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ビーフシチューから考える、私の思考様式

料理を作るのが好きだ。

でも、ありものでパパッと作るという芸当はまだできない。

レシピ本や動画を見て、そのとおりに作る。

だから、「暮らしに馴染む料理」というよりは、むしろ「料理に合わせて時間をとる」みたいな話になる。

時間だけではなく、お金もかける。飲食店や子育て中の家計では、きっと割りに合わないだろう。

毎日何かを食べる。そのために料理を作らなくてはならない。どうせ食べるのであればおいしいものが食べたい。しかし、毎日おいしいものを作って食べるには、お金と時間と労力に制限がかかってくる。

かと言って低コストでマトリックスの世界のような食事を毎日続けるのは性格的に難しいと思う。

そういうわけで、ここはまぁナカをとって、今は「3日に1度くらい料理に手をかけて、あとは適当に済ませる」という具合に落ち着いている。

最近はレシピ本や動画の普及によって、具材や調味料を揃えて、やる気と体力を用意すれば、気軽に料理を楽しむことができる。

「きょうの料理」に出ている料理研究家から有名店のシェフまで、いろんな人のレシピを見ることができる。

もちろん、数年前からクックパッドやクラシルに代表されるようなレシピ投稿サイトはあって、とても便利でときどき利用してはいるものの、
不思議なもので、不特定の誰かが作ったものより、固有名詞のつく人が作ったもののほうが親しみが湧いてくる。

材料を買い揃えて、あるいはありものでできるレシピを選んで、
ポイントを押さえつつ工程に沿って調理を進めていく。

今日はビーフシチューを作った。
シチューと言えば、市販のルウを買って作るのが定番だ。

でも今回のレシピは赤ワインを1本分使って、煮詰めるもの。
1時間以上かかる。

それでも、買い物をして、レシピを見ながら調理を進めて、完成するまでを楽しんだ。

きっと、自分の手で1から作るというか、なるべく加工品を使わず、原初的なルーツに沿って作ることに喜びを感じているのだと思う。

市場化への抵抗という言い方をすることもできる。

なるべく便利に、効率よく、コストを下げる、みたいなことから逃走を試みているのだと思う。

もちろん、スーパーで買い物をする以上、市場から自由になることはできない。

それでも、研究者が1次情報に価値を見出すように、なるべく加工の少ない(生産者に近い)ものを仕入れ、レトルトや冷凍食品よりは手作りを美徳として、調理をしている。







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