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皆伝 現代文 知識02 漢字

漢字は知っているかいないかだけの問題で、作問者との相性、運次第というところもあります。思考問題が苦手な人や、よほど漢字が得意な人は別にして、6点で並、8点なら運がいいと考えて、10点を目指さないほうがいいでしょう。
参考書の使い方は、まず三回見て書きます。次に見ないで三回書きます。この時点で書けない、読めない漢字に印をつけましょう。
次の日に、もう一回同じ方法で復習します。
その後、憶えたい漢字を使った文を書きます。
一か月以上先の二周目以降は、一周目にできなかった漢字だけをします。
受験までに3周(一応すべて書きます)は参考書を繰り返しましょう。

音読みと訓読み

基本ですけど、音読みは音を表していて、訓読みは意味を表しています。
音読み 魚/ぎょ 森/しん 訓読み 魚/さかな 森/もり
憶えにいくい漢字、熟語は訓読みを憶えて、意味を理解すれば、漢字自体も憶えやすくなります。
対象/「つい」に「かたど」る 対照/「つい」に「て」らす
隔離/「へだ」てて「はな」す
こんな感じですね。

漢字の構成 

へんを憶えると、漢字の意味を理解して憶えやすくなります。
手偏/てへん、肉づきは、身体に関することですね。
持つ、腿/もも
「夥しい/おびただしい」は、漢字の中に「多い」という文字があるのでわかりやすいですね。このように、漢字を分解して意味の分かるものもあります。

出題のされ方

1京都と東京は「たいしょう」的だ
対象、対照、対称という漢字を書けても、このように出題されるとわからないということがないように、どういう文脈で使う漢字なのかを、参考書の文例を理解して憶えるようにしましょう。自分で憶えやすい文例を作ってもいいんです。
私は、鏡に映るもののように「左右対称は同じもの」、照らすから日向と日陰で「対照は違うもの」のように憶えています。

2たい「よう」がまぶしい。この「よう」と同じ漢字を使っているものを選びなさい。aひなた bひだまり c木々がこうようした
こういう出題もあります。太陽 日向 陽だまり 紅葉
おなじ「よう」の音で使われているとは限らないので、ひっかからないようにしましょう。
文例で使われていないけど、こういう読み方もあるよというところも参考書で憶えておきましょうね。

3漢字と言うより語彙と言う方が適切かもしれませんけど、同義語・反意語も出題されます。これも憶える必要があります。
漢字の意味を自分の言葉で書いて、具体例を用いて(架空の)人に説明します。例えば、
「『夥しい』は、おびただしいと読みます。数が非常に多いことを意味します。または、程度がひどいことを言います。夥しい数のゾウが動物園にいた、遅刻すること夥しいと使います」。
「『具体』と言うのは、抽象の反対の意味の言葉です。あの相撲取り大きいよねという抽象表現ではなく、あの相撲取りは身長2mというように、その場にいない人でも認識を共有できること。または写真や本人を出すことで、見たり触ったりを実感できることを言います」。

書く

似ている漢字がいくつかある場合は、採点者はそこだけを観ていると先生は言っています。だから、そこを中心にして、注意して憶えましょう。
「凛」とした立ち姿ならば、採点者は二水か三水かだけを観ています。「微妙」「徴税」「懲らしめる」ならば「π」「王」「心」だけを観ています。「印象」「銅像」なら人偏があるかどうかだけをチェックしています。
 天「候」 君「侯」
「治」水 「冶」金/やきん
など、いろいろありますね。

熟語の構成

漢字二字の熟語は中国語由来のものが多いと思います。
①②③は一文字分かれば大体全体の意味も分かるというタイプです。憶えたい言葉はどの型か?を把握したうえで、レ点、and,orを付けていくと憶えやすいと思います。
①英語と同じ語順で、動詞が後に来るタイプ
「レ点」付きで読む型。
還元 元に還す   無限 限り無い 
②意味が同じ語が並ぶタイプ
「and/そして」付きで読む型。
導入 導そして入/導いて入れる 返還 返そして還 大概 大そして概/おおきくておおむね 出発 出そして発/出て発する 
③意味が反対の語が並ぶタイプ
「or」付きで読む型。
是or非 諾or否(「だくひ」と読みます)  

どっちもyesかnoかという意味ですね。
④形容詞型 
名人 書店 舞台 美術

「どの型か」がわかれば、意味も類推しやすいと思います。

①は前の字は動詞が多いですね。
「還す」。動詞が分かれば、全体の意味を類推しやすいので、 「元に還す」とわかるかもしれません。
②は一文字分かれば、全体の意味は同じなので「入る=導く」「返す=還す」「大まか=概ね」「出る=発する」とわかります。
言葉のセンスがあれば、知らない字でも、もう一つの字と同じような意味(②)かそうでないか(③)かわかると思います。これは受験勉強では身につけるのは難しいんですけどね。 
③一文字分かれば、もう一文字は反対の意味です。
是非の非はnot/noなので是はyesと分かりますね。諾否も同じです。
④前・後の字が「形容詞型」は、あまり問われません。
名のある人。美しい人。

忘れてしまった漢字の解き方

偏(へん)は意味を表し、作りは音を表します。
持の場合は、手偏、音は「じ」ですね。
訓読みで出題されたら「もつ」は、手で持つから手偏と推察します。
音読みで出題されたら「じ」と読む漢字を思い出すと、「字、寺、自、時、地」があるので、文脈から手偏とわかっている場合は、手偏を付けてそれらしい漢字を探します。寺に手偏をつけると「持つ」という正解を出せますね。
1熟語がわからない場合、もう一方と同じ偏を書いておく
当てずっぽうより正解の確率は高いと思います。
「租税」どちらも禾偏/のぎへん。
こうした熟語は多いですね。「返還」どちらもしんにょう/しんにゅうです。
2自分が知っている一番簡単な字を書いておく。
「雑た」は「雑多」
3音の同じ熟語を思い出して、書く。
「そ税」ならば、「そ」が前に来るものを思い出す。租庸調、粗末。
後に来る酵素、控訴は書かないようにします。
「変しん」ならば、「しん」が後に来る「返信」「関心」「立身出世」を思い出します。
4「ざつおん」を漢字にしなさいという問ではなく、空欄の問だということしにて、自分で言葉を考える。
例)外から(ざつおん)が聞こえてうるさい。
空欄問題として捉えます。
「外から()が聞こえてうるさい」。
空欄に入る言葉を考える。うるさいということは、大声、大きな音、色々な音。「ざつおん」の「おん」は音だと気付きます。「ざつ」は2のテクニックで「雑」を思い出すか、3のテクニックで「雑多」を思い出します。

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