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「現実を見ろ」をやっつける


大ピンチを迎えている。

新作漫画の制作に2,500,000円ほど必要なことが判明したのだが、これが今の自分には到底用意できるとは思えない額なのだ。

このお金は書籍の印刷代とはまた別で、ぼくが作品の中身を作るための制作費、原稿料が主である。

とても、無名の作家が一度に用意できるような額ではない。が、逆に言えば、この金額を用意できれば、ぼくは個人作家として作品づくりに集中することができる。

つまり、夢が叶うわけである。



初作品となった前作『スポットライトを浴びたくて……』の制作時も、クラウドファンディングを実施した。

もう二年も前のことになるが、その時分、123人の方から合計で1,351,000円をいただくことができた。なんとありがたいことか。無名の作家の企画にお金を出してくださる方がこれほどいるのだから。

しかし浮かれてはいられない。今回必要な金額は前回の約2倍である。大ピンチが襲来している。ラディッツを倒したばかりの悟空とピッコロもびっくりである。


ここで重要なのは金額ではなく、応援者さんの人数であると考えている。

前回は123人もの方が応援してくださった。前作の書籍を購入してくださった方々も合わせると、現在、一度でもぼくの創作活動を応援してくださった方は187人もいるのである。

応援者さんの人数が、今の自分の一つの安心材料になっている。

まぁ、あれから随分と時間が経っているし、応援者さん一人一人の環境や状況も変化していることだろうから、今回も全員が全員応援してくださるというわけでは、おそらくない。だけれど一つ、目標金額を達成するための安心材料として、これだけの方々が応援してくださったのだという事実は胸に留めておきたい。

この187人の方々にご協力いただいて、目標金額を達成できるように動くことが、今回ぼくが個人作家としてやらねばならないことである。

もちろん、この187人の方々にただご支援をお願いするという話ではない。

それだけではおそらく目標金額を達成できない。

今回は、187人の方一人一人が、ぼくの今作と今作のクラウドファンディングを宣伝していただく必要があり、ぼくはそのための仕組みを作らねばならないのである。

皆さんの応援の熱を余すことなくご友人やご知人に届けられるよう、ぼくが動く必要があるのである。

そのことに、ここ数日頭を悩ませている。



漫画家を目指し始めてから十余が経った。

当初は、出版社から連載できれば好きなことをして生きていけると無思考的に思っていて、その夢に向けて遮二無二原稿を描いていた。

いざ個人で漫画を制作するとなると、大きな額が必要なことを実感する。

出版社はこれと同等かこれ以上の額を何十人もの作家にお支払いしながら、売れなかった作品の赤字も補填しながら、連載を回しているのだから頭が上がらない。

ぼくは学生の頃から勉強もろくにせず、常日頃楽をすることばかり考えていた人間である。であるから20歳を過ぎても社会の仕組みなどろくに知らず、夢だけを見ながら生きてきた。

あの時分は、例えば舞台に立てさえすれば演じれるとだけ思っていて、そこに掛かる衣装代やレッスン代、音響さんや照明さんなどの人件費を全くと言っていいほど考えていなかったし、お客さんを何人呼べたらその費用が賄えるかとか、そのためには何人の方に宣伝をすればよいのかとか、そんなことは一切考えていなかった。

ただ舞台に立てれば夢が叶うと信じ切っていたのである。

まぁ、舞台に立つだけでも至極大変なことなのだが。




「現実を見ろ」という言葉は、こういうときに使うのだろう。

算段を立てるのである。夢を叶えるための算段を、現実的に考えながら立てるのである。

「現実を見ろ」なんて言葉を、面と向かって何度か言われてきた。多分、彼らの言う「現実を見ろ」は、詰まるところ「諦めろ」という意味だったのだろうが、まぁ、ある程度現実も見れるようになった今、ぼくの中では随分言葉の解釈が変わっている。

「現実を見ろ」=「夢を諦めろ」ということではなく、「どうすれば夢を叶えられるかの算段を立てろ」ということなのだと思う。

自分の現状を把握して、資産や能力をどのように活かせば活路が見出せるか、考えろということなのだと思う。

そんなことを考えていながら、未だろくな算段が立っていない。

しかし、やらねばならないという氣持ちだけは沸々と湧いている。

「諦める」という選択肢だけはないのだ。そんな選択肢、十余年も続けて今更選ぶ必要がない。

「現実を見ろ」をやっつける。現実を見て夢を叶えていくのである。




兎に角、書籍一冊あたり2,500,000円の制作費。

ここをクリアできれば、ぼくは今後も安定的に作品を制作し続けることができる。

大ピンチ、なんとしても乗り切る所存である。



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3月22日
⚫︎新作連載開始
⚫︎制作資金調達開始

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