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「脱炭素」は嘘だらけ 感想

TVのニュースを見ていると、「ヨーロッパでは、自然環境の悪化に抗議している人々のデモが活発に行われています」と、アナウンサーがバックに映った映像とともに、現地の様子を紹介しています。

そこに解説者が入ってきて地球温暖化がどれだけ深刻な事態になっているのか、聞いたことも無い言葉を盛りだくさんに使い説明してきます。

私はそのたびに、「環境運動している俺、私、カッコイイーでしょ!的な感じでやってるんだろうな」と、冷めた目で見てしまいます。

具体性のない理想論ばかりかかげて、自分では何一つ行動せず誰かがやってくれるのを待つだけ。CO2を減らそう、プラスチックを使うのをやめよう、自然エネルギーに代替えしよう等々、声高に主張する。

しかし、実際それらを実現するため、現在の暮らしに様々な負荷が掛かった時、真っ先に文句を言うのも彼ら自身だと思います。

世界的な流れに乗り遅れまいと、日本の菅首相は2050年までにCO2を実質ゼロを目指すと表明した。

私の感想としては、
「いやいや、ゼロにする必要がどこにあるの?半分ぐらいでよくね?」と、真っ先に思いましたが、本人も本気でできるとは思ってないでしょう。
ただの政治的な正しさだけで言っていると感じてしまいます。

だからこそ私はトランプ大統領が結構好きでした。自然も大事だけど、「経済こそ優先するべきだ」と言うはっきりした考え方が、共感できたからです。

ファッション感覚で自然保護を語っているヨーロッパの首脳たちより、よっぽど合理的で良いなと思いました。

ということで、長々と日頃の不満を書きなぐってしまいました。
全然感想に入らなくてすいません。

まあ、そんな感じで色々思うところがあった時に見つけたのが、
本書「脱炭素は嘘だらけ」です。

本書は、ここ1、2年で急進化した環境運動が、日米欧の政治を乗っ取ることに成功したことで、中国の台頭を招き、日本及び自由諸国の脅威になっていることを伝えています。

また、強力な同調圧力を伴って流布される「CO2ゼロ」プロパガンダのフェイクぶりを暴露する内容となっています。

はっきり言って自分の考えを肯定してほしくて、本書を買ったようなものです。バイアスがかかりまくってて、一つの答えに固執するのは良くないと分かってはいるんですけどね。

それでも、本書は事実をベースに書かれているので、正しく世の中のことを知ることができたと思います。

地球温暖化と言う「物語」

いま日本では、地球温暖化問題について以下の「物語」が共有されている。

①地球温暖化が起きている。

②このままだと、地球の生態系が破壊され、災害が増大して人間生活は大きな悪影響を受ける。

③温暖化の原因となっているのは、化石燃料を燃やすことで発生するCO2であり、これを大幅に削減することが必要だ。

④ 2050年までにCO2排出量をゼロにすることが必要だ。

⑤温暖化対策は待ったなしの状態である。


この「物語」に沿って、政府は予算を獲得する。温暖化対策を名目とした予算は、あらゆる省庁や自治体に存在する。
どの計画を見ても、枕詞は同じで、冒頭の「物語」がまず書きこまれ、その後で、必要な政策や予算措置が列挙される。

研究者も、この「物語」に沿って予算を獲得する。どの研究提案書を見ても、冒頭の「物語」がまずあって、その後で、実験計画や人員、必要な予算措置が書いてある。

このような政府と研究者の利権構造ができあがると、「物語」は繰り返し反復されて、強化されていく。人はその性として、「物語」が本当だと信じるようになる。

温暖化問題に関係する研究者は、この社会学的構造からは滅多に抜け出せない。そうして「物語」をせっせと再生産するようになる。

ところが、研究者は、その「物語」を自力で検証したわけではない。

温暖化問題は、自然科学、工学、経済学など、広範な領域にわたるのみならず、それぞれの領域も細分化されていて、自分の専門領域以外の事は、相当に頑張って勉強しないとわからず、ほとんどの研究者は何も知らない。

そこで、他の研究領域については「物語」を使って説明し、自分はその文脈で研究する、と言う言い方をする。

だが、それによって研究者は、2つの罪を犯している。1つは、その「物語」を反復したことで、「物語」の科学的真意を問うことなく、それを強化する罪である。もう一つは、その「物語」に合うようなバイアスを受けた研究報告を書き、メディア発表することである。

本書より抜粋
rbbtoday.com

様々な異常を示すデータがあって、だから温暖化がおきていると結論付けるのならまだ分かります。しかし、世の中は温暖化が起きている前提でどうするか考えていると思います。

「政治家や、専門家がこのままだと危ないと言っているから、とりあえず従っておくか」一般的にはこんな感じじゃないでしょうか?私も昔はこんな感じでちゃんと考えたことは無かったですね。

