帰り道。
東京に上京して11年半が経った時に、地元に帰ることにした。その東京から地元への帰り道に私は新幹線を選んだ。
あの乗っている時間が好きだったのもあるし、新幹線で東京に出てきたので、新幹線で帰ろうと思った。
新幹線の車内で、確かに何かをやり遂げた気になった。漫画家になりたかった。それに人生を懸けた。でも、私が21年間で結果として残せた成果物は0だった。ずっと、物語を完成させることができない人間だった。何も残せていない。何も見せれる物がない。
生一本だったかと言われると疑問だらけだ。気散じをたくさんした。それでも、やり遂げた気になった。終わったんだと思った。
私は実は、現実ではほとんど旅をした事がない。お金は貯蓄か生活費か交遊費、大体が書籍代に消えた。でも、確かに旅をしていた。頭の中でずっと旅をしていた。
帰り道は、何かをやり遂げた人の道だ。
仕事でも、買い物でも、散歩でも。
しっかりとやり遂げた人の道だ。
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