にステッチの向きを統一してます。
この段階で本番の布であるマイクロ起毛に直接刺繍するのではなく、刺繍ブローチの要領で作ったワッペン状の刺繍を貼ることを計画していました。一番上手くいった③の周りの布をアウトラインから数センチ外を切り、後ろに折ってボンドで貼る。最終的にジャケットの背中にそれを付ければ良いだろうと。そうして出来上がった刺繍ですが、これまたしっくりこず、しばらく裁縫箱の中に放置する事に。
そうこうしているうちに世の中便利な道具がどんどん発売されまして、夢のような商品『ステッチカラー』が発売されました!絵の具のような顔料?を塗るだけでちょっとモコモコして刺繍の様な仕上がりになります。

早速本番布にアウトラインを刺繍して、中を埋める様にステッチカラーを塗っていきます。これが、あの苦労は何だったんだというくらい簡単に、キレイに仕上がりました。それでも苦労した刺繍も没るのには忍びなく、どちらを使うべきか並べて置いてみました。

←ステッチカラー  刺繍→

一目瞭然、ステッチカラーの方が見やすくスッキリしてます。刺繍の方が色味は好きですし、重厚感は出ますが10円玉大の刺繍にこの細かさはキツかったみたいです。というわけで、ステッチカラー採用です。
ステッチカラーは質感はボンドみたいな感じで、本来は容器のノズルから直付けで手軽にステッチした質感出る商品です。が、今回みたいに細かい作業をする場合はやはりボンド作業と同じく塗装皿や厚紙などに出して竹串や調色棒の様な物で着色していくのがいいと思います。私には竹串ですら少し太かったので、竹串で布にステッチカラーをのせ、調色棒で隅まで伸ばす…という方法でやりました。
ここまででエンブレムは解決です。

エンブレム付きの布が出来上がったところで、本番の布を型紙通りにカットしていきます。

カットする線は途中までチャコマジックペンでひいていたのですが、インクの染み具合によっては割といつまでも残る事があるので、途中からフリクションのオレンジに切り替えました。オレンジ色はあまり目立たず、最後のアイロンかけで消えてくれるのでとても便利です。

お次に装飾の続きです。全部縫い合わせてから残りの装飾をしようと思ったのですがリボン端を縫い込む必要があるので、先につける事にしました。
描き出した絵を元にジャケットの型紙を別紙に写し、装飾する場所や大きさなどを描いていきます。

最初に描き出した絵を見てそのまま装飾に入ろうと思ったのですが、ココどうなってるの?ココどうデフォルメするの?と細かい疑問というか迷いが生まれてきたので、手間でも一度設計図を作る事にしました。ここまできて失敗も妥協も嫌ですから。
ゲームでジャケ絵のキャラが着ている制服の色違いがウチの子衣装で、デフォではグリーン×ブラックの組み合わせです。白バージョンは白×グレーなのですが、白とグレーはそれほど色味に差がないし、小さい服なので色の切り替えは無しにしました。代わりに白とグレーの境目をグレーで刺繍してニュアンス出します。また、ジャケットの背後の真ん中あたりは色が違うのでは無く、切れ込みが入っていてインナーが見えている状態らしいので、ちょっとビビりながらカットしました。一応少しでもダメージを出さないためにフチにほつれ止め液を竹串ですくってチョンチョン付け、強度補強してます。

次の装飾はその切れ込み両サイドにある矢印です。うっすらあるくらいの装飾であまり目立たせたくはないけどないのは嫌、という変な意地の様なこだわりの様な感覚で作りました…下の写真のような物を計6個ほど。素材は髪の裏生地に使ったNUIGOTOさんのスキンカラーナイレックスです。

切り出すのにはデザインナイフ必須です。工作用カッターでは小回りと切れ味が足りません。これに速乾アクリアを竹串で塗り、ピンセットで所定の位置に置いていきます。

はい、目立たないですね。ですが何故かコレに関しては妙な満足感と達成感ぎありました。

次です。
リボンの接着前に元絵に色の切り替えがあった場所にグレーの刺繍糸でラインを入れていきます。型紙を装飾込みでトレペに写し、ラインを引くところをハサミでカットします。これをガイドにしながら布の裏側にフリクションペンのオレンジで線を引きます。面倒ですが、たぶん一周回ってこれが一番楽なんだと思いました。

↑型紙を写して線を引くところを切ったトレペ

実際ペンで線を入れたものがコチラ。

ここで使った刺繍糸は色味的には薄いグレーが良かったのですが、糸の色が薄いと返し縫いが一本線に見えず、少し濃いめのグレーでステッチする事に。糸の色や種類で縫い目に違いが出るなど色々やってみると色々な発見があります。ステッチにしないで刺繍糸にボンドをつけて硬くして貼っていく‥という選択肢もあったのですが、細かい作業過ぎて綺麗に仕上げられる自信が微塵も無かったので、大人しく縫う事にしました。

ステッチを入れ、サテンリボンを貼り、ポケットらしきものも作りました。工程は適当な長さに切った合皮(ベルトのあまり)を貼り、ポケットの上蓋?みたいなところをあまり布を縫い付け、チャックになってると思しきところを銀マッキーで着色しています。

スタッズ以外の装飾が終わった前後身ごろ

スタッズは全部縫製が終わってからが良いかと思い、続いてアウトラインのサテンリボンを接着していきます。
いつも通り厚紙にボンド(速乾アクリア)を出し、竹串でリボンの方に塗り、布に貼ってクリップで固定します。布にボンドを塗ってリボンを貼るのでは接着が全然効かなかったので、リボンに、表側に染み出さない程度につけて、固定…が良いと思います。

