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西日本太平洋側の豚骨ラーメン

ユーチューブのラーメン特集を見ていてふと気になる言葉が出てきました。

「鹿児島はラーメン、宮崎はうどん」

鹿児島の豚骨ラーメンは聞いたことあります。そこで宮崎のうどんを調べてみると、釜揚げうどんが有名らしいです。

それはさておき、ふと思いついたのが和歌山にも豚骨ラーメンがありました。そして、鹿児島と宮崎の対をなすように和歌山の北東に位置する三重には伊勢うどんがある。

位置関係は少し違うけど、四国の徳島にも豚骨ラーメンがあり、その北側の香川は讃岐うどんが有名。

うどんで有名な県に隣接する太平洋側に、豚骨ラーメンがある。

豚骨ラーメン(鹿児島、徳島、和歌山)、うどん(宮崎、香川、三重)

何か秘密めいた関係があるのでしょうか。ちょっとドキドキしてきました。

そもそも、日本の猪(豚)の飼育は弥生時代以降らしいです。でも、仏教の立場から西暦675年に肉食禁止令がだされ、貴族の間では徐々に肉食が廃れて養豚業も衰退したのではないかと言われてます。

再び豚が飼われるようになったのは江戸時代からで、明治以降は畜産業の振興策で欧米から導入した豚の飼育が始まり、それが民間に払い下げられていったのだとか。

縄文時代の貝塚からはシカやイノシシの骨が出てるので、肉食になじみがないとも思えません。でも日本の肉食の歴史って中途半端かもしれない?

一方、ラーメンのルーツは江戸時代末期に開港した都市の中華街で中華料理店が開店、それが大正時代以降全国に広まったそうです。水戸黄門が日本で初めてラーメン食べたというこぼれ話もありました。

名前を聞いたことのある「来々軒」は、明治43年に浅草で開店した日本人向け中華料理店で、「南京そば」、「支那そば」などを提供したそうです。
(新横浜ラーメン博物館 「日本のラーメンの歴史」)

そして鹿児島ですが、ここは養豚業が県別ランキングで日本一。なので、豚骨を使ったラーメンというのはうなずけます。

ところが、徳島、和歌山の養豚業は、徳島は32位、和歌山は47位でした。
(令和3年 都道府県別 豚飼頭数)

さて、これは一体どういうこと?

確認すると徳島の豚骨ラーメンは1951年に徳島ハム株式会社(現在の日本ハム株式会社)が設立され、安い豚骨が大量に供給されたからだそうです。(新横浜ラーメン博物館「徳島ラーメン」)

では和歌山ラーメンも同じかと思い確認すると、かつて和歌山にも日本ハムのハム・ソーセージ工場がありました。もちろん鹿児島にも。
(現在、和歌山、鹿児島は工場集約による移転、同業他社へ売却)

豚骨ラーメンが生まれる背景にはそんな理由もあったようです。うどんに比べラーメンは後発組なので、隣接する有名なうどん県との差別化もあったのかもしれません。

こってりした豚骨ラーメンも美味しいですよね😊

最後までお読みいただきありがとうございました。

参照:wiki「徳島ラーメン」「鹿児島ラーメン」「和歌山ラーメン」「日本の獣肉食の歴史」、養豚の歴史 | 一般社団法人日本養豚協会 (jppa.biz)


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