ぬいとぬい服に使った生地の感想・’24.7.4追記
服飾・アパレルに全く明るくない、ついここ数年手芸にハマったばかりのど素人ですが、そんな素人なりに使った生地などの話をしたいと思います。
なお、記事の中でリンクを多用していますが、分かりやすさとショップ様へのリスペクトの為で、アフィリエイトなどは無いのでご安心ください。
☆ナイレックス系生地の感想追記しました。
クリスタルボア(グッズプロ)
ポリエステル製
とりあえずぬいを作る生地の基本としてクリスタルボアについて。推しぬいを作ろうと思ったなら知らない人は居ないのでは?と思われる超有名な生地。ボアの名の通り起毛の布です。
オソロシイ程触り心地が良く、オソロシイ程扱いやすいです。
個人的にぬい本体に使うのがオススメです。触り心地が良く、肌色もその他の色も種類が多くあります。ですがぬい服を作るには厚みができてしまうので、特に何枚か重ね着する衣装ではモコモコしてしまいます。触り心地は捨てがたいですが…
ソフトボア(ぬいぐるみの生地やさん)
ポリエステル製
グッズプロさんのクリスタルボア同様、推しぬいを自作しようと思ったことがあれば誰でも知ってると思われる超有名生地です。初めて買ったのがクリスタルボアだったのでそちらを多用していたのですが、ぬいぐるみの生地やさんのソフトボアは何か違うのかな?と常々気になっていました。つい先日こちらでソフトボアを買う機会があってグッズプロさんのものと比べてみたのですが、ソフトボア1.5mmとクリスタルボアは同じものです。裏返して地布を見比べてもみたのですが、同じでした。触り心地も厚みも柔らかさも同じでした。ただ色はそれぞれのお店で違うので、使いたい色で選んで大丈夫です。
具体例としてぬいぐるみの生地やさんで買ったソフトボアとクリスタルボアの黄色系を比べるとこんな感じです。
上がぬいぐるみの生地やさんのカスタード。下がクリスタルボアの近い色味の三色です。2つのお店で取り扱っている色が違うので、単純に入手できる色数が増えた!とただただ嬉しい限りです。
ぬいクロスボア(KIYOHARA)
クリスタルボア、ソフトボアとほぼ同じものですが、若干、ほんとに若干ですが地布にハリがあるような気がします。ですが、触り心地や厚みに大きな違いはないので混ぜて使っても問題ないと思います。こちらもボアのカラーバリエーションとの認識でいいと思います。
ソフトマイクロファー(NUIGOTO)
ポリエステル製
こちらは前述のボアより薄いです。地布の柔らかさはほぼ同じですが、心持ちクリスタルボアなどより伸びる様な気がします。機械で測定したのではないため正確な値はわからないですが、感触としては他のボアより横方向に伸びて、おもちボアよりは伸びない感じです。
おもちボア(グッズプロ)
ポリエステル95%・ポリウレタン5%
クリスタルボアより厚めの生地で、名前の通りもちもちした感触があります。クリスタルボアが主に横方向に伸縮するのに対し、おもちボアは縦横どちらにも同じように伸縮します。布を管理していてクリスタルボアかおもちボアか分からなくなった時は伸ばしてみて縦横どちらも伸びるのはおもちボア…と判別を付けています。起毛の長さはクリスタルボアと同じくらいです。
触り心地が素晴らしく、永遠に撫でていられます。
布の厚みがクリスタルボアよりあるので、推しぬいならば15センチ以上の子に使うのがオススメです。
トイクロス(グッズプロ)
同じグッズプロさんのぬいれっくすより密度と厚みがあり、透けも少ないです。触り心地もぬいれっくすよりなめらかでした。
個人的には
クリスタルボア→ぬい本体
トイクロス→ぬい本体・ぬい服
ナイレックス→ぬい服
がオススメです。
ナイレックスとトイクロスの透け比較です。
↓このマスコットの前に布を吊るしてみました。
そこから30cm離して撮影してみます。
ナイレックスは少し透けて緑色が見えますが、トイクロスはうっすらとしか見えません。でも見えるので、ぬいクロスボアなどよりは薄いです。
マジックテープのメス面としてはちょっと弱いので、使えないと考えた方が良さそうです。
ぬいれっくす(グッズプロ)
ポリエステル製
グッズプロさんのナイレックスです。薄くて端のほつれが全くない、扱いやすい生地です。キメが細かくないのでやや下の色を通しやすいですが、濃い色の上に薄い色を重ねるのでなければ特に気になる程透けがあるわけではありません。また、その少しざらっとした表面がマジックテープのメス面になるので、小さなぬいの服など厚みを出したくないところには最適です。更に若干の伸縮性があり、柔らかい生地なのでブロードなどハリのある生地よりもぬいの体にフィットした服が作れます(重要)。
ぬいトリコット(ぬいぐるみの生地やさん)
こちらもソフトボア同様グッズプロさんのぬいれっくすと同じものといってもいいと思います。生地の厚み、透け感、柔らかさ、マジックテープのメス面として機能するところも同じでした。そしてソフトボア同様色の品揃えが違うのも同じです。厳密には輸入元のメーカーの違いがあるのかもしれませんが、ぬいトリコットとぬいれっくすを混ぜて使っても質感に違和感はないです。
