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酒造見学@寺田本家さんの酒蔵へ


先日、寺田本家さんの酒蔵見学に行って参りました。

約3年ぶりの貴重な見学会、昔ながらの生酛(きもと)仕込みの日本酒造り、発酵中の酒母やもろみの様子をじっくり体感した一日でした。

ずっと行ってみたかった「天然菌」がすみつく酒蔵さんです。


*「天然菌」とは、何百年も続く酒蔵、味噌蔵、醤油蔵にすみついている麹菌のこと。

日本には1000軒以上の酒蔵があるんですが、自分たち酒造りの特色は、お酒の全ての原料に無農薬のお米を使い、添加物を使わないで、できるだけ手作りで醸しているということです。

醸しているといっても、実際にお酒を創りだしてくれるのは蔵の中に住んでいる天然の微生物。菌たちです。
「菌と仲良く暮らす」 寺田本家24代目当主 寺田 優 |レポートより抜粋
蔵付き麹(くらつきこうじきん)とは日本の醸造製法の一つで昔は当たり前に存在していた製法でございます。空気中には腐敗する菌もいますが、醗酵する菌も存在します。

そのため、大豆などの穀物を用いて味噌蔵の中に置いておくと、醗酵の菌が付着しております。その付着した菌でお味噌や醗酵食品を作っております。純粋培養や薬剤処理とは無縁の麹菌でございます。
マルカワみそ|ウェブサイトより抜粋


千葉県香取郡の自然豊かな環境にある寺田本家さんの酒蔵。お酒づくりに欠かせない「水」に恵まれた、非常に気持ちの良い澄んだ場所でした。

お米を蒸す大きな甑(こしき)
麹を造る麹室(こうじむろ)
酒母(しゅぼ)室
大きなもろみタンクなど

普段、小さな自宅で麹づくりをしている私にとって、魅力溢れる空間の数々…


「五人娘」の大きな甑(こしき)


湯気と日光が相まって美しい


麹室(こうじむろ)で、すくすく麹へ成長中
人肌よりも少し温かい室内


大きな麹箱の下部はこんな感じでした
側面には小さな扉が付いており
湿度・温度調整可能でシンプルな仕組みにあっぱれ


出麹(完成)したばかりの麹


天然の種麹(本来はこんな色です!)
生き物なので年々異なる種麹
変化とも丁寧に向き合っているとのこと


大きなもろみタンクがずら〜り


「香取」を仕込んでいるタンク


ぷくぷく発酵・熟成中
とってもいい香り


これまで、なんとなくでしか酒造の過程を知りませんでしたが、こうして一つひとつの過程、作業環境、手法、こだわり、歴史や文化について、丁寧にお話を伺い過ごしたことで、つくり手の皆さんの思いや熱量も受け取ることが出来、あたたかい気持ちになりました。何事もリアルに優るものはないのだなと…改めて。

酒米と飯米の違いや特徴
自然環境の影響とバランス
室町時代から継承される酒造方法など

様々な視点からのお話は貴重なものばかりでした。


見学後は、試飲会と発酵食のランチタイム

「醍醐のしずく」はまるでワインのよう
一度腐って発酵するお酒で
室町時代から続く酒造方法だそう
お酒はあまり強くないのですが
すっきりと飲めてしまうのはどうしてでしょう〜


塩麹、醤油麹、甘酒、酒粕を使った調味料で
どれもやさしい味でした


お土産もしっかりと
甘酒もたのしみです


天然菌であるからこその
苦労と喜び、尊さ
自然との共生の在り方……

大地と身体、心が繋がる過程を目一杯、味わうことができました。

ありがとうございました☺︎


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