浅羽通明『政治学』をあなたに勧める

浅羽通明の『新書で大学の教養科目をモノにする   政治学』は素晴らしい。元はWセミナー(TAC)の司法試験・公務員試験用テキスト。早稲田生も学部の期末試験対策に使っていたようだ。

エグ味(学者の文章に特有)は少なく簡潔。それでいて、社会批判のテイストがある。
例えば、近代国家を「ブルジョワ国家」、政治思想を「庶民には関係ない」と表現する。

(また、この本は、シールズの負けた理由、現行内閣の強い理由等を説明できているように思える)

以下で、19世紀後半から20世紀の政治思想について、浅羽の話を紹介しつつ、私見も書く。

「王権神授説から社会契約論に到るまで、一元的な実態としての国家権力そのものは疑われていなかった」
政治的多元主義を説明する部分の、社会背景について。
この状況がマズイと思ったため、多元主義者が生まれたそうだ。個人の自由・民主主義を守るため。

他に説明されているのは、みんな大好き福祉国家論。
能動性のない国民に代わって、官僚が経済・社会政策を打つ。それによって、国民は国家に統合される。
この思想、実行主体が霞が関の官僚だ。シールズ(デモ)とは相性が悪そうだ。

そういや、「ポスト現代大衆国家」の部分にシルバーデモクラシーの良さを説いた部分がある。
曰く、老人は教養(コモンセンス)があるため、参加型民主主義、自由民主主義の担い手としてピッタリだと。

(以上は、先日のツイートに手を加えたもの)










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