ぬいクロス(KIYOHARA)
近所の手芸店の実店舗で手に入るありがたいぬい布です。生地の厚み、透け感、柔らかさ、マジックテープのメス面として機能するところ、全てグッズプロさんの“ぬいれっくす”やぬいぐるみの生地やさんの“ぬいトリコット”と同じように使えます。というか、同じものなのではないかと思ってます。
ナイレックス生地のカラーバリエーションとしても考えられますし、使い心地を試すのに素体を作りたい時などもお店に行けば買える!というのは大きな利点です。
○追記(2024.7.4)
ぬいれっくすで8cmお座りぬい作ったのですが、3回腕を付け直しても布に痛みがありませんでした。薄さ、柔らかさに反して縫製のダメージに対してはソフトボアより強いかもしれません。
また、布の状態で見るより、縫い上げて綿を入れた状態の方が発色が良く見えます。ぬいれっくすのライトフレッシュを使ったのですが、ソフトボアで作ったものと遜色なくとてもキレイです。ソフトボアよりチープなイメージがあったのですが、ナイレックス系生地はかなり優秀な生地だと実感しました。
ただ透けに関してはなんともし難く、お顔の刺繍は接着芯を貼った上で糸の端処理を刺繍の中にいれ込むようにする必要があります。
ナイレックス/Pパイル(NUIGOTO)
ポリエステル製
ナイレックスの定義が分からないのですが、グッズプロさんのとは別物でした。グッズプロさんのナイレックス(ぬいれっくす)よりキメが細かく、ツルッとしてて透けも少ないです。その分マジックテープのメス面としては機能しませんでした。また、ぬいれっくすは多少伸縮しますが、NUIGOTOさんのナイレックスは伸縮性がありません。ぬいれっくすとは最適な用途は別な物になりそうです。
ぬいクロスとナイレックス/Pパイルの柔らかさ比べです。下は幅1cm、長さ5cmの筒形パーツの先にペレットを入れた写真ですが、ぬいクロスの方が僅かですが曲がりました。
スリムさはナイレックス/Pパイルですが、柔らかいのはぬいクロスでした。以前5cmのコログマスコットぬいを作った時はナイレックス/Pパイルのハリと揺るがない感が有り難かったので、形を保ちたい小物はこちらが良いのかもしれません。
マイクロ起毛(NUIGOTO)
ポリエステル製
ナイレックスやトイクロスよりツヤが欲しいけどクリスタルボアより薄い生地が欲しい。そう思って探していた時出会ったのがこのマイクロ起毛です。マイクロ起毛の名の通りごく短く起毛しています。グッズプロさんのナイレックスより透けはなく、若干厚みがあります。
ぬいのジャケットを作りたくて購入しました。適度な光沢のある質感が素晴らしいです。
ここで私がよく使った生地の比較をしたいと思います。
写真上からマイクロ起毛、ぬいれっくす、おもちボア、クリスタルボアです。
ぬいれっくす→マイクロ起毛→クリスタルボア→おもちボア
の順に厚くなります。
続いてぬいれっくすとマイクロ起毛の厚み(透け)比較です。
マイクロ起毛はあまり透けず、ぬいれっくすは結構下の色を通します。ぬいれっくすを使う場合、下の色より濃い色を重ねる時に使うのが良さそうです。実際ぬい服に黒のぬいれっくすを使いましたが、肌色が透けた感じは受けませんでした。
スムースニット(NUIGOTO)
ポリエステル製
起毛が無く部活ジャージの様なツルツルの触り心地でよく伸びる極薄生地です。裏面が白なので気になる場合は両面貼りにする必要があるかもしれないですが、2枚貼り合わせても薄いです。ローン生地よりは厚いですが、一般的なブロードより薄いかと。
○追記(2024.5.13)
ナイレックスより起毛が無い分薄いですが、柔らかさはナイレックスの方があるかもしれません。織の糸の密度が高いので、縫い合わせた縫い代が2枚重なった時の厚みがスムースニットの方がごそつきます。その分丈夫なので少ない縫い代でもほつれませんし、10cm以下の小型ぬいの服でも縫製のダメージは思ったより少なかったです。綺麗に縫い合わせられました。
フェルト
手軽で安価、扱いやすさトップレベルの生地です。その特徴、メリット、デメリットはたきゅーとちゃんがYouTubeで紹介してくださっているので、そちらをご覧ください。
フェルトの使いどころとしてはぬいの本体よりも目や口、アクセサリーなど細かいパーツを作る方が適しています。あとはハリがあって綿を入れなくても自立するので試作を作るのにとても重宝します。
○追記(2024.8.12)
百均のフェルトを試作で多用したのですが、
メーカー品よりかなり薄くて弱いです。
特に大判サイズは鋭角で切り出した部分が縫いにギリギリ耐えられるか耐えられないか、というくらい。うっかりすると針が通った穴から千切れてしまいそうでした。大判でなくてもメーカー品より簡単に伸びてしまい、型紙を作るのもその伸びを考慮して作るのが必要そうです。
