日本の異常ともいえるVALORANTの熱量を見て感じた、日本のタクティカルFPSシーンの成長と文化を支えたタイトルの話

2022年4月、「Valorant Campions Tour Stage1 Masters 2022」が開催され、日本代表として出場している「ZETA DIVISION」が韓国代表の「DRX VS」を破りベスト4へと進出した。
日本中のファンが熱狂し、これを『日本タクティカルFPSにおける快挙』と形容し、賞賛の嵐となっている今この瞬間に書いている。
なお、この記事はあくまでも筆者個人の感想や意見であり、事実やほかの意見を蔑ろにする意図は一切ない。寧ろ自分の意見を公開することで皆さんの意見を聞きたいので是非SNSなどで感想を引用RTなどで教えてほしい。

私は今回のVCTにおけるZETAの素晴らしい戦いぶりに、本当に感銘を受けている。昨年のVCTでは芳しい結果が出なかった日本チームが、急激な成長を見せ、いわばブレイクスルーを起こしたのだから驚きと喜びを隠せないのはこれを読んでいる皆さんもおそらくそうだろう。
その中でやはり世界4位となったFPSということで「Six Invitational 2019」の野良連合が度々話題に上がっている。
野良連合はプロeスポーツチームであり、「Rainbow Six Siege」というゲームタイトルで世界大会4位という輝かしい成績を残したチームだ。
当時は今のように何十万人もの日本人が見るようなタイトルはまず存在ぜず、配信に5ケタ来ていたら相当多かった。(今でも5ケタ来るタイトルは限られているが)
そして当時から日本のeスポーツシーンといえば世界で通用するのは格ゲーや日本産のゲームで、FPSは世界では通用しないといわれていた。
実際筆者が当時プレイしていて、このころ初の国内プロリーグが実施された「Call of Duty」シリーズでは、初めての世界大会で打ち砕かれ、世界との差を痛感したのは鮮明に覚えている。その後一矢報いるレベルには達したが、今は残念ながら公式大会が実施されていない。これはまた別の機会にでも話そう。
もちろんそれまでもPCのFPSタイトルでは時折国際大会で結果を出したタイトルもあったわけだが、それでも日本全体としては認識が変わっているわけではなかった。
そんな中、このころのシージは革新的なゲームデザイン、PCだけでなくPS4でもプレイできたことから日本でも人気を博し、有名プレイヤーも登場したことで一気に注目度が高まったタイトルだった。
そしてプロチームも多数発足され、国内でも割と大きな大会が開催されるようになっていったのだ。
私は今回のVCTでのZETAの活躍を喜ぶ、日本のタクティカルFPSの陰の立役者としてこの「Rainbow Six Siege」があったのではないかと考えている。

Rainbow Six Siege」は5v5で行う、いわゆる爆破モードが主流なタイトルだ。本作最大の特徴はマップの壁が破壊できることだ。
防衛側であっても攻撃側であっても、マップの一部の壁や床は破壊することができ、これによって無数の斜線を作ることができる。
今までのFPSとはそういった部分で一線を画しており、この仕様がユーザーに非常に受けたのだった。
さらに攻撃と防衛で使用できる「オペレーター」が異なり、それぞれのオペレーターはユニークな特殊能力を持っている。
相手への直接的な攻撃手段や、大きな盾を持っているオペレーター、壁を素早く破壊することができる者もいれば、壁を破壊させないようなスキルを持っている者もいる。
こうした無限ともいえるような組み合わせによって成り立つこのゲームは、当時の多くのFPSプレイヤーにとっては革新的なゲームだったわけだ。
そしてこれだけのオペレーターの組み合わせや斜線の通し方などが考えられるゲームであれば、否が応でも頭を使わないとまともにキルすらできないのだ。
これまでのFPSでは、マップは固定化されており、状況が流動的に変化するということはそう多くはなかった。もちろん爆破におけるセオリーやスキルを使用するゲームがなかったわけではないが、様々なゲームの要素を集結したようなシージは、「いいとこどりをした分だけ複雑で」、難しかった。
ただ、この「複雑さ」がプレイヤーたちを刺激し、本当に多様な戦術が作られ、メタが回っていった。こうして日本で多くのユーザーを獲得していったのだった。

このゲームで5v5の爆破を始めたという人も本当に多かっただろう。筆者も初めてやった爆破ゲームはシージだった。(CoDのSnDはプレイしていたが、あれは複数あるモードの一つなので除外する)
今でいうバトルロイヤルにおけるAPEXのようなポジションではなかろうか。※シージは他の5v5タクティカルFPSとはゲーム性が異なりすぎてもはや「シージ」というジャンルにもとれるが、あくまでも今回は大枠としてのタクティカルFPSとして取り扱う。

そういうわけで、日本におけるタクティカルFPSの成長の一端を担ったのは、個人的にはシージではないかと推察している。本タイトルによって日本のタクティカルFPSは一つ階段を上がることができたと感じている。
もちろん直接的な関係のあるタイトルは他にたくさんある。トッププレイヤーの多くはCS:GO出身、他にもOW出身などが殆どなのだ。それはその通りだ。
ただ今の日本におけるVALORANTの爆発的ともいえる人気を支えているのはこれらのタイトルかというとどうだろうか。私は正直疑問だ。
そういった意味でシージは日本に豊かな土壌を形成してくれたというのが今回の意見だ。
少々ドラスティックな主張にも思えるかもしれないが、面白い意見だと思ってもらえたらありがたい。

いかがだっただろうか。
今回の記事はTwitterで炎上していたツイートを見て私の考えはどのように受け取られるのかという点が気になって書いた。
走り書きなのでおかしな文章だったら申し訳ない。
はじめにも記載したが、この文章を読んだ感想や意見があればTwitterで拡散していただいて意見交換をできればと思う。
そして最後に、ゲームタイトル同士の実績の比較は不毛であり、無意味だ。
これは極端な話、eスポーツとサッカー、もっと言えばゴルフやマラソン、将棋やモータースポーツなどの実績と比較することと本質的には変わらないからだ。ここに何の意味があるのか。
それぞれにコミュニティがあり、プレイヤーやステークホルダーがいて、文化がある。ポジショントークだとしてもイケてない。それくらいズレているのだ。
今のeスポーツシーンでは稀有な例なのでどうしても話題になるのはわかるし、それはいいことだ。これを話題にしないでどうする。
ただ、腐すのは気分が悪い人もいるし、無礼になることもあるということを覚えておいて欲しい。ゲーマーはゲームへの愛は人一倍強く、しばしばSNSで攻撃的になりがちなので、こうした意見に対する反応は厳しいものだったりするのだ。

今回はここまで。もっとデータや根拠に基づいた意見を出せるようになったらまたお話できればと思う。

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