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20年以上前のタイトルに魂を捧げる漢の背中

※2021年8月25日に配信したメールマガジンに掲載したテキストです

いけるだろうと思ったものが不発で、未知数だったものが自分の予想を遥かに上回る、みたいなこと、ありませんか?

いずれの場合も「なぜそうなったのか」については分析して次に活かしていかなければいけないし、どっちも“見抜けなかった”悔しさという意味では同じくらいあるのですが、後者については喜びもあります。

そういう意味で先週配信された『ストII』プレイヤーのこたか商店さんのインタビューについては、驚きが大きかったです。

こたか商店。」という名前だけで反応できる人は、おそらくそう多くはないはずです。

「筆者はそんなもっともそうな企画案を、半ば呆れ顔の編集部にゴリ押しして、憧れのプレイヤーへのインタビューを敢行した」

『ストII』だけを極めてきた格ゲーマーが語る「ゲーセンこそが真のオンライン」より

原稿の冒頭にある、この記述は全く大げさではありません。

実現に向けて動き出した時点でもまだ、この企画をどれくらいの人に届けられるのか、全く未知数ではありました。

しかし、これまで数々の仕事をご一緒してきたライター・翻訳者のLiT氏の並々ならぬ熱意と、「獣道」常連のこたか商店氏が何を語るのか興味を持っていました。

こたか商店氏の対戦はもちろん、自分の頭には、日本格ゲー界の顔役・梅原大吾が興行する格ゲー大会「獣道」の前身となった「オゴウ」と「クラハシ」のストII対戦も印象に残っています。

まさにこのインタビューでは「オゴウクラハシ」という伝説の戦いについても言及されているので是非お読みいただきたいが、すでに最前線から退いたタイトルで腕を磨き続ける漢たちの姿に涙したことのある人間の一人として、「獣道」の顔でもあるこたか商店氏が何を語るのか、興味を抱きました。

こたか商店氏およびLiT氏、そして担当編集のゆがみん氏によって、私の想像を遥かに凌駕するインタビューとなっています。

最初の不確定要素の強い感触とは裏腹に、原稿を読んだ時点では大きな反響をもって迎えられるだろうことは確信していました。

今まさに輝ける黄金の瞬間を迎えているアーティストやクリエイターの胸中や脳内を伝えることと同じくらい、(あえてこう言いますが)現役ではない場末の闘技場で自分の魂を賭けて勝負に挑み続ける職人がいるということを記録するのは、非常に重要です。

毎日が知らないことを知る日々ですが、中でも改めて学びが多い印象的な出来事でした。

2022年2月4日追記:

こたか商店氏と言えば、インタビュー配信後に行われた2021年末の「獣道4」での激闘がありました。

https://www.youtube.com/watch?v=1i8itFG-kOA

そして、今年に入ってさそり氏とともに「格ゲー喫茶ハメじゅん」にも出演。自身の哲学とプレイで魅了されていました。

番組ではかなり抽象度の高い話が繰り広げられていて、このインタビューが理解の助けになると思いますのであわせて是非。


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