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もっと自分を許してやりな

 大学一年の時、友人に悩みを相談されて、俺はテキトーにこんな言葉を言ってしまったのだ。その人の悩みがどんなものかなんてマジで何にも覚えてないし、なんなら俺、その人にめちゃくちゃ嫌われていたと思ってたから、マジでテキトーに答えてしまった。その人は俺に「ありがとう」て言って、数ヶ月して学校を辞めた。

 後悔はしてない。俺の言葉がトリガーになって学校を辞めたわけではないと思うし、いろんな人にペラペラ相談するような人だったんだと思う。その時の俺の言葉は、最大限考えて最大限のテキトーな言葉だったわけだし、最適解だったと思うし。別に学校を辞めることが悪いことだって思わないし、現に俺だって辞めるかめちゃくちゃ迷ったし。

 その人の悩みは、、、

「自分を好きになれない」

だったと思う。

 自分の性格が嫌い。自分の顔が嫌い。自分の事、愛せない。そんな思春期みたいな悩みで、俺は自分にあまあまだから、「許してやりな」なんて呑気に言ったわけで、、、

 自分自身の嫌いなところを受け入れてやらなきゃ、他人を受け入れることなんて無理だろうと思う。自分自身を嫌いでいるとき、他人に愛を振りまくことは不可能じゃないのだろうか。そんなよくわからん理屈で俺は、銃口をその人へ向けて、パンと引き金を引いてしまったのだろうか。

 そしてなにより滑稽なことは、その全てがオンラインで行われていたということである。

最悪な世の中だぜ、まったく。

 

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