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ユタカな記憶

「今日、いいところ見つけたんだ、
本当は前から気になっていたんだけど、」
そう言って連れて行ってくれるた場所は、
代官山のバー。
ラテンの音楽に乗せて、
全身の細胞で生きている喜びを音に載せる人たちがいた。
それは、
わたしが見たかった世界で
わたしが体験したかった愛の世界で、
どこか懐かしくて、
信頼できるもので、
生きていることや生まれてきたことを嬉しく思えた。




「いいところ教えてもらったんだ。」
そういって連れて行ってもらった場所は、
やさしい光が差し込む小さな小屋だった。
時々通る車の音。
昔作ったプレイリスト。
今は一緒に聞いている。
やさしい光に包まれているその瞬間は、
大きな愛に抱かれているようで心地いい。
目の前には、目をつぶって同じ時間を感じてくれる人がいる。
幸せだねと言える人がいることが幸せなんだと気づく。





「愛はもういいんだ、次は豊かなことに夢中なの」
「なんで?もう愛はいいの? 」
「うん、今のわたしはね、
世界中の全ての愛を愛おしく思えるし、もう満足したの。
愛はわかったんだ。
だからね次は、世界一、ううん、宇宙一豊かでありたい。 」

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