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FF14蒼天のイシュガルドのここがすごい

物語における時間の描き方がうまい。

もう数年前のコンテンツなのでなにを今更な感想を書くのだが、自分にとっては今なのでしょうがない。蒼天のイシュガルドの物語で感動した箇所を書く。

ちなみに盛大にネタバレしていくので未プレイの方は注意されたし。

ただこのゲームやってくれというのも結構難しい。難しいと思うくらいには蒼天のイシュガルドに辿り着く前の新生エオルゼアがしんどい。えぐいくらいしんどい。めちゃくちゃ時間かかるし話が盛り上がるのが最後の最後。何十時間かプレイした後なので本当にMMO初めてです!って人がMMOに対する新鮮さ込みじゃないとキツイと思う。

それでも蒼天のイシュガルドは面白かった。これまでにやってきたRPGのなかでも上位に入った。しかもここから先の紅蓮や漆黒も面白いらしい。やばいだろFF14。

で、最初に書いた「物語における時間の描き方がうまい」に戻る。

結論を書いてしまうと物語途中で聖竜フレースヴェルグが放つ

「お主が謝罪の言葉を述べるのは簡単なこと。発端となった裏切りは、お主自身が成したことではなく、遠い昔の「歴史」に過ぎぬのだから。」

FF14 蒼天のイシュガルド 聖竜フレースヴェルグより

この台詞である。ただ、この前後の物語あってこその台詞なのでここだけで感じ入って欲しくはないのと、変に現実と混ぜて解釈されそうとも思ったのでそういう目線では見て欲しくない。

異種族間で時間軸が違うというのはファンタジーでよく描かれがちなテーマで、よく書かれるのがエルフと人間。魔族と人間。神と人間。そして、愛に軸足を置いた物語が多い。永劫に近い時間を生きる種族と、それと比べて瞬く間に老いて命を散らす人間。その長すぎる線と点の交わりに光輝く尊い時間。その思いが胸に残る限り愛とその存在が消えない。もしくはあまりにも長すぎる時間がゆえに薄れ消えゆく記憶に絶望する。多くの作品が描かれたテーマだろう。不変といえば不変だし、よくあるといえばよくある。だからこそ物語に自然に組み込むのが難しい。

どこかで見た作品の劣化版になってしまいかねないのだ。

という中で蒼天のイシュガルドは憎しみに軸足を置いている。もちろんそこには愛も含まれてはいる。物語の中で、永劫を生きる竜の時間感覚と人の時間感覚をことさら強く名言はせずに、なんなら人側であったイゼルが竜に寄り添い、その悲しみを分かち合おうと歩み寄っている中で、バッサリと切り捨てる。この手前にもイゼルが成してきたことは竜からすると徒労、もしくはそれすらも竜の憎しみの上であったと判明するのだが、それも含めて、竜と人の時間に対する感覚や今の時間に対する認識の違いというのを非常にうまく表現していて本当に感動した。憎しみを主題に時間感覚の違いをこんなに切なく書けるのがFFってマジ!?ってなった。

しかも、ここに至るまでの旅のシーンがとてもとてもRPG的でいいものだったのだ。主人公である光の使徒と、別の立場の光の使徒でもある氷の巫女、魔女イゼル、かつて世界を滅ぼしかけた災害を救った英雄の孫であり、旅の立役者アルフィノ、蒼天のイシュガルドの舞台、イシュガルドにおける竜を屠る者、蒼の竜騎士ことエスティニアン。この4人の旅が良い。それぞれの思惑がありながらも目的を同じにして旅が始まり、その旅の中で少しずつ親交を深め、己の無知無理解を恥じつつも受け入れて相手を尊重し、聖竜の待つ人立ち入らぬ場所まで旅を進めていく。本当にまじでこれこれ!こういうの見たかった!!ってなった。

だからこそ、フレースヴェルクのシーンは印象に強く残る。とても素晴らしいシーンだった。

そしてこのあと絶望するイゼル、歩みを止めないエスティニアンのそれぞれの物語。
一度滅びた後再興しつつあるイディルシャイアと竜と人の争いよりさらにさらに過去に繁栄していたアラグ帝国の魔大陸との対比構造。しかもそれを魔大陸でやるってのがもうFFファンからすると歓喜。
ボスはFFファン歓喜の格好良さ。

おれ、FFやってる。
こどものときに大好きだったFFを遊んでるよ、おれ。

他にもあのシーンってあれのオマージュかなとか、あの設定ってこの作品のあれだよなとか色々あるのだが、そのあたりは実際にプレイして初見で楽しんで欲しい。一番書きたいことは書いた。

まだ紅蓮に入る前の話を進めているところなのだがイシュガルドの建国の過去についてはもうちょっと説明して欲しかったので、このあとされるのだろうか。されなくてもまぁいいかなーと思いつつもここまでが高得点だけに期待してしまう。期待させられるほどには面白い。

FF14、進めていけば面白くなると言われてきて、新生やってるときは疑ってましたが本当でした。このゲーム進めるほど面白くなります。FFファンならやる価値があるといまなら言えます。

観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。