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集団勧誘

中学生か高校生の時、姉と買い物に行くため
1階にある洗面所の前で、メイクをしていました。

洗面所には窓があり、その日は網戸にしていました。そこから、気持ちいい風が入って来るのです。

窓の外から、車が何台も通り過ぎる音が聞こえました。
ど田舎のため、何台も続けて車が通り過ぎることは珍しく、何だろうと思いました。

「早く2階にいけ!」

姉が慌てた様子で、私に話しかけてきました。
「何故?」と思いながらも、姉と2階に駆け足で上がり、扉をしっかりと閉めました。

姉は2階の窓から、道路を見ていました。
私も、姉の横から顔をだし、眼下に広がる道路を眺めていました。

真っ直ぐ伸びる一本道に、黒いセダンが5台程等間隔で止まっているのです。


中から4人ほどスーツを着た男女が一斉に、出て来ました。
リーダー役の様な人が指示をして
それぞれ、散り散りになり家を訪問していました。

ピーンポーン

我が家のインターホンがなりました。
姉と顔を見合わせて、コソコソ声で話し合い
居留守を使うことを決めました。

そのうち、5台の車は帰って行きました。
1階に降りて、ポストを見ると某宗教団体のチラシが入っていました。


もしかしたら、全員が集まって来て集団で勧誘されていたのかも知れない。

あの時、姉が気付かなかったら、訪問に対応していたら、と思うと時々怖くなります。

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