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第12話 都市伝説『うらみや』(BJ・お題「怨み)

https://youtu.be/J51bFgYnRLU

これは昔の、とある人の話、と言ってもいいんですが、まあよくある話でもあります。

ある入り組んだ湾にある漁村でのことです。大勢で漁をするときに、各船でリーダーシップを取る者、船頭を決めておりました。

堂々としていて、決断力があり、はっきりと物を言える、格好よい、まあ格好はどうでもいいかもしれませんが男気がある、とにかくそういう人にはみんなが敬い、付き従うます。ある男が若くして船頭に選ばれました。


その後、夜毎、ゴリゴリ、ゴリゴリ、という音が寝ていると聞かれるようになる。ある朝気になって家の裏を見に行くと、壁に血文字で小さく「死ね死ね死ね」とびっしり書かれている。来る日も来る日もゴリゴリと聞こえる。いつぞやは「お前さえいなければ」という低い声が聞こえ、人の姿を捉えることもあったが、顔を布で隠していて見ることができませんでした。

自分以外の誰がリーダーに選ばれても良しとしない人っていうのが、必ずいるもんでしてね、

例えば船頭に「もっと腰を入れて網を引け!」なんて指摘されりするとね

「若いくせに、俺のメンツを潰しやがった」「こいつさえいなければ俺が」とかなんとか思ったのでしょう。「逆恨み」というやつですね。壁に「死ね」とこっそり書くのはひとつの呪い、「呪詛」です。


そうなると、もちません。
 
呪われたほうは次第体が衰え、食べ物も喉を通らなくなり、やせ細って行きます。

船頭をするどころか、漁に出ることもままなりません。


やがて別の若者が船頭となりました。彼はカリスマでして。

常に溌剌としていましたし、体も丈夫ですから、周りも安心して彼を頼れますね。


ある日、かつて呪詛にかけられた若者が彼に尋ねました。

「あなたは恨みを買ったことはあるか」

「あるよ」実は新しい若船頭の家の裏にも「「死ね」とびっしり書かれている。それを毎朝しっかり目にして、そのままにしてあるそうです。

「どうして平気でいられるのか。そう簡単に吹っ切れるものか?」と男は尋ねました。


新しい船頭は彼の耳に口を寄せて囁きました。「恨みを力に」と。彼は「ああ、強い心をもっているんだ。さすがだな」とそのときは思ったそうです。


それから船頭はある夜、都に行くけどついてくるか?と彼を誘いました。誘いに乗り、山をひとつ越えて都まで行きますと、尋ねたのは占い屋でした。そこに住む老人に、船頭はたいそうな金額を払いまして、祈祷をしてもらっていました。男は最初、「ああ、彼はお祓いのお陰で平気であったのか」と思ったそうです。すると若船頭が「今日で全額ですね」と言い、「満願成就するでしょう」と老人に言われた。

夜な夜なカリスマはそこに通っていたんです。恨みの一念で。足腰も鍛えられますよね。

古くは占い屋さんのことを「占いを見る」と書いて「占見」と読ませました。人の相談を受けながら、時々その手のことにも関わったようですね。

「相手の呪詛、念がそのまま返るであろう。受けた念が強ければ強いほど、返る念も大きい」と占見は言いました。


彼はそれを聞いて、じゃあ、呪った者は死ぬのかな、と思ったそうです。でもちょっと違いました。

呪詛をかけた男は、実は村長の息子でした。宴の最中に、村人の前で忽然と、跡形もなく消えてなくなってしまったんだそうですよ。


ああ、恨みで呪いをかけられて、それをかけ返したってだけの、つまらない話でしたね。どうもすみません。工夫のない話をしてしまって。大体、こういう雰囲気の話って、バスさんが担当ですよね。


じゃあつまらないついでにもう少しだけお付き合いください。
小学生がいちばんなりたい職業とも言われる現代のカリスマ、YouTuber。なんだかんだ理由をつけて、周りを巻き込んで誹謗中傷する、「つまらねえ」「調子こいてんじゃねえよ」「死ね」と言うアンチもたくさん現れます。


ただのひがみでしかないのですが、その手のコメントをされたほうは身に応えます。

でも生き残る人たちって批判的な注目もすべて、収入に変えてしまいますからね。お金、貯めている人がいますね。

中傷するコメントのログを全て記録したりしていて。


占い師とか拝み屋さんみたいな相談を聞いてくれる人って、現代では弁護士さんっていうことになりますかね。

今後、ネットでの誹謗中傷を規制する法律が改正されますしね。

人気YouTuberの中に、訴訟の準備を着々と進めている方もいらっしゃいますね。

アンチを「社会的に抹殺する」と公言しているかたもいるそうですよ。

まだこの手の訴訟は始まったばかりですが、これもまもなく、ありきたりの話になってしまいますね。どうもすみません。ほんと、つまらない話をしてしまって。

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