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作家KAIオリジナル直感小説|story4「タイムリミット」


これまでのあらすじ
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作家KAIオリジナル直感小説
をまとめた無料マガジン


本編に入るまえに
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Twitterにて行われた
役の人気投票により
一番人気だった " RAY " が
小説内 主人公に決まりました🤍

今後 RAYを中心として
どう小説が展開していくのかを
ぜひ お楽しみください♪



本編
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ひとつの
ルービックキューブを
窓際において




もうひとつの
完成したルービックキューブを
無造作に崩しはじめる




戸並 十三「あと2回…かぁ。」




崩したルービックキューブを
天井に高くなげ
ゆっくりとキャッチする





戸並 十三は
2週間まえにみた夢を
思い浮かべていた



                             回想シーン

その日も
今夜と同じ
満月の夜だった





急な眠気に襲われて
おぼつかない足どりで

なんとか
ベッドまで辿りつき

すぐに
うとうとと 【寝落ち】してしまった





【夢】なかで
女性の声がうっすらと聴こえてきた

凛音「あなたに ある能力を授(さず)ける。

        3回だけ
        自分以外の誰かを救える能力だ。

        ただし
        必ず引きかえに
        相手は大切なものを失う。

        タイムリミットは今から1ヶ月。」


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戸並 十三「夢なのに
               僕は、よくこんな長いセリフ
               正確に覚えてるよな〜。」





夢なうえに
自分へのメリットが
一切ない能力なんて
ふつうは使わないだろう





戸並 十三「信じてはなかったんだけどな〜
                へぇ〜〜〜ぐらいにしか。
               能力を本当に使うとは…。」





ただ
まだどこか断片的な記憶が
気になっていた




欠けた記憶を
辿ろうとすると
頭に変な痛みをおぼえる




能力を使った日
僕は あるカフェにいた




騒がしい東京から
すり抜けるかのように

ふだんは通らない
細い路地から繋がる一本道を
どこまで行けるのかを辿(たど)る

月がゆっくりと
雲の影に隠れていく

暗闇と静けさの中
優しい灯りがぽつんと目立つ





戸並 十三 「こんなところにカフェなんて
                ありましたか?」




右腕にしていた時計をみると
時計の針が速度をあげ
狂いはじる




戸並 十三 「…なんだか不思議な夜ですね。」





お店のドアに
   " オープン " と
書かれているのを確認して
ドアをひらく





戸並  十三「まだしばらく開いてますか?」





RAY「いらっしゃいませ。
        戸並様 お待ちしておりました。
        あちらの窓際の席をご用意しております。
        ご案内致しますね。」





(…僕の名前 今言いましたよね…不思議だ。
ん〜〜予約した覚えはないですが
席があるのなら まぁ、いいでしょう。)






案内された席につくと
RAYは
にこやかに微笑んで
メニューを渡す






戸並 十三「僕専用…悪くないですね。」





あまりに
不思議なことが続くことに
楽しくなってきた彼は
わくわくしながら
メニュー表を見ひらく





ふっ…
つい笑いがでてしまう




戸並 十三「では、コースAをお願いします。
               ドリンクはホットコーヒーで。」





RAY「承知致しました。
        コースBでアイスコーヒーですね。」




そう言うと
RAYはすぐに席を離れてしまった





戸並 十三「…メニューの意味とは。」





ゆっくりと店内を見渡すと
ひと組だけ 
お客さんがいることに気づく




凛「…嘘だよね?
    聴いてない…聴いてないよ!」




sou「…言えなかったんだよ。」




凛「どうせ…!
     いつもみたいにふざけてて
     嘘だって笑いとばすんでしょ?
     …そうでしょ?」




sou「幼なじみ失格だよな。
       ごめんな、凛。」



凛は
大きな瞳から涙を零す






戸並 十三「…能力使うタイミング早いなぁ。」






戸並 十三の席に
サラダとスープ
そして
見開きになった
メニュー表が置かれる





RAY「あちらにお渡しになるかは
        戸並様のご判断にお任せ致します。」





そう言うと
RAYは
戸並のほうをじっと見つめる




戸並 十三「難しい。」





メニュー表から
視線をそっと2人にうつす




命なのか、生きがいなのか。




【音】も 声 も
今なにより大切なものを
" 大切なひとの命 " と
引きかえることを
" 誰でも " は選べないだろう




次の瞬間
華やかな光とともに
激しい音がなり響く





凛「【 花火 】…だ!」



流していた涙も
すっかり忘れたかのように
凛は夢中になって
souと一緒に
窓際から空に視線をうつす





sou「今年は花火があがるのか…
       何年ぶりだろう、、綺麗だな。」





店内からは
似合わない音楽が
かすかに聴こえる





戸並 十三 「この曲のグループって
                【ダンス】上手いんだよなぁ。」




幾度もかわる年月のなかで
この景色を
あのふたりが
笑って見られるといいな…





ふと過ぎる考えに
戸並は覚悟をきめる




戸並 十三「メニュー表をあの女性に渡してください。」





RAYがメニューを受けとり
ふたりの席まで運ぶ姿を
凛音は
そっと影から見つめていた


つづく




ちりばめられたヒント
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今回【⠀】で書かれた部分は
ある出演者さまのアーカイブに残された
" キーワード5つ "
あなたは見抜ける!?




そして
出演者3人目が動きだす…

届いた予告状はこちら



               
               





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