みんな自分の仕事しか出来ない

 かりそめ天国が好きなので見ている。有吉弘行とマツコ・デラックスが時々、月に一回あるかないかくらいのペースでいいことを言う。今回は良かった。スポーツ選手はどうしてあんなすごいことが出来るのかという話題から、練習しているからよ、鍛錬しているからよ、と言う中で、スポーツだけじゃないわ、なんでもそうじゃない、みんな自分の仕事しか出来ないでしょ、とマツコ・デラックスから金言が出た。
 Kは努力が才能説に心から異論を唱えるので、みんな自分の仕事しか出来ないでしょは非常に腑に落ちる。競技の才能はないが努力の才能があるので・・・が真なら、その人は何をやっても一流になるはずだが、実際は他のことで一流になるまでやるには時間が足りないし、例えば半田付けの仕事に転職しても一流になるほど続けられるのか?というとそんなことはないと思う。半田付けが上手い人ってすごいからな・・・でもめっちゃ地味だからみんなの応援が力になります!みたいな仕事をしていた人には向かないと思うのだ。多分、自分半田付けの才能がないのでアスリートに戻りますって思うんだよね。
 一流アスリートと一流半田職人で比べても意味ないかという向きもあろうが努力が才能というなら、汎用性はあるはずだ。
 汎用性がないのは才能だったり、個性だったりするので、人はそれぞれ自分に向いているものを仕事にするのだと思う。何事においても極めた人のそれはどうしてあんなことができるんだろう?と驚かされるが、それはそればかりやってきたからで、長い時間その仕事をやってきたからだ。時間をかけさえすれば誰でもできるものから、才能がなければできないものまで難易度も種類もたくさんある。スノボの技に驚いているKももしかしたら、そんな微妙な色の差に気づくんですか!なんて驚かれることもあるかもしれない。
 微妙な色の差の他にも、見えないくらい細かいバリも触れば分かるよ。など、突出した才能はないけど誰にでも出来そうなことを結構な精度で習得していたりする。周りにいるつまらないおばさんにも、梱包がめっちゃきれいとかケーブルの結束が正確だとか、そういう誰にでも出来る汎用性の高い仕事の達人がいるのである。達人は仕事を長く続けていれば誰にでもなれるし、逆に向いていなければ長く続けられないのである(仕事辞めちゃうから)。
 マツコ・デラックスは、スポーツは分かりやすいけどね、と前置きをしていたが、この人はどうして細やかなところまで気が利いているのだろうといつも感心する。たくさんの物事を関心を持って見聞きしているのだろう。そして適切な言葉にして発信する能力がある。
 継続は力なり、というか継続しか勝たんのだけどそれを中学生に分からせるのは難しくて、部活などで練習を積んだ結果、大会やコンクールでいい成績を残す等の経験をうまく体験できればいいのだけど、そんなに全員に都合良くいかないのは、勝つ人がいるのなら必ず負ける人がいるし、むしろ努力が報われない経験の方が多いわけで、努力してもどうにもならなかったな、と思って部活を引退したところに努力の才能があるって一流アスリートが言ってるそ!粘りづよく受験勉強頑張ろう!と言われてもなあ。と中学生の心でKは思う。
 報われようと思わず、仕事として1年の時から勉強をコツコツやって来た優等生には到底追い付かないのだし。
 Kもアラフィフで継続しか勝たんが身に沁みて分かるようになったけど続かないものは続かない。目標に向かって目先のことを我慢して頑張るのが努力ならその才能がないとは言えるけど、仕事として続けることは全然できるからその視点ではそれは努力ではない。
 Kの場合、ダイエットとか続かない。意志が弱いのか目標が弱いのか、またはダイエットはKの仕事じゃないからか。
 みんな自分の仕事しか出来ないのよ。
 そうね。マツコさんの言う通りだわ。