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「湯の庄」 ~枕草子にも謡われる名湯・榊原温泉〜

 三重県立美術館から、同じ津市にある榊原温泉に行ってきました。

 榊原温泉は、三重県津市(旧伊勢国)にある、歴史を誇るいで湯です。

 この辺りは、古くは七栗上村と呼ばれ、平安時代には、現在、NHK大河ドラマに登場している清少納言が「枕草子」にて、

 「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」

 と、三名泉として讃えられています。

 927年にこの地に、射山神社が建てられて「神湯」とも呼ばれるようになり、江戸時代に伊勢参詣が盛んになると、七栗の湯は参拝客の垢離場として、お伊勢さん湯ごりの地となりました。

 当時、湯治場として大いに賑わいを見せ、地元では「宮の湯」と呼ばれ、射山神社は温泉大明神と呼ばれていました。

 「榊原」という地名は、継体天皇の頃に遡り、継体天皇の娘、ササギヒメノミコトが斎王となり、斎宮に入ることになった際に、近くに自生していた榊を温泉水に一晩中浸し、神宮に祭祀したという伝承に因んでいます。

 この「湯の庄」は、榊原温泉の中でも、歴史の古い旅館・榊原館に接続されている日帰り温泉で、完全源泉掛け流しの素晴らしいお湯です。

 ヌルヌルとした31.2度の源泉と、加温された温泉に、交互に入ることにより、身体がメンテナンスされます。

 「むらさき」「もえぎ」という二つの湯場があり、それぞれの案内板の文字は、同じく大河ドラマに登場している、仮名文字の名蹟とされる藤原行成の書体をモデルとしたものとのこと。

 清少納言、藤原行成と、ちょうど、放映されているドラマに関連する人の名前があり、榊原温泉の歴史を感じられます。

 また、温泉場には、源泉神社も祀られています。

◆泉質:アルカリ性単純泉
◆源泉掛け流し(31.2度の源泉と加温温泉)
◆飲用可
◆料金:1,000円(タオル付)

「藤原行成」
「源泉神社」


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