作家ＫＡＩオリジナル直感小説｜story11「ラスト目前！いま明かされる真実とは！?」
これまでのあらすじ
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作家ＫＡＩオリジナル直感小説
をまとめた無料マガジン
本編
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凛に
少し席を外すことを
伝えた凛音は
ＲＡＹのいるキッチンに向かう
" ＲＡＹへの違和感 " に
気づいていたのは
戸並 十三だけではなかった
凛音「…ＲＡＹ。
もう聴かせてくれてもいいんじゃない?」
ＲＡＹは
凛音の見透かすような言葉に
戸惑いを隠せず
必死で言葉を探そうとする
きっとここで誤魔化しても
凛音は気づくだろう
話してもいいよね…?
【お姉ちゃん】…。
凛音は手を胸に当てると
軽く呼吸を整えて
意を決するように
口を開いた
ＲＡＹ「…凛さん…にも一緒に聴いて貰いたいの。」
普段の
柔らかな雰囲気と
穏やかな物腰のＲＡＹからは
想像出来ないほどに
不安と緊張が
ひしひしと伝わってくる
凛音は
ＲＡＹの緊張をほぐすかのように
空気を一変させる
アップルパイが
美しく盛りつけられた器の前に立って
軽く身体をかがませて
かるく鼻で空気を吸いこみ
漂う甘い香りを丁寧に感じる
凛音「わかった。
あ、ほら、アップルパイ！
楽しみにしてたんだから。
わぁ…いい香り！
とりあえずさ、みんなで食べようよ。
これ、運んでいい? 」
ＲＡＹは
急に食欲を見せる凛音に
表情を緩ませ
ふわりと笑う
ＲＡＹ「…ありがとう。凛音。」
凛音は
笑顔をとり戻したＲＡＹに
安堵(あんど)し
悪戯げに笑ってみせた
席に近づくと
さっきまで
感情を抑えきれず涙していた凛も
気持ちを整えなおしたのか
アップルパイを美味しそうに
口いっぱいにほうばりながら
2人に満面の笑みを浮かべる
凛「めちゃくちゃ美味しくて！
ん〜幸せっ！」
それぞれが
張りつめていた空気を
打ち消すかのように
穏やかな空気が流れる
3人は顔を見合わせて
優しく笑いあう
しばらくして
それぞれの器のアップルパイが
なくなるのを見計らうと
ＲＡＹが
ゆっくりと口をひらいた
ＲＡＹ「凛さんに
もうほとんど
" 音 " が戻っていて
ゆっくりなら聴きとれることを
さっき凛音から知らされました。」
凛はＲＡＹの言葉ひとつひとつに
丁寧に相槌をうつ
2人はＲＡＹの言葉は
黙って聴きつづけた
ＲＡＹ「実は…私には
血の繋がらない姉がいます。
しばらく前に
…ガンで亡くなりました。」
必死で涙を堪えようとして
声を震わせながら
次の言葉をつづけた
ＲＡＹ「姉は…
" 能力を使って "
本来は私が持っていた
持病であるガンを
自分とすり替えて
私を生かしてくれたことを知りました
姉が亡くなったあと
姉の部屋から
手紙のようなものを発見したのです
書かれた文字を
何度も消したかのような後があって
えんぴつで軽くなぞると
メッセージが現れました」
ＲＡＹはポケットに入れていた
" あるもの " を取りだす
4つ折りになった
手紙のような紙切れを
丁寧にひらく
そこには
えんぴつでなぞられて
浮きでている文字がならぶ
"妹のガンがね
能力を使えば
助かるらしい
変わりにあの子が生きれるなら
喜んで変わるから
どうか
大切な人を救って下さい
妹がずっとずっと
笑顔でいられますように
わたしはsouとも出逢えたから
幸せだったんだ
あ、ひとつ贅沢いうなら
来世ではsouと結婚出来たらいいな"
凛は " sou " と書かれた文字をみて
まさかと口を両手で覆う
ＲＡＹは涙混じりに
言葉をつづける
ＲＡＹ「この手紙をみつけたとき
半信半疑だったんです…。
でも、どうしても気になって。
能力と彼をさがしまわりました。
彼はすぐに見つけられたのですが
それが本当なら申し訳なくて…
どうしても…声が掛けれず
そのあとで
凛音と いるとき
" 能力 " を見つけたんです。
そして
カフェに彼が来た時信じられなくて
彼が同じ …" ガン " だなんて。
凛さんごめんなさい…。
大事なひとを(お姉ちゃん) を
わたしのせいで失った彼に…。
彼も命を落とすことを
どうしても受け入れたくなかった…。
それでも、、あなたに
辛い想いをさせてしまった…
ごめんなさい…。」
ＲＡＹと凛の2人の瞳から
涙がぽたぽたと零れおちる
凛はＲＡＹの手をとって
涙涙に言葉を繋ぐ
凛「souさんの好きになった女性は
とってもとっても素敵なのです！
そして お姉さんの気持ち
私には…
痛いほど…わかります。
もう責めないでください。
お姉さんの願いは
あなたに笑っていてもらうこと。
" お姉さんが選んだ幸せ " を
涙に変えないで…。」
止まらない涙を
必死で笑顔に変えて
凛は笑ってみせる
そのとき凛の席の背後から
声が聴こえる＿＿。
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