見出し画像

“見知らぬ土地”とラクロス

今回も私の経験から「社会人でラクロスを続ける意味」について自分なりの考えを書かせてもらう。

2つあるのだが、
・学生の時にはなかなか巡り会えない出会いや発見があり、それを経てラクロスが楽しくなった。
これについては既に書いているのでこちらを是非。



・社会人として生きていく中のコミニュティーの1つとしての役割。

今回はもう片方、「社会人として生きていく中のコミニュティーの1つとしての役割」を書かせてもらう。

その前に、あなたは今どのような環境で生活しているだろうか。
実家暮らしだろうか、一人暮らしだろうか。
日常的に人に会っているだろうか、そんなに会わない人だろうか。

そんな環境が変わるとしたら、あなたはどうするだろうか。

実は、今まで形成してきたコミュニティから離され、たった一人“見知らぬ土地”に放り投げられたことがある。

“見知らぬ土地”

2013年の春、私ははれて社会人となった。

ただ、配属地は「大阪」
埼玉で生まれ育った私には誰一人知り合いもいない、まさに縁もゆかりも無い土地だった。
しかも研修中に大阪支店は厳しい・怖いと煽られまくったのもあり、不安が倍増していた。

実際、うちの会社の大阪支店は厳しいところではあったが悪い所ではなかった。
正直、ビビリ損したと思うくらいだった。

が、本当の辛さはそこではなかった。


「孤独」である。


23年間埼玉の実家で生まれ育った私としては、誰もいない家で生活するということが今まであまり無かった。
しかも、縁もゆかりも無い土地で誰も自分を知らない。
人生で始めて「孤独」を感じたが、それが猛烈な辛さだった。

情けない話だが、最初の1週間、帰宅しては泣いていた。
「孤独」に耐えられなかったのだ。
しかし、親というものはすごいもので何を察知したのか、こちらからの連絡も無しに1週間毎日電話してきて励ましてくれた。その時は、親を心配させないように泣かないようにしていた思い出がある。

そこからしばらく「大阪は嫌だなぁ」「埼玉に帰りたいなぁ」と思うようになった。
誰も自分を知らない土地で一人ぼっちなのだ。無理もない。
2013年の後輩達の試合見に行っていたのは、埼玉の実家に帰ったり、応援しにきた同期や先輩に会う口実の1つでもあった。
埼玉の実家から大阪に戻る際に、親が毎回私の姿が見えなくなるまで見送ってくれるのがかえって寂しさを際立出せて辛かったし、帰りの新幹線が本当に憂鬱だったのを覚えている。

ただ、うちの会社は転勤する可能性がかなり低いことに薄々気付いていった。
埼玉に帰ることを諦め、大阪に住むことを受け入れていくしかなかった。


「このままじゃずっと一人だ」


もちろん同期や後輩に触発されたこともそうだが、実はこれが大阪でラクロスをするきっかけの大部分である。

幸い、所属したGOLDZEALERには年次が近い人達が多かったし、関西出身の人だけでなく私と同じく関東からの転勤者がいたこともあり、仲良くしてもらった。
会社の先輩方も単身大阪へ来た私を気にかけてくれて良くしてくれた。

その後、私は家の近くの美容室の人達、アイドルオタクの友達、いろんなコミュニティや人達と関わることになる。
ラクロス以外の出会いも私の人生に大きな影響を与えた。
これについてはまたどこかで。

気づいたら大阪来たての頃、感じた「孤独」の辛さはどこかにいってしまい、大阪が楽しくてずっといたいという気持ちに変わっていった。

2018年の春に大阪から東京に異動になるのだが、その話をもらった時に
「ラクロスの人達とか大阪の友達と気軽に会えなくなるじゃん。どうしよう。めっちゃ悲しい」と仕事そっちのけで思った。

私にとって大阪は「縁もゆかりも無い孤独を感じる地」から「いろんな縁に恵まれた思い出深い地」となったのである。

ラクロスというコミュニティがきっかけで孤独な生活が一変し、いろんな人と出会い、大阪という土地を好きになったのだ。

ラクロスの意外な一面

ラクロスがきっかけで見知らぬ土地でいろんな人達と接する中でわかったことがある。

それは、「ラクロスの参入障壁の低さ」だ。

人によりけりだが、他のコミュニティに新しく加わるのはけっこう勇気やタイミングが無いとしんどい。
実際、アイドルオタクの友達とはオフ会で出会ったが、そういう会があることは全く知らなかったし、参加しても話しかけるのにめっちゃ勇気を出した記憶がある。
美容師さんと飲みに行ったり交流し始めたのも、行きはじめて2年くらいたってからの話だった気がする。

その点、社会人ラクロスはどの地域も人を求めているチームが多いという背景がある。
人が多くて困るというチームが無いとは言わないが、なかなか無いと思う。
プレイヤーもそうだが、マネージャーさんなど歓迎されることの方が多いと思う。自分自身、いろんなコミュニティを経たが、ラクロスが1番馴染みやすかった。
マイナー競技ならではの仲間意識が高いのかもしれない。
社会人でラクロスをやる人が少ない中で来てくれるとチーム側も嬉しいし、大切にしてくれると思う。

もし今後あなたが生まれ育った土地や大学と関係ないところで生活することになった時、暇や孤独を感じているならラクロスに頼ってみてほしい。

私もそうだったが、あなたが思うよりラクロスというスポーツをすることの影響は大きく、その土地での生活を豊かにしてくれると思う。

転勤などで見知らぬ土地に行くのをネガティブに思う人もいるだろうが、どうせ行くなら楽しいものにしてほしい。

ラクロスがその助けになればとても嬉しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?