大学の西洋史 東洋史 日本史の違い

先生に訊きました。
西洋史は米欧、東洋史はアジアアフリカ、日本史は日本を地理的な範囲として学んで研究するそうです。明治時代にできた枠組で、戦後は高校からもそういう枠組みは消えたのに、いまだに3つに分かれているなんて選ぶ方には困りますね。
冷戦後の現代史を学びたい人には、国際政治の学部や学科の方がいいかもしれません。北欧を学びたい人は、大阪大学の外国語学部、東海大学の北欧学科の方がいいかもしれないし、分野、大学によっていろいろな選択をする必要があります。
大学によって学部、学科の名前や、担当領域が違うので、調べましょうね。
こういう地域別の区別をしないという大学もいくつかがあるそうです。国立の千葉大学の文学部 歴史コースがそうですね。

大学によって違いはあるんですけど、日本史を選んだ学生も、東洋史、西洋史の講義を聴くことができることが多いみたいです。全部ではなくて概説だと思いますけどね。

研究のしやすさで言うと、日本史は日本にいて日本語を理解できる人なら、市町村の蔵を訪ねて、史料を自分で集めることもできると思います。新しい史料から見た研究や、既存の史料の再解釈をすることで研究を進めていくことになるそうです。
時代によっては、漢文、平安時代以降なら古文、近代になると崩し字を読む必要があります。
日本史の研究者には外国語の史料に疎い人も多いということはあるそうです。古墳の研究なら韓国語/朝鮮語、中国語を理解できると研究を進めやすいんですけど、自分がわからない場合は韓国、朝鮮、中国の研究者との共同研究でも対等にできないかもしれません。

西洋史の場合、大学では現代史、近代史の研究者はたくさんいて、中世は少なくて、古代はとっても少ないようです。だから、ゼミ/少人数の研究グループに入るときにも、自分の在籍する大学には古代、中世の教授がいないので、仕方なく近代のゼミに所属するなんてこともあるかもしれません。
そうならないように、受験する大学に当分退任しそうにない、つまり定年を迎えそうにない古代、中世を専門にしている教授がいることを確認する必要があります。講師、客員教授は来年にはいないかもしれないので、教授を調べる必要があります。
西洋史を選ぶと、英語は必修で、西欧の言語がもう一つ必修になったりするそうです。古代、中世だとさらにラテン語も必要になりそうです。
デジタル化されていれば現地に行かなくても史料を確認できるんですけど、自分で史料を収集することは外国人にとっては難しいと思います。しかも、学び始めたばかりの外国語ではなおさらです。
だから、すでにある史料の再解釈、日本に伝わっているオランダ、ポルトガルの史料と現地の史料を突き合わせることで別の視点から再解釈するという日本に住んで日本語を理解できる研究者ならではの方法を採ると、研究を深めやすいかもしれません。
スペイン人は自国の研究に熱心ではないと聞いたこともあるんですけど、フェニキア文字、ラテン語、アラビア語、スペイン語という重層的な言語空間の史料を理解するのも大変そうだし、それだけ研究の余地は残っていそうです。

東洋史は、国によって言語がまったく違うので、インドシナの歴史や、モンゴルからイラク、ウクライナまでを含むモンゴル帝国の歴史などの地域史の研究は大変そうですけど、第三国の人にとっては却ってやりやすいこともあります。たとえば、パキスタンとインドは政府同士の仲はあんまりよくありません。だから、インダス文明の共同研究はそんなに捗りません。インド人はVISAが発行されないので、パキスタンに入国しづらかったりするそうです。日本人なら両方に行けます。遺跡の周辺は人がいないし、治安は悪いので、それは外国人にとっては却って危険かもしれませんけどね。

何を選ぶにしても、プラス面とマイナス面はあります。自分にとってそんなに障害でないこと、自分がやりがいを感じることを考えて選ぶというのもいいのかなと思います。

高校で歴史総合を学んだ後に、日本史探求、世界史探求を選ぶときにも、面白そうだから、現実から遠ざかりたいから、深く学べそうだからという動機の他に、大学での研究を考えて選ぶ人もいると知っておいてくださいね。

サポートして下さると長く続けられると思います。これからも学んでいく費用に使うので、サポートを御願いしますね。