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映画「キャビン」を見た

(この日記はネタバレを含みます)

ホラー映画が見たい。

そう言い続けて2ヶ月くらい経ってようやく見た映画が「キャビン」(The Cabin in the Woods)だ。
と言っても、「キャビン」に関してはあんまりホラー映画を見た感覚はしなかった。

ホラー映画と言ったら部屋を暗くしてソファの上で膝を抱えてちょっと遠目から見る、みたいなイメージがあるけれど、「キャビン」に関してはそんなセッティングは多分必要ない。ポップコーン片手にアメリカンな雰囲気で見ても多分問題ない。

見終えて残った感情は恐怖感や後味の悪さなどのホラー映画のそれではなくて、むしろマーベルシリーズを見た後のような奇妙なワクワク感の方が近い。
ホラー映画というよりは、もはやファンタジーの領域。
ある種のアベンジャーズといっても差し支えない。

キャストの面では、メインのグループ五人組のいわゆる「戦士役」(アメリカ映画では大抵筋肉。アメフト部かバスケ部の確率が高め)の俳優はクリスヘムズワース。ソーの人。やっぱアベンジャーズじゃん。
「賢者役」の俳優ジェシーウィリアムズは、映画業界ではあまり知られた人ではないけれど、ここ2、3年でゲーム業界では有名人。彼は「Detroit: Become Human」というAIをテーマにしたPS4向けゲームのメインキャラの一人、「マーカス」というAI役だった。Wikipediaで調べて「マジかよ」って声に出して言っちゃった。本当に驚くと独り言呟くのか?人間って。

テンプレートとそれに対するアンチテーゼを織り交ぜた小気味いい調子の作品で、ホラー映画としては「必殺技」みたいな映画だと思う。
確かにホラー映画って数あるジャンルの中でもテンプレートがしっかりしていて、だからこそ同じような作品がたくさんあるけれど、それをここまで踏襲しつつもしっかり新しい道を切り開いて行ったのは純粋に凄い。新しい道と言っても、派手すぎて多分後には誰もついていけないけれど。

あと、一度見ただけじゃ全部のネタがわからなかったり、考察の余地がたくさんあるから、オタクから好まれそうな映画だな、という印象を持った。というか制作陣が間違いなくオタク。ネタのセレクトがニッチすぎるし、それを別にしても、めちゃめちゃ研究したんだろうなぁ、と思わせる作り込みだった。一オタクがいうんだから間違いない。

B級映画って言われたら確かにそうだけど、B級映画の良さをとことん詰めた作品でもあったと思う。金が集まると、必然的に金を出した人間が増えて、そいつらの意思が絡み合って思うような作品ができない、なんてのはよく聞く話。これくらいが案外一番好き勝手できる規模なのかもしれない。だって明らかに製作陣の趣味を煮詰めたような映画だったし。

作品と製作陣が込めたエネルギー量に敬礼。

面白かった。




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