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白黒じゃない白黒絵に出会った話

白黒漫画を読んで育った僕にとって、色を使わないで描くことは当たり前だった。

今の漫画はフルカラーが主流だが、「自分もフルカラーで…」と思ったら、膨大な作業量に氣が遠退いてしまう。

とりわけ、人件費をかけれない今のところは、白黒で描く他ない。

白黒絵でどこまで魅せることができるのかは、今の一つの課題だ。


先日、開発欣紀展へ行ってきた。

絵本『髪切屋のテトテ』のページを全編公開した個展だ。


白黒で描かれた作品がずらりと並んでいた。

色彩に関しては、僕の漫画と変わらないように見える。けど、僕の表現とは圧倒的に違った。

白と黒の間の、絶妙な表現。

描かれていたのは色ではなく、光と影だった。


僕には出せない柔さと、僕には出せない強さが、そこにあった。



僕はついつい、線を描いてしまう。

元来、漫画を描くことにおいて、線を引くこと自体に疑いを持ったことはない。線を引くことで境界を作り、白か黒に塗り分けるのが、僕の作画方法だった。

けれど、似たような白黒絵の、光と影にこれほど魅了されてしまったら、今後は意識せざるを得ない。


現代漫画の主流であるフルカラーで描けない以上は、白黒絵をもっと追求していく他ない。

線ではなく、色でもなく、光と影。

少しずつ取り入れていこうと思う。


開発欣紀のInstagramアカウント


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