エリ外周にリボンを接着して固定の図

また、リボンに速乾アクリアを塗る範囲は2〜3cmくらいずつにしています。広範囲につけてしまうと作業中余計なところにボンドがついてしまうかもしれないので、こまめに塗布、接着がオススメです。意外に誤ってついたボンドは汚れ、キズとなって作品の完成度を落としてしまうので、要注意です。
固定の時間は速乾様なので数分で大丈夫でした。

ここからはアウトラインのリボンの端処理についての失敗話です。
一本のリボンを角で折って接着してゆくのではなく、角で一旦切って、エリとエリ見返しの間に挟む事を前提に外側に折っていきました。これが失敗でした。この服が大きなサイズのものであったなら良かったのですが、小さなぬい服ではこの重なったリボンの端を全て折り込むのは無理があったのです。結果角がやたらと厚くなり、硬化したボンドのテカリもあって、ちょっと美しい仕上がりになりませんでした。

青がアウトライン。
角一箇所につきリボン4枚が重なる事に…

分かりにくいですが、上の絵のようにそれぞれリボンを内側に折る事で端処理はキレイになるのですが、角は厚くなります。打開策としては緑とオレンジで描いた横向きのリボンは折り込むのではなく、赤とピンクで描いた縦のリボンで端を隠すようにできれば厚みが半分になるので、次があればそうしたいと思います。
自分の頭の中ではリボンの外側半分をエリとエリ見返しに貼ったリボン同士を貼り合わせて仕上げたかったのですが、2ミリ幅では私のスキル的に無理でした。こういう脳内の予定と実際が噛み合わないことがこの衣装作りではままありました。

そんなこんなで話と写真が前後してしまっていますが、ジャケットを縫い合わせるところまで漕ぎ着けました。

なんか、わりと様になってます✨
縫う順番は
肩→袖(袖山)→脇(前後身ごろから袖の下部分まで)→エリと前身ごろを縫い合わせ→アイロン接着でエリ見返しをつける
で行っています。
ここまで速乾アクリアをバシバシ使っていますが、エリとエリ見返しの接着にはぬいぐるみの生地屋さんの薄口アイロン接着シートを使っています。速乾アクリアはあまり硬くはならない方ですが、範囲が広いとやはりアイロン接着シートの方がキレイに仕上がると思います。

袖下部の縫い付けについては元絵の衣装が腕まくりした状態なので、どうしたら縫い代を外に出さずにできるかを色々考えました。解決策としては、まずは写真のAからBを縫って一旦玉留めし、先に袖口を折り返してから2枚まとめてBからCを縫う、という方法です。これで Bから袖口の縫い代をまとめて内側にすることができます。
大した事ではありませんが、この方法に辿り着くのに結構時間がかかったので覚書のためにも書いておきます。

次に銀の金具の装飾ですが、これはインナーにも使ったスタッズでやっていきます。個数は大2個、中10個、小8個です。意外にいっぱい使ってます。付け方は前述した通り速乾アクリアを厚紙に出し、竹串でスタッズの裏に盛って、ピンセットで置いて、2秒放置した後指で圧着、です。この時なるべく設置場所?にダイレクトに装飾を置けた方がいいです。だいたいの場所に置いてずらす…という方法を取ると余分なところにボンドが付いて汚れの原因になるので、慎重にピンセットで置くのがベストだと思います。この衣装の装飾における三種の神器はボンド、ピンセット、竹串でした。道具の有り難さが身に沁みます。

そして最後の装飾、背面の金具です!
材料は中央から
スペンサー(ユザワヤ スジなし)
つぶし玉(パンドラハウス 2ミリ)
竹ビーズ(TOHO 一分竹 no.22
ビーズ(MIYUKIデリカビーズ DB22L

スペンサーはハンドメイドでブレスレットやネックレスを作る時によく使います。ユザワヤ、貴和製作所などで実物を見て購入可能です。つぶし玉は分かりにくいですが、半分ほど潰してます。後ろの金具を自分なりに分解して考えたのが下の写真です。

この図を簡略化して太めの円盤、平らなもの、筒状のもの、円形のものーーとして考えて上のスペンサーなどの組み合わせになりました。また、一番端のビーズはTOHOさんとMIYUKIさんのデリカビーズで迷いましたが、丸みをおびたものより角の方が通した糸が見えず、また竹ビーズとの繋がりを考えてデリカビーズにしました。

左がTOHOさん、右がMIYUKIさんデリカビーズ

ちなみに左のビーズはTOHOさんの丸小 S-221 です。
金具もどきの作り方ですが、DMCの金ラメ糸ディアマントを20センチくらい一本どりして針に通し、ビーズを一通り通します。ビーズを糸の真ん中あたりに配置して、ここでつぶし玉を半分くらい潰します。その後それぞれ片方ずつ糸の端を針に通してジャケットに縫い付け、玉留めします。この金ラメ糸はちょっと特殊なので玉留めがとれないようにと補強のために少量のボンドを付けておきます。
一応ビーズ同士がバラバラしないようにビーズ用接着剤で貼り合わせたのですが、あまり効果が出なかったのでこれはしなくても良いみたいです。
色々紆余曲折ありましたが、背面の装飾もできました。

いいんじゃないでしょうか!
割と硬質な感じが出ています。ここは刺繍でやるか、フェルトでやるか、樹脂粘土でも使おうか考えたのですが、結果ビーズで良かったと思っています。

という事でジャケット完成です!

満足が過ぎてまた放置しそうな予感です。
リストバンドと腕輪に関しては、さすがに長くなりすぎたので別に書かせていただきたいと思います。一応腕輪などの解説の後に本革でブーツを作る予定です。

工程を忘れないようにするためとは言え長々と書いてしまいました。お付き合いいただきありがとうございます。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

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