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愛の不時着、面白い?面白くない?29歳男性の感想(ネタバレあり)

「海外ドラマフレンズ」は、海外ドラマ好きの26歳女性と29歳男性が海外ドラマについて自由に楽しく語るアカウントです。YouTubeポッドキャストで音声配信もしてます。

最近「愛の不時着」を最近見始めて、現在5話まで観終わったところ。今回はその感想について話しました。

愛の不時着とは

言わずと知れた大ヒット韓国ドラマで、Netflixで視聴数1位を独占し続けている。同じく大ヒット中の梨泰院クラスよりも人気で、評判も良い?(我々の周囲では)

全16話、1話70〜80分と非常に長尺。

あらすじ

パラグライダー中に思わぬ事故に巻き込まれ、北朝鮮に不時着してしまった韓国の財閥令嬢。そこで出会った堅物の将校の家で、身分を隠して暮らすことになるが...(Netflixより)。

両国のカルチャーギャップが面白い

ジャンルはラブコメかつ、北朝鮮と韓国の間のカルチャーギャップものだった。韓国の財閥霊場である主人公のユン・セリが、北朝鮮の将校であるリ・ジョンヒョクと出会って恋に発展していく本作。

かたや資本主義国家、かたや社会主義国家、そもそも行動原理が違うので、それがすれ違いコントのようになっていて面白い。

例えば初対面の時の会話の中でも、ユン・セリは韓国でよく使っていたであろう男をコントロールするようなコミュニケーションをとり、それが成功していると思い込んでいるが、リ中隊長は内心そのまま保護するか殺すか考えてる、みたいな。

ユン・セリは財閥令状であり、自分でも優秀な経営者だ。それだけに超資本主義的な考えに染まっている。北朝鮮での生活を「こんな貴重な経験は金を積んでもできない」って言って納得しようとするのだが、このような自己成長的な考えもすごく資本主義的なのだろうと思う。

頻発する停電で冷蔵庫が使えない中、地下のスペースにキムチを保存しているのを見て(キムチ倉という呼ぶらしい)、ユン・セリが「オーガニックね!」とテンション上がっているのはすごい皮肉だなと笑ってしまった。

北朝鮮の生活描写も見どころ

北朝鮮での生活の描写は、未知だけに見ていて面白い。「ハマグリのガソリン焼き」なる料理があるそうなのだが、これがなかなか信じられない料理で面白かった。

食べ終わった貝に焼酎を入れて飲むと美味しいらしい。ガソリンの臭いは気にならないのかな?

先述したように当たり前に停電が起こるし、市場では韓国製のモノがこっそり売られていたり、質屋ではブランド品の時計に価値はなく、より重たくて溶かしたときに体積のある時計が高く売れたり。

また、劇中での描かれ方を観ると韓国の人にとっても北朝鮮はまったく未知の場所であることがわかる。同じ言語を使うまったく違う国というのは日本人からすると想像できないものだ。

そんな未知の国に急に迷い込んだらと思うと恐ろしいが、本作は基本コメディタッチなのでそこまで深刻に描かれることは少ない。

ただ、第1話の最後は少し怖くて、主人公は不時着した場所から走って韓国側に逃げるのだが、実は逆方向、つまり北朝鮮側に走ってしまう。本人は気づかないままある村に辿り着き一安心するのだが、なにか様子おかしい。

時間はおそらく朝方で、広場で規律正しくラジオ体操する人々や、「将軍様万歳」と言いながら行進する子どもたち、街頭に設置された大きなスピーカーから流れるいかにも独裁国家的なアナウンスによって、その場所が北朝鮮であることがわかってくる。ここは少しゾッとしてしまうシーンだった。ちょっと猿の惑星のラストシーンを思い出したりも。

とにかくかっこいいリ中隊長

相手役になる北朝鮮の将校であるリ中隊長はとにかく視聴者から愛されており、本作の人気の理由の1つになっている。

確かに男から見てもカッコいい。見た目で言うと、梨泰院クラスのセロイがちょっと中性的というか柔らかい感じだったのに対して、リ中隊長は男臭さもあるタイプのイケメン。韓国俳優で言うと、合ってるかわからないけどウォンビンとかチャンドンゴンの系譜?

リ中隊長はやることなすこと完璧で理想化された存在として描かれている。加えて資本主義社会に染まってない純粋さがあり、主人公にはめちゃくちゃ優しい。ユン・セリはわがままな存在として描かれているが、全部許して守ってくれる。「こんな人いるか?」と思ってしまいそうになるが、「北朝鮮という未知」が間に挟まることで違和感なく受け入れられるのではないかと思う。

まあ自分とは根本的に違う価値観で生きてる人って、超越した感じがして魅力的に見えるよね。

「パラサイト」の出演者が出てる

梨泰院クラスのセロイは、「パラサイト」に石をくれる青年役で出ていたが、本作でもパラサイトのキャストが。

主人公一家のお母さん役と、家政婦の夫役のおじさん(リスペクト!の人)役の人が出演している。しかも姉弟役で。リ中隊長のフィアンセの母親と伯父という役どころ。

パラサイトでお母さん役だったチャン・ヘジンさんは、本作随一のコメディリリーフを務めており、コミカルな演技が得意な女優さんなのだと改めて知る。経歴を観ると「シークレット・サンシャイン」などへの出演歴もあるそう。

ハマったかどうかでいうと

主人公のユン・セリがとにかくかっこいいリ中隊長と恋に落ちていくというのが基本的なストーリーなので、女性向けであることは確か。なので、正直そこまではハマれてない。ただし恋愛モノやラブコメが好きな方であれば誰でも面白く観られるかと思うし、僕自身もここまで書いてきたようにそれなりには面白く観られている。

ここまで多くの人が観ている海外ドラマというのはなかなか現れないので、一件の価値あり!

音声でも話しています↓


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