鉛筆、むつかしい/2024.03.10
完成した絵を見る。
……ダメだ。
鉛筆で下描きした跡が透けちゃってる。
ただいま、4月に発表する作品を制作している。
小説、絵、刺繍、小品……。
特に絵はインスタの投稿を充実させたいので、他の作品に比べてたくさん制作している。
ポストカードサイズの紙やキャンバスに、思い思いの絵を描いている。
鉛筆で下描きをして、練り消しで余分な線を消したり残す線の色を薄くしたりして、その上からカラー筆ペンや色鉛筆などを使って完成させていく。
濃い色のカラー筆ペンで鉛筆の下描きの線の上をなぞると、線は見えなくなる。
しかし、薄い色やオレンジ色のカラー筆ぺんを使ったときは、鉛筆の黒色の線が透けて見えてしまった。
今までiPadで絵を描いていたときは、レイヤーを使って下描きの線をパッと消すことができたが、紙にはレイヤーなんて存在しない。
もう少し根気よく、練り消しで消すしかないかな。
それとも使っている鉛筆の黒色の濃さを薄くするべき?
小学生のとき何かの本で読んだ、鉛筆の黒色の濃さの種類のことを思い出した。
鉛筆は材料の配合によって、色の濃さが違ってくる。
鉛筆の頭の部分に描かれている「B」、「2B」、「HB」、「2H」で「B」の数が多いと色が濃くなって、「H」の数が多いと色が薄くなると、その本に書いてあった。
今、使っている鉛筆はHB。
Bが入っているから、これを無くせば良いのか。
そんな単純な考えのもと、Bが入っていない鉛筆を求めて新宿の世界堂に行ってきた。
鉛筆売り場に行くと、そこにはたくさんの鉛筆が売られていた。
いちばん色が濃いのが10B。
いちばん色が薄いのが10H。
どの鉛筆が良いのかな。
Hが入っている鉛筆だけでも、10種類くらいある。
描いたときの線が薄くても、練り消しで消しても残っていて、且つその上から着色しても目立たないやつ。
なんて注文の多い作家だろうか……。
試し描きした末、あたしは7Hの鉛筆を買うことにした。
家に帰り、買ってきた鉛筆を削って、線を引く。
その上に、使っていたHBの鉛筆で線を引いた。
買った7HはHBよりかなり薄かった。
これなら良いかも。
そう思って、絵の下描きを始めた。
しかし描いてみると、ガリガリと硬い感じがした。
下描きを描き終えて、練り消しで描いた線を薄くして、その上から着色した。
すると、塗った色から白い線が現れた。
そこはさっき余分な線を消したところ。
筆圧でできた跡が出てきたのだ。
再び小学生のときのことを思い出した。
それは家で宿題をしていたとき。
当時は2Bの鉛筆を使っていた。
そのとき力強く字を書いたせいで、芯をよく折って、親に怒られていた。
もしかしてBって色は濃いけど芯は柔らかくて、Hはその逆ってこと?
じゃあ、すごく優しく優しく力を抜いて下描きをしないと、 練り消しでは対応ができない筆圧が残るってことか。
鉛筆、むつかしいよう。
結局、今まで使っていた「HB」の鉛筆で下描きをして、練り消しで根気よく消すことにした。
結果、オレンジ色のカラー筆ペンで、下描きの線の上を塗っても目立つことはなかった。
最初からこうするべきだった。
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