家業イノベーション・アイデアソン2021 vol.Ⅲ イベントレポート Part.1
11/30(火)に「家業イノベーション・アイデアソン2021 vol.Ⅲ 」を開催しました!!
8月のキックオフから始まり、今年開催の全4回のイベントは大盛況👏
アイデア出しとアクションプランの設定、実行を繰り返すことで、確実に前進し方向性もアクションもクリアになった家業イノベーター。最後のアイデア出しとなるvol.Ⅲでは、来年6月開催予定の報告会に向けてアイデア出しを行い、約半年間のアクションプランを設定しました。
vol.Ⅲ は、セイノーグループで新規事業の立ち上げ経験を有し、現在は複数の外部アクセラプログラムメンターとして、事業立ち上げや資金調達の支援をしている加藤 徳人さん(セイノーホールディングス株式会社 オープンイノベーション推進室 Logistics Innovation Fund 室長)をゲストスピーカーとしてお招きしました!
人・モノ・金・情報の観点から豊富な経験をもとにしたお話をいただいた様子を紹介します。
1998年西濃運輸株式会社に入社。現場のトラックドライバー経験を経て、
首都圏営業専門職として7年間従事し、大手新規顧客開発を担当。
セイノーグループ管理者層に対する米国式マネジメント経営システムの導入およびハンズ オン業務改善支援を行うなど幅広い現場経験を持つ。
2016年、新設のオープンイノベーション推進室立上げメンバーとして自社アセット活用による価値創造を目的としたインキュベーションや新規事業構築に従事。
直近では“SEINOアクセラレーションプログ ラム”の運用をはじめとし、日本初ロジスティクス専門ファンドの設立(CVC/Logistics Innovation Fund)やインドネシアでのコールドチェーン事業、農福連携事業構築など、既存事業の枠を超えた他社との共創による社会課題解決を目指す。
https://www.seino.co.jp/seino/shd/
https://logistics-innv.com/
新規事業を成功させるには?
今まで数多くの新規事業の立ち上げや資金調達の支援を行ってきた加藤さんが考える、新規事業を成功させる上で必要なことを3つお話しいただきました。
① 社会のイメージ
知識経験さえあれば成功するのではなく、さまざまなリソースが必要になります。その中でも根幹となる部分は「Vision」です。
ここで言う「Vision」とは、その事業を通してどんな社会を創りたいのかを考えること。新規事業を立ち上げる上で、何があっても挑戦できるくらい強い想いを持った理想像と仲間と走り切るために必要な具体像をどちらも言語化できる状態にしておくことが大事になります。
② ビジネスモデル
Visionだけでは事業は立ち上げられません。創りたい社会を実現する仕組みである「ビジネスモデル」を考えることが必要です。ビジネスモデルを考える上で大事になるのは、社会におけるインパクトを生み出すこととお客様に喜ばれる価値提供をした上できちんと儲かることです。
③ ノウハウ・資金・同志
Visionを実現するためにはビジネスモデルさえあればいいということではありません。新規事業を立ち上げるためには、当然の事ですが「ヒト」「モノ」「カネ」をしっかりと手に入れた上で進めていく必要があります。
ここでポイントとなってくるのは "ビジネスモデルから入らない" ことだと加藤さんは話します。ビジネスモデルはあくまでも稼ぐ仕組み。ビジネスモデルをつくる前にコンセプトをしっかりとつくり、Visionを明確にすることが大事だそうです。
コンセプトと提供価値のつくり方とは?
実際に新規事業を立ち上げるためにやらなければならないのが、コンセプトと提供価値をつくることだと加藤さんは話してくれました。そこで、それぞれ取り組む上で必要なことをお話しいただきました。
コンセプトづくり
コンセプトとは直面している課題のあるべき未来像と新しい解決策を言語化したものを指します。コンセプトをつくる上で大事なのは、課題に直面している人々や世の中の状況を正確に把握し、それに合った未来像や解決策を考えられていることです。
提供価値
人々や世の中の今の姿と理想の未来像のギャップを埋める新しい解決策を提案することこそが提供価値。人々や世の中が直面している課題を解決してあげることが提供価値になるのです。また、チーム全員が新規事業を立ち上げる目的を共有する上でも提供価値は大事になってきます。
資金調達する上で必要なこととは?
資金調達するためには、成長戦略・事業計画が必要です。そこで、加藤さんから成長戦略・事業計画をつくる上でのポイントを3つ紹介してもらいました!
①最初から精緻な戦略・計画が必要なわけではない
②走りながら考える
③頭の中にあるものをアウトプットし、言語化していく
最初から精緻なものをつくろうとすると頭でっかちになりがち。書いて走らないのが最もよくないので、走らせることが大事だと加藤さんは話してくれました。
ここからは成長戦略・事業計画のアウトプットにおける3つの手段についてお話しいただきました。
ピッチデック
ピッチデックとは自分が何者でどんな新規事業をやろうとしているのかを提示するもの。ここで大事なのは「提供するソリューションはイケてる?」「それって刺さってる?成長する?」「勝ち続けられる?」などの問いに答えられる資料になっているかどうかです。
事業計画書
事業計画書では、数期先まで事業のイメージができていてそこに合わせたKPIを設定する必要があります。事業計画書を作成する上で最も大事なのは自分の事業を構造的に理解できているかどうかです。「事業の明文化」「ビジネスモデルの図式化」「売上の構成要素の書き出し」の3つのステップを踏むことで構造的事業理解へとつながります。そしてこれらを組み立てることで事業計画書をつくることができ、目標を達成するために必要なことを描くことができます。
資本政策表
最近は色々な方法で資金調達することができるようになり、VC調達、銀行借入、クラウドファンディングなど選択肢が増えてきています。事業のステージや規模に合った資金調達の仕方があるので、メリットデメリットを把握しておく必要があります。
キックオフからvol.Ⅱまでは実際に家業を承継した方々からゲストスピーカーとしてお話しいただきましたが、今回は新規事業の立ち上げという視点から加藤さんにお話しいただきました。まさに今新しいことにチャレンジしようとしている家業イノベーターにとっても、多種多様な参加者の方々にとっても、身になる話でした!
Part.2では各家業イノベーターのアイデア出しの様子を特集します!
今年最後のアイデア出しでは、中長期的なアクションプランを設定。どのようなディスカッションが行われたのか、レポートにまとめて紹介します。
さて、次回中間報告会は来年4/26(火)開催予定です。
6月の報告会に向けて家業イノベーターがアクションした成果を発表する中間報告会。3回のアイデアソンを経てどのような変化があったのか。中間報告会までの家業イノベーターのあゆみはnoteの記事にて紹介していきますので、お楽しみに…!