ぬいの本番には百均のフェルトはオススメしません。何故なら作り上げる労力の方が大事!だからです。想像以上に布端が千切れてヨレたので、これは無理かと……。
以上がほつれ止め不要の生地です。
ここからはほつれ止めが必要なものになります。
ブロード
いわゆる綿100%で平織の布です。どこの手芸店でもあるお手軽で安価な生地で、今まで何の気なしに使っていたのですが、ぬい服を作る時に新たな発見があったのでここに上げました。まず、伸縮性はありません。そして意外にハリがあり、丈夫です。お手軽でカラーも豊富なのでぬい服に使いたいところですが、ハリがある事でフィット感のある服にはなりません。
逆にハリがあり、丈夫なので服の試作にはもってこいです。布で試作する段階では着せたり脱がせたり、裏返したりを頻繁にしますが、それでボロボロになることはありません。端がほつれてきますが、試作なのでよっぽど小さいパーツでなければ気にならないと思います。素体でも綿を詰めたり出したりを繰り返しても伸びず、サイズが変化しないので、その点ではフェルトより優秀かと思いますが、大きなぬいの試作になると綿なしでは立体、自立を保てません。
レーヨンシール(スターチャイルド)
スターチャイルドさんは動物のぬいぐるみも売っているお店です。レーヨン自体が高騰しているとの事で、レーヨンシールも価格が変わったり取り扱いが無くなったりしてます。毛にシルクの様なツヤがあり、触り心地最高の生地です。地布も薄くて柔らかく、くたくたぬいぐるみなどを作るのに最適です。ただカットしたり縫う時にファーが抜けて舞うので、そこが少し扱いづらかったです。
レーヨンシール(岡田屋)
こちらはぬい布を取り扱っているお店ではなく、レーヨンシールを探し求めてネットで見つけたので洋服用生地のレーヨンシールです。触り心地は最高の一言。ただ毛が直毛でないためぬいぐるみなら30cm以上あった方がフォルムに影響が無いかと思います。洋服やバッグなどに使った方が良さそうです。
ラビットファー
ユザワヤや近所の手芸店で購入した、どうぶつぬいぐるみ作成に使用した生地。“ラビット”の名の通りものすごくふわふわで触り心地が良いです。本来はクッションカバーやバック用に売られていたようです。地布がレーヨンシールやクリスタルボアなどよりしっかりしている事が多いので、地布の厚み、毛の密集度から15センチ以上のぬいに使うのがオススメです。人型ぬいの髪パーツには使った事がないですが、そちらにもあまり小さなサイズはキツイかもしれません。
未確認ですが最近出ているうさぎボアとは別物と思います。
マイクロムートン(オカダヤ)
毛足3ミリの起毛生地です。厚さはクリスタルボアより厚く、ラビットファーより薄いです。地布が柔らかく、割と小さなぬいにも使えそうです。毛はクリスタルボアよりハリがありますが、ブライトフェイクファーより柔らかいです。割とふわふわな手触りでツヤはありません。
ブライトフェイクファー(ユザワヤ)
地布ーポリエステル・毛ーアクリル
光沢があり、長毛(毛の長さ4cm)のフェイクファー。グレーとキャラメルと白を持っていますが、グレーは銀、キャラメルは色の濃い金髪の様な輝きのあるファーです。地布がポリエステル、毛がアクリルでできています。
クリスタルボア、レーヨンシールに比べると毛にコシがあり、若干きしみがあります。また、地布が結構しっかりしていて厚みもあるため20cm以上のぬいぐるみにおすすめです。推しぬいの髪パーツに使う場合にも10cmぬいなど小さな子は使いづらいかもしれません。
使ってみた感触、感想
写真ですが何も無いより参考になるかと思ったので、実際使った例を載せておきます。
■ぬい服■
同じ型紙で作った上ブロード、下ぬいれっくすのぬい服です。ブロードは伸縮性が無くハリがあるため腕が浮いてしまいます。
また、ぬいれっくすは薄くて柔らかい生地なので体へのフィット感もあり、体と服の間に隙間ができません。
モデルに使ったのは座高17cmほどのぬいです。結構衣装の印象や出来が変わってきます。
■ブライトフェイクファー他■
使ったのは上のグレーがブライトフェイクファー(グレー)、両サイドがブライトフェイクファー(ホワイト)、それ以外のグレーとホワイトはラビットファーです。大きさはこの頭だけで縦・横・奥行き30cmほどで、ぬいぐるみとしては大きいです。
■マイクロムートン他■
使ったのは頭がマイクロムートン(黒)、体と羽がレーヨンシール(スターチャイルド・白)と風切り羽がフェルトです。マイクロムートンは毛刈りをしていないでこの起毛の長さです。レーヨンシールは足先など多少毛刈りをしています。足から耳の先までの高さ16cm、頭のサイズは縦横奥行きが大体6cmです。作る際に布が厚くて縫いづらい感じはありませんでした。
以上が実際に挙げた生地を使って作ったぬいの例です。感想共々参考にしていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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