本書から抜粋させていただいたこの「物語」が、本当によく浸透しています。最近、私の会社でも社長が突如「これからはSDGsだ!」と皆の前で言い出し始めました。

SDGs:Sustainable Development Goals
   (持続可能な開発目標)
グローバルな社会課題を解決し、持続可能な世界を実現することを目指して国連で採択された国際目標

この中の一つに気候変動に関する項目があるため、エアコンの使用時間を減らせだとか、機械類の省エネを考えろだとか、もうめちゃくちゃです。

上司や同僚も「またいつもの気まぐれが始まったよ」とあきれています。私自身も仕事が増えるだけで、ただしんどいだけです。無理くり意味を見つけるとしたら、大手の取引先にアピールして仕事を取れる可能性を上げることぐらいじゃないでしょうか。
(社長!せめてその様な考えであってください)

まあ、このようにすでに温暖化は深刻であるという「物語」が世間の津々浦々まで常識となってしまっています。

温暖化の科学的知見

①温暖化はゆっくりとしか起きていない
温度の上昇のペースは過去100年で平均すると0.8℃程度であった。

②温暖化は危険ではない
現在程度の速さの温暖化は、過去に自然変動で起きてきたものと大差ない。それに、過去100年に起きた約0.8℃の温暖化では、何の被害もなく、人類は空前の繁栄を享受した。

③温暖化は人為的CO2にもよるが、それ以外の要因も大きく、よく分かっていない
化石燃料燃焼によるCO2などの温室効果ガス排出が温暖化の要因の一部である事は確かである。しかし、IPCCによる気候のシュミレーションは、自身が認めているように科学的不確実性はとても大きい。   シュミレーションは、一連の過去の変化をうまく再現できておらず、地球の気候の複雑さを表現できていない。したがって将来の予言も不確かである。

IPCC:地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構

④大幅排出削減は待ったなしではない

一連の物語は、結局はこの「待ったなし」を言うことが眼目である。そうしないと政府予算も研究予算もなかなか付かないからだ。

しかし、実は温暖化では大した被害が起きなかったし、今後についてもさしたる危険が迫っていないこともわかってきた。その一方で、大規模な排出削減には、大変な費用を伴うことがはっきりしている。

再生可能エネルギー導入促進の賦課金だけで年間2兆円を超え、これは電気料金に上乗せして国民から徴収されている。

本書より抜粋
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あの再エネ発電賦課金は結構きつい出費ですよね。効率の悪い太陽光発電や風力発電の設備を高額な建設費で作って、いったい誰が得するのでしょうか?

建設業だって再エネ事業でウハウハなんてことは聞かないし、電力会社もそれで儲かっている話もないですよね。

供給者も消費者も誰も得しないこの温暖化対策の取り組みは、本当に見直すべきだし、なんなら「一抜けた」とさっさと逃げ出してもいいんじゃないでしょうか?

本書では、中国がその辺で良いポジションを取ってると説明されています。先進国が温暖化対策で疲弊しても良いし、上手くいった場合でも安価になったその技術を導入すれば良い。中国は発展途上国の立場を固守して温暖化の責任から逃れていますからね。

sankei.com

経済停滞が長く続いてきた日本で、中国の台頭に抗して自由と平和を守るために一層の国力が必要とされている今のタイミングにおいて、経済的損失を顧みることなく大規模な排出削減をすると言うのであれば、それは間違いだ。
いま必要なことは、過去30年の知見の蓄積を科学的に踏まえて、「物語」を修正する試みである。すると、新しい「物語」はこうなるだろう。

①地球温暖化はゆっくりとしか起きていない。

②温暖化の理由の一部はCO2だが、その程度も温暖化の本当の理由もわかっていない。

③過去、温暖化による被害はほとんど生じなかった。

④今後についても、さしたる危険は迫っていない。

⑤温暖化対策としては、技術開発を軸として、排出削減は安価な範囲にとどめることが適切だ。

本書より抜粋

伝えたいことがありすぎて本書からかなり抜粋してしまって、大丈夫かな?と、ちょっと心配していますが、これらの事は本書の冒頭の一部にすぎません。

さらにここから、脱炭素は国民経済を破壊することに関して、詳細に記述されていたり、脱炭素との上手い付き合い方を解説されています。

世の中に蔓延している常識を一度は疑ってみてください。新しい考え方や知らなかったことに出会えるチャンスがくるはずです。少なくとも私はその姿勢でいつづけようと思います。

本書は現在流行りの「温暖化が深刻でやばい!」という「物語」に対する強力なアンチテーゼとなっています。共感できる人もそうでない人も、是非、本書を読んでみてください。

知識は自分を裏切りません。

ここまで感想文を読んでいただいてありがとうございました。


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